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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第2章 RAVEN’S NEST加入・大型大会編

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第14話 強者たちの集う場所

RAVEN’S NEST加入から一か月が過ぎた頃、神谷蓮は格闘ゲーム部門の会議室へ呼び出されていた。部屋には九条迅、真田誠司、黒崎豪、藤堂玲奈、雨宮悠真、小鳥遊ひまり、相沢レンら部門所属選手が集まっており、普段の雑談混じりの空気とは違う緊張感が漂っていた。


「全員揃ったな」


そう言って前へ立ったのはオーナーの鷹宮蓮司だった。


大型モニターに大会ロゴが映し出される。


そこに表示された文字を見た瞬間、部屋にいた全員の表情が引き締まった。


『CHRONOS STRIKE JAPAN CHAMPIONSHIP』


通称――CSJC。


毎年五月に開催される『CHRONOS STRIKE』最大級のオフライン大会であり、日本全国だけでなく海外からも強豪選手が集まる世界有数の格闘ゲームイベントだった。参加人数は毎年数千人規模。プロもアマチュアも関係なく参加できる完全オープントーナメントであり、多くのプレイヤーにとって夢の舞台でもある。


そして今年のCSJCには、これまで以上の価値があった。


それは年末に開催される世界最高峰の大会――WORLD BREAKERS CHAMPIONSHIPへの挑戦権が懸かっていることだった。


「今年のCSJC準優勝以上の選手にはWORLD BREAKERS CHAMPIONSHIP出場権が与えられる」


鷹宮の言葉に会議室の空気がさらに重くなる。


WORLD BREAKERS CHAMPIONSHIP。


世界中のトッププレイヤーが集結する格闘ゲーム界最高峰の舞台。


全ての競技プレイヤーが一度は立ちたいと願う夢の場所だった。


優勝だけではない。


準優勝までに入れば世界への切符を掴める。


だが、それは同時に決勝まで勝ち進まなければならないということでもあった。


「今年も開催まで一か月だ。当然、RAVEN’S NEST格闘ゲーム部門は全員参加する」


その言葉に誰も驚かなかった。


この大会はチームにとって年間最大目標の一つだからだ。


九条が笑う。


「今年は面白くなりそうだな。PHOENIXも来るし、NOVAも来る」


真田も頷く。


「海外勢も例年よりかなり多いらしい」


黒崎は腕を組みながら低く笑った。


「世界大会の権利が懸かっとるからのう。そりゃ集まるわ」


藤堂はモニターを見つめながら呟く。


「決勝進出か……簡単じゃないわね」


「でもそこを越えなきゃ世界には行けないっすからね」


雨宮が笑う。


小鳥遊も力強く頷いた。


「今年こそ最後まで勝ち残りたいです!」


会議室の空気が徐々に熱を帯びていく。


すると鷹宮が神谷を見る。


「そして神谷」


「はい」


「お前にとってはRAVEN’S NEST加入後初の大型大会だ」


部屋中の視線が神谷へ向けられた。


神谷は静かにモニターを見つめる。


CSJC。


学生大会でも配信者大会でもない。


日本中、そして世界中の強者たちが集まる本物の戦場。


決勝まで辿り着いた二人だけがWORLD BREAKERS CHAMPIONSHIPへの挑戦権を手にすることができる。


そこには皇恒一もいる。


桐生蒼真もいる。


国内トッププロもいる。


海外の怪物たちもいる。


誰もが世界を目指して戦う。


そんな場所だった。


九条がニヤリと笑う。


「新人のデビュー戦としては十分すぎるな」


「むしろ派手すぎるだろ」


相沢レンが苦笑する。


「神谷先輩、絶対注目されますよ」


「もう既にされてるけどな」


雨宮の言葉に部屋から笑いが起きた。


しかし神谷だけは笑わなかった。


PHOENIX。


NOVA eSports。


皇恒一。


桐生蒼真。


そしてまだ見ぬ海外の強豪たち。


全員が同じトーナメントに集まる。


負ければ終わり。


勝ち続けた者だけが世界へ辿り着ける。


神谷は小さく拳を握った。


全国最強を決める戦い。


WORLD BREAKERS CHAMPIONSHIPへの挑戦権を懸けた戦い。


RAVEN’S NESTの一員として迎える初めての大型大会。


強者たちの集う場所――CSJC開幕まで、あと一か月だった。

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