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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第三章 海外遠征編 ― 世界を喰らう拳 ―

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第22話 まずは五分

一本目を神谷が先取したことで会場は大きく盛り上がっていたが、二人の表情は驚くほど落ち着いていた、神谷はルーザーズを勝ち上がってきた勢いそのままに攻め続けたい、だが相手はエリック・ウォーカー、一度通用した攻めをそのまま繰り返して勝てる相手ではないことを誰より理解していた。


「ここ大事ですよ。」


大原が静かに言う。


「一本目を取った神谷選手が流れを広げるのか、それともエリック選手が止めるのか。」


相馬も頷く。


「BO5って一本で全然変わるんですよね!!」


コメント欄。


『ここ大事』


『次取った方がでかい』


『神谷いけ』


『エリックも怖い』


FIGHT


二本目が始まる。


開幕から両者の動きは明らかに慎重だった、一本目のような激しい展開ではなく中距離で細かく牽制を出し合う、技を振るたびに歓声が上がるほど観客も集中していた。


神谷が前へ出る。


エリックが迎撃する。


神谷が下がる。


エリックが追わない。


どちらも無理をしない。


「緊張感すごいな。」


相馬が思わず漏らす。


「両方とも一歩も譲らないですね。」


中盤。


最初に大きなチャンスを掴んだのはエリックだった。


神谷の差し返しを読んだ一撃。


ヒット。


会場が沸く。


そこから一気に運ぶ。


コンボ。


追撃。


さらに起き攻め。


神谷も必死に耐えるが流れは完全にエリック側だった。


コメント欄。


『うまい』


『取ったか』


『エリックきた』


しかし神谷も崩れない。


残り体力わずかから反撃を開始する。


投げ。


コンボ。


さらに攻め継続。


観客が総立ちになる。


「うおおおおおお!!」


「神谷まだある!!」


相馬が絶叫する。


だが。


最後の最後。


勝負を制したのはエリックだった。


わずかな隙。


そこを逃さない。


カウンター。


追撃。


K.O.


会場が揺れる。


「取ったぁぁぁぁ!!」


「エリック取り返したぁぁぁ!!」


コメント欄。


『うおおおお』


『熱い』


『1-1だ』


『分からなくなった』


スコアは五分。


1-1。


神谷は深く息を吐く。


悔しさはある。


だが焦りはない。


まだ終わっていない。


むしろここからだ。


向かい側ではエリックが静かに水を飲む。


一本目を落としても崩れない。


一本取り返しても浮かれない。


その安定感が強さだった。


大原がマイクへ向かう。


「これで一対一です。」


相馬も興奮を抑えきれない。


「最高だろこの決勝!!」


コメント欄。


『神試合』


『まだ五分』


『ここから勝負』


『どっちも優勝ある』


『続き早く見たい』


グランドファイナル。


スコアは1-1。


勝負は振り出しへ戻った。

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