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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第2章 RAVEN’S NEST加入・大型大会編

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第23話 反撃の狼煙

一本目を落とした神谷だったが、その表情に焦りはなかった。


むしろ視線は鋭さを増している。


黒瀬詩音はそれを見ていた。


(やっぱり……)


一本先取したはずだった。


だが安心感はまるでない。


目の前の高校生は試合中に成長する。


それが今大会で神谷が数々の強豪を倒してきた理由だった。


第二セット。


ラウンド開始。


神谷は一本目とは違い、自ら前へ出た。


距離を詰める。


プレッシャーをかける。


黒瀬も迎え撃つ。


玲華の鋭い前蹴り。


しゃがみ弱キック。


立ち弱パンチ。


細かく刻みながら主導権を握ろうとする。


だが神谷は下がらない。


牽制をかわしながら少しずつ距離を詰める。


そして。


投げ。


成功。


『おおっと!』


『神谷選手、攻める!』


会場が沸く。


黒瀬もすぐに切り替える。


起き上がりから距離を調整し、再び玲華の連係を展開。


小技からコンボへ。


神谷の体力を削っていく。


しかし神谷も反撃。


差し返し。


対空。


コンボ。


お互いが一歩も譲らない。


攻めれば返される。


守れば崩される。


トッププレイヤー同士の攻防に会場は大きく盛り上がっていた。


『レベル高い!』


『すげえ試合だ!』


『どっちが勝つんだ!?』


黒瀬は内心で驚いていた。


(対応が早すぎる……)


一本目で通った行動。


その多くが既に機能しなくなっている。


牽制への反応。


差し返しの精度。


守りの固さ。


神谷は確実に試合の流れを掴み始めていた。


それでも黒瀬は攻め続ける。


女子最強と呼ばれるまでに積み重ねた経験がある。


簡単に崩れるつもりはない。


試合は最終ラウンドへ。


互いの体力はほぼ同じ。


会場全体が固唾を呑んで見守る。


黒瀬が先に仕掛ける。


玲華の連係。


中段。


下段。


投げ。


攻めを散らしながら崩しにいく。


神谷は耐える。


すべてを見極めるように。


そして。


一瞬だった。


黒瀬の攻撃の隙。


神谷はそこを逃さなかった。


鋭いカウンター。


ヒット確認。


『入ったぁぁぁ!!』


実況が叫ぶ。


会場が爆発する。


神谷はそのままコンボへ。


中攻撃。


特殊技。


必殺技。


さらに追撃。


完璧なコンボが決まる。


黒瀬の体力ゲージが一気に消し飛んだ。


KO。


『神谷蓮選手!』


『一本取り返したぁぁぁ!!』


観客席から大歓声が巻き起こる。


黒瀬は小さく息を吐いた。


(本当に厄介な相手……)


試合中に相手を分析し、対応し、成長する。


そんなプレイヤーはそう多くない。


だが今、その才能を目の前で見せつけられていた。


スコアは一勝一敗。


次で決まる。


勝った方が生き残り。


負けた方が終わる。


黒瀬はコントローラーを握り直した。


神谷も静かに画面を見つめる。


TOP8敗者側。


運命の最終セットが始まろうとしていた。

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