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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第一章 無名の高校生

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第17話 激闘の余韻

白石凛とLETHAL。


準決勝第一試合の決着から数分。


しかし大会配信の熱気はまったく冷めていなかった。


公式配信のコメント欄は凄まじい勢いで流れ続けている。


『神試合だった』


『マジで決勝レベル』


『今年一番熱かった』


『白石惜しかった』


『最後の読み合いやばすぎる』


『鳥肌立った』


『何回でも見れる』


『準決勝でこれかよ』


大会公式SNSにも感想が溢れていた。


試合終了直後にもかかわらず関連ワードは急上昇。


切り抜き動画の投稿も始まり、様々な配信者やプロ選手が試合について語り始めている。


それほどまでに凄まじい試合だった。


配信画面では試合のリプレイ映像が流れていた。


最終ラウンド。


残り体力二割同士。


凛の後退。


LETHALの前進。


下段カウンター。


そして逆転コンボ。


何度見ても息を呑む場面だった。


「いやぁ……本当に凄い試合でしたね」


実況の黒田が興奮気味に言う。


「今見返しても鳥肌が立ちます」


「そうですね」


鬼塚も頷いた。


「このレベルの試合はそう簡単には見られません」


リプレイ映像が再び流れる。


中盤の攻防。


差し返し。


投げ抜け。


読み合い。


一つ一つの場面に高い技術が詰まっていた。


「特に驚いたのは適応力ですね」


鬼塚が続ける。


「普通は試合中にここまで修正できません」


「ですが両選手とも、ラウンドごとに相手への理解を深めていた」


「最初と最後ではまるで別人のような戦い方になっています」


「確かに!」


黒田も頷く。


「試合中にどんどん進化していましたよね!」


「ええ」


鬼塚は静かに答える。


「トッププレイヤー同士の対戦は、ただの反応勝負ではありません」


「相手の考えを読み、その読みを読み返す」


「今回の試合はそれが極限まで高まっていました」


コメント欄が勢いよく流れる。


『解説聞くとさらに凄いな』


『そんなこと考えながらやってるのか』


『頭おかしいレベル』


『見てるだけで面白かった』


『神試合』


配信では再び終盤の場面が映し出される。


凛が投げを警戒する。


LETHALがその意識を利用する。


そして勝負を決めた一撃。


鬼塚がゆっくりと口を開いた。


「白石選手の判断自体は間違っていません」


コメント欄の流れが少し変わる。


『そうなの?』


『気になってた』


『解説助かる』


「実際、あの場面で投げを警戒するのは自然です」


鬼塚は続けた。


「問題はLETHAL選手が、その選択まで予測していたことです」


「つまり読み負けたというより……」


黒田が言葉を引き継ぐ。


「さらに一段深く読まれていた」


「その通りです」


鬼塚が頷く。


「だからこそ最後の場面は価値があります」


「どちらかのミスではありません」


「お互いが最高レベルの選択をした結果です」


コメント欄が再び流れる。


『熱すぎる』


『そう言われると納得』


『白石も強かった』


『LETHALやばすぎ』


『また見たい』


黒田は画面を見ながら笑う。


「しかし本当に名勝負でしたね」


「ええ」


鬼塚も少し笑った。


「今大会が終わった後も語られる試合になると思います」


「それくらい価値のある一戦でした」


コメント欄はさらに加速する。


『永久保存』


『伝説の試合』


『決勝じゃなくて準決勝なんだよな』


『レベル高すぎる』


『まだ大会終わってないのに満足感ある』


『でも次も見たい』


その言葉の通りだった。


まだ大会は終わっていない。


準決勝はもう一試合残っている。


決勝進出の枠は、あと一つ。


配信画面の表示が少しずつ切り替わっていく。


試合のリプレイが終わり、次の対戦準備画面が映し出される。


チャット欄がざわめいた。


『来るぞ』


『次の準決勝だ』


『優勝候補いるんだよな』


『こっちも楽しみ』


『誰が決勝行くんだ』


黒田が大きく息を吸う。


「さあ皆さん!」


声が配信に響く。


「準決勝第一試合の興奮冷めやらぬ中ですが――」


「続いては準決勝第二試合です!」


コメント欄が一気に流れ始めた。


決勝への最後の切符を懸けた戦い。


その幕が、今まさに上がろうとしていた。

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