表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第一章 無名の高校生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/173

第14話 リベンジマッチ

白石凛は対戦席へ座りながら、ゆっくりとモニターへ映る名前を見つめていた。


LETHAL。


今大会最大の話題。


正体不明。


所属不明。


経歴不明。


だが実力だけは本物。


そんな評価が既に出来上がっている。


しかし凛にとって重要なのはそこではなかった。


――強い。


それだけだった。


ランクマッチで負けた時から考えは変わらない。


相手を侮ったことなど一度もない。


むしろ逆だ。


誰よりも警戒している。


誰よりも危険視している。


だからこそ。


負けたままでは終われない。


「準決勝第一試合!」


実況の黒田が声を張り上げる。


「白石凛選手対LETHAL選手!」


配信は既に十五万人を超えていた。


コメント欄も異常な速度で流れている。


「鬼塚さん、このカードどう見ますか?」


「楽しみですね」


鬼塚は笑う。


「お互い研究していると思います。特に白石選手は間違いなくLETHAL選手の試合を全部見ているでしょう」


その通りだった。


凛は見た。


何度も。


何度も。


予選。


本戦。


全試合。


天城レオ戦も。


ノア戦も。


全て。


その上で分かったことがある。


LETHALは読んでいるわけじゃない。


学習している。


試合中に。


戦いながら。


だから。


同じことを繰り返したら負ける。


「Round1――Fight!」


試合開始。


開幕。


Celesが前へ出る。


Kaiは下がる。


中距離。


最初の探り合い。


凛は飛ばない。


無理に触りにも行かない。


まず見る。


相手を見る。


Kaiも同じだった。


互いに牽制。


距離管理。


差し返し。


高レベルな静かな立ち上がり。


「おおっと」


黒田が声を上げる。


「どちらも慎重ですね」


「当然です」


鬼塚が頷く。


「この二人は相手の強さを知っています」


凛が先に仕掛ける。


高速ステップ。


下段。


ガード。


即座に投げ。


成功。


小さく体力を奪う。


さらに離脱。


追わない。


深追いしない。


LETHAL相手に勢いだけで攻めるのは危険だと知っていた。


Kaiが接近。


中段。


ガード。


投げ。


抜ける。


視聴者がどよめく。


「反応している!」


「白石選手の集中力が凄いですね」


鬼塚も感心していた。


凛は感じていた。


――速い。


やっぱり速い。


レオ戦を見ていた。


理解していたつもりだった。


だが実際に向き合うと違う。


反応。


判断。


選択。


全てが速い。


少しでも迷えば終わる。


だから凛も集中を極限まで高める。


Celesが前進。


牽制。


差し返し。


ヒット。


コンボ。


体力を奪う。


「白石選手リード!」


黒田が叫ぶ。


「良いですね!」


凛は攻める。


だが同じ択は使わない。


投げ。


下段。


中段。


散らす。


徹底的に散らす。


LETHALに覚えさせない。


学習させない。


しかし。


中盤。


違和感が生まれる。


――通らない。


さっきまで通っていた行動。


それが徐々に機能しなくなる。


投げ。


抜けられる。


下段。


止められる。


接近。


置かれる。


凛は確信した。


――もう始まってる。


学習が。


実況席でも鬼塚が口を開く。


「早いですね」


「やっぱりですか?」


「ええ」


鬼塚が頷く。


「LETHAL選手が白石選手の攻めを整理し始めています」


試合が加速する。


凛が変える。


Kaiが対応する。


凛がさらに変える。


Kaiも変える。


視聴者たちが熱狂する。


『やばい』

『レベル高すぎる』

『決勝みたい』


終盤。


体力。


Celes二割。


Kai二割。


完全な五分。


凛は思わず笑っていた。


楽しい。


純粋に。


ここまで読み合いが噛み合う相手は久しぶりだった。


だが。


勝つ。


絶対に。


Celesが前へ出る。


最速ダッシュ。


投げを見せる。


Kaiが反応する。


その瞬間。


中段。


読み勝ち。


ヒット。


会場が沸く。


コンボ。


さらに追撃。


体力が消える。


KO。


「決まったあああああ!!」


黒田が絶叫する。


「第一ゲームは白石凛選手!!」


配信が爆発する。


「やりましたね」


鬼塚が笑う。


「初めてです」


「何がです?」


「LETHAL選手が大会でゲームを落とした」


凛は小さく息を吐いた。


だが表情は変わらない。


まだ終わっていない。


相手はLETHALだ。


一ゲーム取った程度で安心できる相手ではない。


むしろ。


ここからが本番。


なぜなら。


学習する怪物は。


敗北した直後が最も危険だからだった。


そして数分後。


運命の第二ゲームが始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ