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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第三章 海外遠征編 ― 世界を喰らう拳 ―

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第13話 TOP8前夜

TOP8進出が決まった夜。神谷達RAVEN’S NESTのメンバーはホテル内のレストランに集まっていた。長い一日だったが、誰の表情にも暗さはない。むしろ明日の決戦を前にした高揚感が漂っていた。


「お疲れ」


真田が席に着きながら言う。


「ありがとうございます」


神谷も飲み物を手に取りながら答えた。


「桐生戦は盛り上がってたな」


「自分でも結構ギリギリでした」


「いや、あれを勝ち切るのが凄いんだよ」


雨宮が笑う。


「海外勢相手も安定してたしな」


神谷は肩をすくめる。


「まだ終わってないですから」


「まあ、それはそうだな」


TOP8に残ったとはいえ、目的はそこではない。


WORLD BREAKERS CHAMPIONSHIP出場権。


そのためには決勝まで進まなければならない。


すると相沢レンが身を乗り出した。


「神谷さん、明日優勝したらどうするんですか?」


「どうもしないけど」


「もっと喜びましょうよ」


「優勝してから考える」


その返答に周囲から笑いが起きた。


「お前らしいな」


真田が苦笑する。


「昔からそんな感じなんですか?」


相沢が聞く。


すると雨宮が答えた。


「いや、入ってきた頃からずっとだな」


「大舞台でも変わらないですよね」


「変わらん」


黒崎が短く言った。


「だからここまで来た」


神谷は少し照れくさそうに視線を逸らした。


その時、真田がスマホを見ながら声を上げる。


「日本の配信めちゃくちゃ盛り上がってるぞ」


「見ないです」


「即答か」


「試合終わるまでは見ません」


雨宮が頷く。


「それでいい」


余計な情報は入れない。


今考えるべきは明日の試合だけだ。


すると相沢が話題を変える。


「海外勢だと誰が一番強そうでした?」


「全員」


神谷は即答した。


「まあそれはそうなんだけど」


「本当に全員強いですよ」


初日と二日目で何度も感じたことだった。


国内大会なら通る判断が通らない。


少しのミスで流れを奪われる。


勝ってはいるが簡単な試合など一つもなかった。


「だから面白いんですけどね」


神谷がそう言うと、黒崎が小さく笑った。


「良い顔しとる」


「そうですか?」


「世界大会を楽しめる奴は強い」


その言葉に誰も反論しなかった。


やがて食事も終わり解散の時間になる。


「今日は早く寝ろ」


真田が立ち上がる。


「はい」


「夜中にランクマとかするなよ」


「しません」


「本当か?」


「多分」


「やる気満々じゃねえか」


再び笑いが起きた。


エレベーターへ向かう途中、神谷はホテルの窓からラスベガスの夜景を見た。


明日はTOP8。


世界中が見守るメインステージ。


残る選手は八人だけ。


WORLD BREAKERS CHAMPIONSHIP出場権まであと少し。


神谷は静かに夜景を眺める。


緊張よりも楽しみの方が大きかった。


世界の強豪達と戦える。


それだけで十分だった。


そして翌日、REVOLT MAJOR 2026最終日が幕を開ける。

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