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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第三章 海外遠征編 ― 世界を喰らう拳 ―

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第21話 挑戦者の一手

開幕直後、神谷は前回の対戦とは明らかに違う動きを見せた、様子見をほとんど挟まずRexの機動力を活かして一気に距離を詰める、その踏み込みに会場がどよめく。


「おおおおっ!!」


相馬が叫ぶ。


「行った!!神谷選手最初から行ったぁ!!」


前回の敗北で最も苦しめられたのは中距離だった、Frostが最も力を発揮する距離、だからこそ神谷はそこを戦場にしない。


ダッシュ。


小技。


投げ。


さらに前ステップ。


エリックも即座に対応するが神谷は止まらない。


大原が頷く。


「狙いが明確ですね。神谷選手は中距離の主導権争いを避けています。」


「なるほど!!」


「近距離で勝負するつもりです。」


コメント欄。


『攻めてる』


『前回と違う』


『最初から飛ばすな』


『神谷仕上がってる』


画面中央。


神谷の連係が続く。


Rexの蹴りが刺さる。


さらに下段。


ガード。


投げ。


成功。


会場が沸く。


「うおおおおおお!!」


しかし次の瞬間だった。


Frostの設置した氷が画面端に残る。


神谷が踏み込んだ瞬間。


凍結。


「来たぁぁぁ!!」


相馬が絶叫する。


エリックは待っていた。


そこから始まる長いコンボ。


一発。


二発。


三発。


氷が砕ける。


追撃。


さらに追撃。


体力が消える。


観客席から悲鳴。


「減るぅぅぅ!!」


「五割近い!!」


神谷は黙ったまま画面を見る。


だが焦りはない。


(知ってる。)


(これは知ってる。)


前回も食らった。


だから驚かない。


起き上がり。


再び前へ。


また前へ。


さらに前へ。


コメント欄。


『折れない』


『メンタル強すぎ』


『また行くのか』


『神谷らしい』


相馬も笑っていた。


「いや神谷選手怖いな!!今のコンボ食らった後にまた前行くのか!!」


大原も頷く。


「迷いがありませんね。」


ラウンド終盤。


残り体力はほぼ同じ。


どちらが取ってもおかしくない。


神谷が飛ぶ。


エリックが迎撃を狙う。


しかし。


着地。


投げ。


成功。


観客席が爆発する。


「うおおおおおおおお!!」


神谷はそのまま起き攻めへ。


下段。


中段。


下段。


投げ。


崩れた。


コンボ。


最後の一撃が入る。


K.O.


会場が揺れた。


「神谷ぁぁぁぁぁ!!」


「先取ぃぃぃぃ!!」


相馬が立ち上がる。


「取った!!取ったぞ神谷蓮!!」


コメント欄。


『うおおおおおお』


『先取だ』


『前回と違う』


『これはあるぞ』


『リセット見えてきた』


だがエリックの表情は変わらない。


水を一口飲む。


そして静かに画面へ視線を戻す。


その姿を見た大原が呟く。


「ただ本当に怖いのはここからです。」


相馬も真剣な表情になる。


「そうなんですよね。」


「エリック選手は修正能力が異常です。」


神谷は一ラウンド取った。


だが試合はまだ始まったばかりだった。

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