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二十一話 邂逅とβ

—剣はただの鉄だ。


だが、その鉄に誇りを宿す者がいる。

命を懸けて振るう者がいる。


そしてそれを、

ただの“道具”としか見ない者もいる。


その違いは、戦いの終わりに必ず現れる。


価値の違い。

覚悟の違い。

命の重さの違い。


今宵、清水寺で交わるのは

侍と魔族。


だが——


この出会いは、

やがて魔族統治国家を揺らす邂逅となる。


「半分もだと?貴様舐めているのか?」


シャークはイラついたように剣先を振る。


()()は完璧じゃないと意味がないだろ。」


「——物か。」


ルンタはやれやれとても言わんばかりに手を振る。


「貴様は拙者には勝てぬ。」


「おい!テメェ!ふざけんな!」


シャークはイラつきが頂点に達して、今すぐにも飛びかかろうとする。


「ふっ、やっぱりな。その構え——覚悟がない。」


「それに……刀は物じゃない——命だ。」


ルンタは声を荒あげる訳でもなく、怒る訳でもなく、

波のない水面のように静かに言った。


「何故自分を信じられない?刀は物なら、自分が振るうのだから、自分を信じるはずだ。」


「ぺちゃくちゃ喋りやがって!」


「拙者は全ての太刀に命をかける——それだけだ。」


シャークはルンタの言葉を聞かずに床に潜り込む。


シャークの固有魔法は、自由に泳ぐ魔法(アクティル)


今までの通り壁、空気、床を自由自在に泳ぐことができる魔法。


その動きは神出鬼没、予測は不可能……


——のはずだが


(……なんで?全部読まれる……。)


シャークが顔を出したところには何故かルンタが先回りして斬られていた。


何度も、何度も、何度も。


——何度も……


「お……おい……何故見切れる……。」


シャークは致命傷は避けているがあちこちに切り傷がついている。


一方ルンタは無傷である。


「何故って?勘だよ。」


「戦では勘で城を目指したらよく敵の補給地を見つけて倒した物だ。」


(…….迷ってんじゃねぇか。)


シャークは今まともに戦の場にも迎えない侍に負けようとしている。


(そんなのオレのプライドが許さない!)


「クサナギ!」


『おっ……おう。』


クサナギは気まずそうに返事する。


「これがオレの最終奥義だ!」


鮫の自由技(さめのじゆうぎ)


シャークは床に潜りルンタに間合いを詰め斬る。これを四方八方に繰り出す。


流石にルンタも何発か捌ききれずにくらう。


(……勝った。結局はその程度。)


「まだ立ってるぞ。」


ルンタはシャークを義眼で睨む。


「立ち上がるまでは負けぬ。」


破壊の太刀(はかいのたち)破天狼(はてんろう)


その一撃がとどめだった。


「なぁ許してくれよ。その剣は返すから……ほら。」


シャークは、立ち上がらずにルンタに怯え後ろに逃げる。

更にクサナギを放り投げ手放す。


「……。」


「おい!黙ってみるなよ。見逃してくれるよな?な?」


「見逃す……相手が人なら見逃していた。」


「オィ、オレは人だ……。」


シャークの顔が恐怖で歪む。


「今更、生きようとするな。見苦しい。その放り投げた太刀を持った時、生きるか死ぬかの世界だ。貴様は負けた、貴様は魔族だ。生かしておけぬ。」


「おいおい……やめてくれぇぇぇえ!」


——音はなかった。


(あの物も決して弱くはなかった……ただほんのものの価値の違いだけだった。)


『あいつ……情けねぇな。俺っちがついてきたのがバカバカしいわ……』


その声には少し悲しみが混じっていた。


「お前、」


「クサナギと呼んで。」


「わかった。クサナギ、あんな持ちぬしでも悲しいのだろう。見ればわかる。」


『侍ってのは全部お見通しなんだな。』


『俺っちを普通の剣として見てくれたのはあいつが初めてだ。だからよぉ、短い間でもすっごく楽しかったんだ。』


「そうか。」


——その頃β(ベータ)



β(ベータ)国ではシャークの死が広まっていた。


「三番隊副隊長のシャークが死んだ……?シャークはこの国でも相当の実力者なのに……。」


草薙の剣(くさなぎのけん)を手懐けたのではないのか……。」


民達は口々にざわめく。


——しかし一人興奮している男がいた。


「素晴らしい!素晴らしいよ!シャーク。よく見つけてくれた。」


七冠β(ベータ)である。


β(ベータ)は和室で座禅をしていたが、報告を聞いて興奮を抑えきれなかった。


β(ベータ)はずっと側近から魔力を借りてシャークの戦いを見ていた。


「あの男、名をなんと言う。」


「えっと確か……死後兵(しごへい)の“ルンタ”でしょうか。」


「そうか!ルンタというのか。」


——やっと見つけた。


β(ベータ)はそばに置いてあった刀を握る。


「おい、転移魔法でそこまで飛ばせ!」


β(ベータ)は子供のようにワクワクしながら転移魔法陣に飛び込んだ。


——清水寺


「では、帰ろう。」


『何時間かかる?』


「すぐ帰れるさ。」 


ルンタが立ちあがろうとした時、


——後ろから圧。


——何かいる!


「待て待て、ここで素晴らしい武士を帰らせるわけにはいかん。」


ルンタが振り返ると刀を持った長身の男。


「私はβ(ベータ)。あなたをずっと待っていた。」

「ははぁ!どうも死んだ、シャークだ!」


「「「出番終わったからって次回予告で元気そうにするな!」」」


「ちなみに私たちはこの作品以外は仲良いです。」


「そんな感じでいいのかリサ殿?」


「いいと思う?」


「エリック殿も含めここだけ適当すぎる」


「おい!俺はelegantな天才だ。」


「……主人公としてそれはねぇぞ。」


「剣捨てたやつに言われたくねぇよ」


「ということで次回」


「武士の誉れと強くなる理由」


「なんで今日僕だけなの?」

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