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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第2章 RAVEN’S NEST加入・大型大会編

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第26話 絶対王者

『ROUND1――FIGHT!!』


開幕。


会場の熱気が一気に高まる。


決勝戦。


皇恒一の《アーサル》。


九条迅の《ガルド》。


日本最強を決める戦いが始まった。


九条は開幕から前へ出る。


ガルド最大の武器。


長いリーチと圧力。


重い通常技を押し付けながら少しずつ距離を詰める。


『九条選手、いきなり前へ出る!』


『ガルドの得意距離ですね!』


中段蹴り。


前蹴り。


重い打撃が画面を揺らす。


しかし。


アーサルは動かない。


王が玉座に座るように。


静かに。


冷静に。


ただ待っていた。


そして。


ガルドの大技が振られた瞬間。


アーサルの剣が閃く。


カウンター。


ヒット。


『うおおおおお!!』


『見ていた!!』


『皇選手見ていたぁぁぁ!!』


会場が揺れる。


アーサルはそのままコンボへ移行。


巨大な王剣による連撃。


一撃。


二撃。


三撃。


最後は叩きつけるような剣撃。


ガルドの体力が大きく削られる。


観客席からどよめきが起きた。


「減りすぎだろ!」


「なんだ今の!」


「やばい!!」


九条も即座に立て直す。


距離を詰める。


ガルドの強みは近距離。


一度捕まえれば終わる。


重い肘打ち。


膝蹴り。


投げ。


体力を奪い返していく。


『さすが九条選手!!』


『簡単には崩れない!!』


だが。


皇は焦らない。


攻め込まれているはずなのに。


まるで試合を支配しているのは自分だと言わんばかりの立ち回りだった。


一歩。


また一歩。


位置を調整する。


距離を支配する。


そして。


ガルドが飛んだ。


観客が沸く。


この距離なら通る。


誰もがそう思った。


次の瞬間。


アーサルの王剣が天へ向かって振り抜かれる。


完全対空。


クリーンヒット。


『落としたぁぁぁぁ!!』


『完璧!! 完璧です!!』


会場が爆発する。


実況も叫ぶ。


『皇選手の対空精度が異常だ!!』


『全部見えている!!』


そこから再びコンボ。


画面端。


起き攻め。


ガードさせる。


さらに攻める。


逃がさない。


まるで王が反逆者を追い詰めるような圧力だった。


九条も応戦する。


だが。


返せない。


近付けない。


飛べない。


攻められない。


アーサルの剣が戦場を支配していた。


『これが絶対王者!!』


『皇恒一!!』


『日本最強の理由がここにあります!!』


ラウンド終了。


KO。


第一ラウンドは皇。


しかし本当の衝撃はその内容だった。


九条迅。


国内トッププレイヤー。


世界でも通用する実力者。


その九条が。


押されている。


観客席からざわめきが広がる。


「強すぎる……」


「なんだあれ……」


「王者やばいだろ……」


二本目。


九条も反撃を試みる。


ガルドの圧力で前へ出る。


読み合いを仕掛ける。


だが。


皇はその全てに答えを持っていた。


置き技。


差し返し。


対空。


コンボ。


防御。


すべてが世界最高峰。


一切の無駄がない。


まるで試合そのものを支配しているかのようだった。


そして。


最後。


ガルドの体力は残りわずか。


九条が勝負を仕掛ける。


前ステップ。


投げ。


一点読み。


会場が総立ちになる。


だが。


アーサルの剣が先に届いた。


カウンター。


そのまま超必殺技。


王剣が巨大な光を纏う。


振り下ろされた一撃が画面を埋め尽くす。


KO。


『決まったぁぁぁぁぁ!!』


『一本目!!』


『皇恒一が先取ぃぃぃぃ!!』


会場が大歓声に包まれる。


だが歓声の中に混じるのは興奮だけではない。


畏怖だった。


誰もが見せつけられた。


日本格闘ゲーム界の頂点。


長年王座に君臨し続ける男。


絶対王者。


皇恒一。


その力を。

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