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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第三章 海外遠征編 ― 世界を喰らう拳 ―

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第17話 敗者側の激闘

ウィナーズファイナルで神谷蓮がエリック・ウォーカーとの激闘の末に敗れたことで、Grand Finalへの切符はエリックの手に渡った。しかし神谷の大会はまだ終わっていない。敗者側最終地点であるLosers Finalには既に神谷の席が用意されており、彼は舞台裏から次に現れる挑戦者を静かに待っていた。


「さあ皆さん!ここから敗者側はBO5、先に3試合獲得した選手が勝利です!」


実況の相馬優斗が画面へ向かって叫ぶ。


「負けた瞬間に大会終了!優勝を目指せるのは最後まで勝ち続けた一人だけです!」


大原修司も頷いた。


「ここからは修正力と精神力が非常に重要になりますね。長期戦になればなるほど実力差が出やすくなります」


コメント欄も凄まじい勢いで流れていく。


『神谷まだ終わってない!』『敗者側熱すぎる』『誰が神谷のところまで来るんだ』『凛上がってこい!』『リーも見たいぞ』


敗者側に残っているのは白石凛、朝倉玲司、レオン、パク・ミンソ、リー・ジェン、アレックス・ロドリゲスの六人。その中から神谷への挑戦権を掴むための戦いが始まった。


最初の試合は朝倉玲司vsアレックス・ロドリゲス。経験豊富な朝倉と爆発力を持つアレックスの戦いは予想通り大接戦となり、互いに一本も譲らないまま2-2までもつれ込む。しかし最後は朝倉が冷静な立ち回りでアレックスの猛攻を凌ぎ切り3-2で勝利。アレックスはここで大会を去ることとなった。


続くレオンvsパク・ミンソもハイレベルな攻防が続く。韓国の実力者パクが何度も主導権を握るが、北米最強候補のレオンは終盤の勝負強さを発揮し3-1で勝利。これで敗者側は四人に絞られる。


「さあここからさらに厳しくなります!」


「誰が勝ち上がっても不思議ではありません」


次に行われたのは白石凛vsレオン。


会場が大きく沸く。


エリック戦で敗れて以降、白石のプレーは明らかに鋭さを増していた。攻めるべき場面では迷わず前へ出て、守るべき場面では徹底して耐える。レオンも世界トップクラスの実力を見せるが、白石は最後まで集中力を切らさず3-1で勝利を収めた。


『凛つええええ!』『仕上がってる!』『神谷との再戦見たい!』『まだ止まらない!』


一方その裏ではリー・ジェンvs朝倉玲司が行われていた。


神谷を最後まで苦しめた中国の技巧派プレイヤーは敗者側でも勢いを失っていなかった。蒼龍特有の変則的なステップと読みづらい攻めに朝倉も食らいつくが、リーは試合を重ねるごとに精度を上げていき、最後は3-1で勝利。朝倉はベスト4という結果を残して大会を終えた。


こうして敗者側に残ったのは二人。


白石凛。


リー・ジェン。


大型モニターに表示される。


LOSERS SEMI FINAL


SHIRAISHI RIN


VS


LI JIAN


勝者は神谷蓮が待つLosers Finalへ進出。


敗者はここで大会終了。


会場から歓声が響く。


『凛いけええええ!』『リー強いぞ!』『神谷の相手を決める戦い!』『日本対中国だ!』


その頃、舞台裏のモニター前で神谷は静かに試合表を見つめていた。


白石。


リー。


どちらが来ても厳しい。


リーは一度戦ったからこそ強さを知っている。白石は何度も戦ってきたライバルだからこそ怖さを知っている。


だが神谷の表情に迷いはなかった。


ここまで来た以上、倒す相手が誰であろうとやることは変わらない。


負けた悔しさも。


優勝を逃したくない気持ちも。


全てを力に変えて前へ進むだけだった。


そして会場の照明が再びステージへ集まる。


白石凛が歩き出す。


リー・ジェンも姿を現す。


神谷への挑戦権を懸けた戦いが、今始まろうとしていた。

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