第14話 TOP8開幕
REVOLT MAJOR 2026最終日。
ラスベガスのメインステージには数千人の観客が集まり、世界中へ向けて配信が行われていた。そして日本でも公式ミラー配信が始まる。
「さあ皆さん!!いよいよ来ました!!REVOLT MAJOR 2026 TOP8です!!」
実況の相馬優斗が興奮した声を上げる。
「ここまで残ったのはわずか八人。世界中の強豪達が揃いました」
解説の大原修司も頷く。
画面にはTOP8選手一覧が映し出される。
神谷蓮。
白石凛。
朝倉玲司。
レオン。
パク・ミンソ。
リー・ジェン。
アレックス・ロドリゲス。
エリック・ウォーカー。
コメント欄も大盛り上がりだった。
『神谷頼むぞ!』
『日本勢頑張れ!』
『凛ちゃん残ってる!』
『エリック強すぎるんだよな』
『TOP8開幕きたあああ』
「そして最初の試合はこちら!」
画面が切り替わる。
神谷蓮。
リー・ジェン。
Winners Semi Final。
「いきなり神谷選手です!!」
「相手は中国のリー・ジェン選手ですね」
リー・ジェン。
中国・上海出身の二十一歳。
中国国内リーグ上位常連として知られるトッププレイヤーで、今回のREVOLT MAJORでも海外勢有力候補の一人として注目されていた。
使用キャラクターは『蒼龍』。
中国武術をベースにしたキャラクターで、素早い踏み込みと変則的な連携を得意とする技巧派ファイターだ。
「蒼龍使いの最高峰と言われている選手ですね」
「神谷選手にとってもかなり厄介な相手です」
ステージへ向かう神谷が映る。
観客の歓声が響く中でも表情は変わらない。
静かに席へ座り、モニターを見つめる。
一方のリーも落ち着いていた。
ここまで多くの強豪を倒して勝ち上がってきた実力者だ。
試合開始。
開幕からリーが仕掛ける。
蒼龍特有の素早い踏み込み。
左右への揺さぶり。
神谷はまず守る。
観察する。
相手を見る。
「リー選手かなり攻めますね!」
「まず主導権を握りたいんでしょう」
リーの連携が続く。
しかし神谷は崩れない。
二回。
三回。
攻撃を見せられる。
そして四回目。
神谷の差し返しが突き刺さった。
「入ったぁ!!」
「見切りましたね!」
そのままRexのコンボが決まり一本目を先取する。
コメント欄も流れる。
『反応えぐい』
『適応始まった』
『神谷らしいな』
『見てから対応してる』
だがリーも簡単には終わらない。
二本目は距離の取り方を変えてくる。
今度は攻め急がない。
神谷の反応を逆に利用するような立ち回り。
「修正してきた!」
「流石TOP8ですね」
試合は一進一退。
最後はリーが取り返す。
1-1。
フルセット。
会場の歓声もさらに大きくなる。
神谷はモニターを見つめる。
強い。
だが戦えない相手ではない。
むしろ楽しかった。
世界のトップと読み合う感覚が。
最終ラウンド。
体力は互角。
残り時間はわずか。
リーが勝負を仕掛ける。
蒼龍が前へ出る。
神谷は動かない。
ギリギリまで引き付ける。
そして飛び込みを完全に読んだ。
迎撃。
カウンター。
画面端。
Rex最大コンボ。
KO。
「決めたぁぁぁぁぁ!!」
会場が大歓声に包まれる。
「神谷蓮勝利!!」
「Winners Final進出決定です!!」
コメント欄も一気に流れた。
『神谷つええええ』
『TOP3確定!』
『あと一勝で世界大会!』
『リーも強かった』
『神谷優勝あるぞ』
神谷は静かに席を立つ。
派手なガッツポーズはない。
ただリーと握手を交わし、ステージを後にした。
そして実況席の相馬が次のカードを紹介する。
「続いてはこちらです!!」
画面に映し出されたのは――
白石凛。
エリック・ウォーカー。
会場が再び大きく沸き上がった。




