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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第三章 海外遠征編 ― 世界を喰らう拳 ―

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第29話 追い詰められる者

アーサルへのキャラ変更から始まった第四試合は神谷にとって悪夢だった、これまで積み上げてきた読み合いも距離感も通用せず、一方的に支配されるまま試合が終わった、その光景に会場は大きく揺れたが、本当に恐ろしいのは次だった。


スコアは2-1。


神谷優勢。


だが流れは完全にエリックへ傾いていた。


「さあ第五試合!!」


相馬優斗が叫ぶ。


「神谷選手はここで決めたい!!エリック選手はフルセットへ持ち込みたい!!」


コメント欄。


『頼む神谷』


『流れ切れ』


『ここ耐えろ』


『アーサルやばい』


FIGHT


開幕。


神谷は試す。


前へ出る。


止められる。


飛ぶ。


落とされる。


待つ。


削られる。


何を選んでも答えが返ってくる。


会場がざわつく。


「苦しい……!」


相馬の声にも緊張が混じる。


「神谷選手何も始められない!!」


大原も頷く。


「アーサルの間合いを攻略できていません。」


神谷は必死だった。


一度でいい。


一度触りたい。


いつもならそこから勝負を作れる。


だが。


その一度が遠い。


王剣が振られる。


近付けない。


また振られる。


さらに遠ざかる。


観客席から悲鳴が漏れる。


コメント欄。


『無理だろこれ』


『届かない』


『きつすぎる』


『神谷頑張れ』


中盤。


ようやく神谷が踏み込む。


観客が沸く。


「行けぇぇぇ!!」


だが。


エリックは待っていた。


迎撃。


カウンター。


コンボ。


体力が吹き飛ぶ。


「うわあああああ!!」


相馬が絶叫する。


「また捕まったぁぁぁ!!」


神谷は拳を握る。


(読まれてる。)


(いや。)


(見られてる。)


今までの相手とは違う。


エリックは神谷の行動そのものを見ている。


焦り。


癖。


選択。


全て。


そして最適解を返してくる。


終盤。


体力差は絶望的だった。


神谷も諦めない。


最後まで前へ出る。


最後まで戦う。


だが。


届かない。


王剣が振られる。


ガード。


振られる。


ガード。


さらに振られる。


削られる。


追い込まれる。


そして。


最後の読み合いすら発生しない。


一方的な斬撃。


K.O.


会場がどよめく。


「取ったぁぁぁぁぁ!!」


「エリック追い付いたぁぁぁぁ!!」


コメント欄。


『うおおおおお』


『2-2だ』


『マジかよ』


『流れ変わった』


『神谷苦しい』


スコアは2-2。


フルセット。


だが会場の空気は数字以上に重かった。


二試合連続。


神谷は為す術なく押し切られた。


大原が静かに言う。


「これは厳しいですね。」


相馬も頷く。


「正直、今の二試合は差がありました。」


コメント欄。


『どうする』


『対策あるのか』


『神谷頑張れ』


ステージ上。


神谷はモニターを見つめる。


額には汗。


呼吸も少し荒い。


だが目だけは死んでいない。


向かい側。


エリックは静かだった。


追い付いた。


しかし喜ばない。


まだ終わっていない。


そして運命の最終試合。


REVOLT MAJOR 2026。


優勝を決める最後の一戦が始まろうとしていた。

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