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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第三章 海外遠征編 ― 世界を喰らう拳 ―

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第15話 白石凛vsエリック・ウォーカー

Frostフロスト

エリック・ウォーカーの使用キャラクター。

氷を操るテクニカルファイター。設置技と高火力コンボを兼ね備えた最上位クラスのキャラクター。

特徴

超万能型

氷設置ギミックコンボ

火力が高い

遠近どちらも強い扱いは非常に難しい


「続いてはこちらです!!」


相馬の声と共に大型モニターへ映し出された次の対戦カードに、会場全体から先ほど以上の歓声が巻き起こる。


白石凛。


エリック・ウォーカー。


Winners Semi Final。


日本を代表する人気女性プロゲーマーと、今大会最大のダークホースとして名を上げたカナダの天才少年の激突に、配信コメントも一気に加速した。


『きたあああああああ!!』『実質決勝レベルだろ』『凛ちゃん頑張れ!』『エリック強すぎて怖い』『神谷の次の相手が決まる試合だぞ』


ステージへ姿を現した白石凛はいつも通り落ち着いていたが、その表情には世界大会TOP8という大舞台に立つ覚悟が滲んでおり、NOVA eSportsのエースとして日本勢を背負う責任も感じさせていた。


対するエリック・ウォーカーは十七歳とは思えないほど冷静で、まるで練習試合に臨むかのような自然体のまま席へ座る。


「白石選手はCeles、エリック選手はFrostですね!」


「スタイルが真逆なんですよね。白石選手は万能型、エリック選手は設置から試合を支配するタイプなので、どちらが自分のペースに持ち込めるかが重要になります」


試合開始。


ROUND1。


開幕から白石は前へ出ず、中距離を維持しながら飛び道具と牽制を丁寧に置いていき、Frostに設置の時間を与えない理想的な立ち回りを見せる。


「凛選手いいですね!!」


「かなり準備してきています。エリック選手の強みを理解した上で距離をコントロールしていますね」


会場からも拍手が起こる。


白石のペースだった。


だがエリックは焦らない。


ガード。


後退。


様子見。


わずかな歩き。


それだけで少しずつ盤面を書き換えていく。


そして試合開始から四十秒ほどが過ぎた頃、白石の牽制技がほんのわずかに空振りした瞬間だった。


Frostの下段。


ヒット。


設置。


追撃。


さらに設置。


コンボ。


追撃。


画面端。


「入ったぁ!!」


「まずいです!!」


一度の被弾から白石の体力が一気に六割近くまで削られ、観客席から大きなどよめきが起こる。


『減りすぎだろ!?』『今の一回だけだぞ』『エリック火力おかしい』『世界トップレベルやばすぎる』


白石は必死に立て直そうとするが、最後はエリックが逃げ道を塞ぐように設置を重ね、そのままROUND1を先取した。


しかし白石の表情は変わらない。


まだ試合は終わっていなかった。


ROUND2。


今度の白石は明らかに方針を変えていた。


距離を取らない。


設置させない。


近付いて攻め続ける。


徹底したラッシュ。


投げ。


下段。


歩き投げ。


暴れ潰し。


Celesが本来持つ万能性を最大限発揮しながらエリックへ圧力をかけ続ける。


「これは上手い!!」


「Frostに準備する時間を与えていません!」


会場の日本ファン達も大歓声を上げる。


『凛いける!!』『そのまま押し切れ!!』『流れ来たぞ!!』『これがNOVAのエースだ!』


最後は画面端での読み合いを制した白石が超必殺技を叩き込み、エリックの体力を削り切る。


KO。


1-1。


勝負は最終ラウンドへ。


会場の熱気はさらに上昇し、日本公式ミラー配信の同時視聴者数もこの日最高の数字を更新していた。


『神試合』『レベル高すぎる』『どっち勝つかわからん』『これTOP8なの信じられない』


最終ラウンド。


両者一歩も譲らない。


差し返し。


対空。


投げ抜け。


確認。


世界最高峰の攻防が続く。


そして中盤。


白石が大きな流れを掴んだ。


連続ヒットから画面端へ追い込み、エリックの体力を残り二割近くまで削り取る。


観客席が総立ちになる。


「あります!!」


「白石選手かなり有利です!!」


あと一回。


本当にあと一回触れば勝てる。


だがその瞬間、舞台袖から試合を見ていた神谷はエリックの表情に違和感を覚えた。


焦りがない。


追い込まれているはずなのに静かだった。


次の瞬間。


白石の踏み込みに合わせてエリックがわずかに後退する。


攻撃が空振る。


そして。


差し返し。


カウンター。


設置。


追撃。


さらに設置。


最大コンボ。


「うわああああああああ!!」


会場が悲鳴と歓声で揺れる。


白石の体力が一気に消し飛ぶ。


残り一割。


そこから必死に立て直そうとする白石だったが、エリックは最後まで集中力を切らさず、飛び込みを完全に読んだ対空技を突き刺して勝負を終わらせた。


KO。


勝者。


エリック・ウォーカー。


会場が大歓声に包まれる。


『強すぎる』『マジで優勝候補だろ』『あそこから逆転するのか』『凛もめちゃくちゃ強かった』『神谷との試合楽しみすぎる』


白石は悔しそうに目を閉じるが、すぐに立ち上がってエリックと握手を交わす。


まだ終わりではない。


敗者側からなら優勝への道は残されている。


エリックもまた静かに席を立ち、小さく拳を握るだけだった。


そして大型モニターに次の対戦カードが映し出される。


WINNERS FINAL


神谷蓮


VS


エリック・ウォーカー


日本の天才。


カナダの怪物。


同じ十七歳の新世代同士による激突に、会場から今日最大級の歓声が巻き起こった。


『きたああああああああ!!』『実質決勝だろこれ』『神谷頼むぞ!!』『エリック止められるの神谷しかいない』『絶対神試合になる』


実況席の相馬も興奮を隠せない。


「さあ皆さん!!いよいよ次はウィナーズファイナルです!!」


大原も静かに頷く。


「おそらく今大会最高レベルの試合になるでしょう」


舞台袖でモニターを見つめていた神谷はゆっくりと立ち上がる。


相手は決まった。


ここから先は世界最高峰。


優勝候補同士による、本当の戦いが始まる。

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