第10話 大会初日
そして迎えたREVOLT MAJOR 2026初日。
朝早くから会場周辺は人で埋め尽くされていた。
世界中から集まったプレイヤー達がアケコンやレバーレスを持ちながら会場へ向かっていく。
神谷もRAVEN’S NESTのメンバーと共に会場入りした。
「すげぇ人数だな……」
思わず声が漏れる。
数千人規模。
日本の大型大会とは比べ物にならない。
どこを見ても対戦台が並び、様々な言語が飛び交っている。
だが不思議と緊張はなかった。
むしろ高揚感の方が強かった。
そして予選プールが開始された。
神谷の初戦。
相手はアメリカのプレイヤーだった。
試合開始直後こそ海外勢特有の大胆な攻めに驚かされたが、すぐに適応する。
相手の癖を読み、差し返しを通し、Rexの攻めを押し付ける。
2-0。
続く試合も勝利。
さらに勝利。
危ない場面もあったが、その度に冷静に修正しながら勝ち進んでいった。
気付けばRound1を突破。
その後のRound2でも安定した試合運びを見せ、神谷は無事に初日突破を決めた。
「お疲れ」
真田が声を掛ける。
「まずは順当だな」
「ありがとうございます」
「まだ初日だぞ」
雨宮も笑う。
「本番は明日からだ」
神谷も頷いた。
実際その通りだった。
初日はあくまで通過点。
本当に厳しい戦いはここから始まる。
試合終了後、神谷は会場を少し歩いてみることにした。
至る所で対戦が行われている。
海外の有名プレイヤー。
配信で見たことのある選手。
SNSで名前を聞いたことがある強豪達。
そんな中、一人の韓国人選手が神谷へ声を掛けてきた。
「Rex、Good。」
片言の英語だったが意味は伝わる。
「Thanks」
神谷も笑顔で返す。
その後も何人かの選手と軽く会話を交わした。
国籍も言葉も違う。
だが同じゲームをプレイしているだけで通じるものがあった。
それが少し嬉しかった。
そして夜。
ホテルへ戻った神谷はベッドへ腰掛ける。
スマホを見ると日本では既に大会結果が話題になっていた。
だが神谷はそれを軽く眺めるだけで画面を閉じた。
明日はさらに厳しい戦いになる。
だからこそ今は休むべきだ。
窓の外で輝くラスベガスの夜景を眺めながら、神谷は静かに目を閉じた。
REVOLT MAJOR 2026。
本当の勝負は、ここからだった。




