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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第2章 RAVEN’S NEST加入・大型大会編

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第11話 各チームの反応① PHOENIX

神谷蓮のRAVEN’S NEST加入発表。


そのニュースは瞬く間に国内プロシーンへ広がっていた。


その頃――


国内最大級のeスポーツチームの一つ。


PHOENIX。


格闘ゲーム部門を中心に複数タイトルで国内トップクラスの実績を誇る人気チームだった。


格闘ゲーム部門の練習施設では、RAVEN’S NESTの加入発表動画が大型モニターに映し出されていた。


動画が終わる。


最初に口を開いたのは短髪の青年だった。


朝倉玲司。


国内ランキング上位の常連であり、冷静な立ち回りと高い総合力を武器とするPHOENIXの主力選手だ。


「本当にRAVEN’S NESTに入ったんだな」


椅子にもたれながら笑う。


向かいでは女性選手が頷いた。


白石美月。


分析能力に優れ、対策研究では国内屈指と言われるPHOENIXの頭脳だった。


「むしろ入らない理由がないでしょ」


「まあな」


「StarLive Fighting Festival優勝者だし」


その隣で腕を組む大柄な男も笑う。


獅堂大河。


攻撃特化の豪快なプレースタイルで人気を集めるトッププレイヤーだった。


「高校生であれだけ勝つのは普通じゃねぇ」


「特に後半の成長速度ね」


白石も続ける。


「あの大会、一試合ごとに強くなってた」


「見てる側からすると嫌なタイプだな」


朝倉が苦笑した。



その時。


部屋の奥で動画を見ていた青年が口を開いた。


全員の視線が向く。


桐生蒼真。


PHOENIX所属。


十九歳。


国内ランキング上位常連。


数々の大型大会で上位入賞を続ける若き実力者。


安定感と対応力に優れ、多くのファンを抱える人気選手だった。


そして。


神谷蓮に敗れた選手でもある。


StarLive Fighting Festival決勝。


大会最大の注目カード。


桐生蒼真対神谷蓮。


優勝候補だった桐生を相手に、神谷は最後まで食らいつき、激闘の末に勝利した。


あの試合は今でも語り草になっている。


桐生はモニターを見ながら静かに言った。


「思ったより早かったな」


朝倉が振り返る。


「プロ入りか?」


「ああ」


桐生は頷く。


「いずれ来るとは思ってた」


白石も納得する。


「あの大会の時点で十分プロレベルだったしね」


「だろうな」


獅堂も笑う。


「決勝で戦ったお前が一番分かるだろ」


数秒の沈黙。


そして桐生は答えた。


「強かったよ」


短い言葉だった。


だが誰も軽く受け取らない。


桐生は簡単に他人を認めない。


だからこそ価値があった。



その時。


部屋の奥から椅子を引く音が響く。


空気が変わる。


PHOENIX格闘ゲーム部門リーダー。


国内ランキング1位。


現日本最強プレイヤー。


皇恒一。


PHOENIXの象徴。


長年日本の頂点に立ち続ける絶対王者だった。


皇はモニターを見ながら静かに言う。


「神谷蓮か」


白石が聞いた。


「どう思う?」


皇は迷わなかった。


「伸びるな」


即答だった。


朝倉が苦笑する。


「珍しいな」


「何がだ」


「新人をそこまで評価するの」


皇は腕を組む。


「事実だ」


そして続けた。


「反応がいい」


「判断も速い」


「適応力も高い」


「今でも強い」


誰も口を挟まない。


皇はさらに言う。


「だが、まだ完成していない」


その言葉に全員が反応する。


「つまり?」


獅堂が聞く。


皇は短く答えた。


「もっと強くなる」


部屋が静かになる。


日本最強プレイヤーの評価。


それは何より重かった。



桐生は再びモニターを見る。


決勝で負けた相手。


だが悔しさよりも先に浮かぶ感情があった。


「次は負けない」


小さく呟く。


朝倉が笑う。


「リベンジする気満々じゃねぇか」


「当然だろ」


桐生は即答した。


白石も笑う。


「楽しみね」


獅堂も頷く。


「その頃にはもっと強くなってそうだけどな」


RAVEN’S NEST。


国内最高峰の環境。


そこで成長する神谷蓮。


PHOENIXの選手たちは理解していた。


あの新人は、間違いなくこれから日本トップ層の中心へ近づいてくる。


そしてその事実を、誰よりも強く実感しているのは。


決勝で敗れた桐生蒼真本人だった。

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