第13話 衝撃の勝利者たち
LIBERTY 40-0 ORBIT。
開幕節最大の波乱。
試合終了後も会場はざわめきが止まらなかった。
「それでは試合後インタビューです!」
まず呼ばれたのは敗れたORBIT。
篠原海斗。
鳴海悠人。
白峰遥。
三人が登場すると観客から拍手が送られる。
「篠原選手、まさかの40-0でした」
篠原は苦笑した。
「まさかですね。僕も驚いてます」
会場から笑いが起きる。
「分析チームとしてはかなり悔しい結果ですが、一つ分かったことがあります」
「何でしょう?」
「LIBERTYは意味が分かりません」
会場大爆笑。
鳴海まで吹き出している。
「試合中も何してくるか全然予想できませんでした」
『それはそうw』
『正直みんな思ってる』
『分析不能で草』
続いて鳴海。
「かなり苦しい試合でした」
「完敗です」
鳴海はあっさり認めた。
「ただ逆に面白くなりましたね」
「面白い?」
「このまま終わるつもりないんで」
その一言に会場から拍手が起きる。
「次当たる時は別チームだと思ってください」
ORBITらしい冷静な宣戦布告だった。
そして勝利したLIBERTYが呼び込まれる。
月島悠真。
椎名奏。
如月悠斗。
登場した瞬間、歓声が一気に大きくなる。
「まずはリーグ初出場初勝利の月島選手です!」
月島はマイクを受け取る。
「いやー緊張しました」
「そうは見えませんでしたが」
「実は試合前にトイレ五回行きました」
会場大爆笑。
如月まで笑っている。
「でも座ったら緊張消えました」
『メンタル強すぎるw』
『新人とは思えん』
続いて椎名奏。
中堅戦を圧倒した立役者だ。
「素晴らしい試合でした」
椎名は少し考える。
「ありがとうございます」
そして続けた。
「実は昨日の夜、八時間くらいコンボ練習してました」
会場がざわつく。
「八時間ですか?」
「気付いたら朝でした」
観客席から驚きの声が上がる。
「好きなんですよね、コンボ」
『ガチ勢すぎる』
『研究量えぐい』
『怖いタイプだ』
そして最後。
今日の主役。
如月悠斗。
会場から大歓声が上がる。
「如月選手、40-0です」
「そうですね」
相変わらず淡々としている。
「正直予想していましたか?」
如月は首を横に振る。
「してないです」
「では何を考えて試合を?」
少し沈黙する。
そして答えた。
「面白い試合しようかなって」
会場が静まる。
「面白い試合?」
「勝つだけなら誰でも考えますから」
観客がざわつく。
「だから相手が予想しないことをやろうと思ってます」
その言葉に村瀬が思わず笑う。
「それが一番困るんですよ」
会場大爆笑。
『やべぇやつだw』
『自由すぎる』
『だからLIBERTYなのか』
だが如月はさらに続ける。
「あと」
会場が静まる。
「優勝候補って言われてるチーム全部倒したいですね」
一瞬の沈黙。
次の瞬間。
会場が爆発した。
『うおおおおお!!』
『言った!!』
『皇聞いたか!?』
『真壁聞いたか!?』
『面白くなってきた!!』
朝倉も興奮を隠せない。
「開幕節からとんでもない発言が飛び出しました!」
如月は平然としている。
まるで当然のことを話しただけという顔だった。
PHOENIX。
NOVA。
VALOR EDGE。
そしてORBIT。
強豪ひしめくDivision S。
その中で最も予想できないチームが、最も強烈な存在感を放った夜となった。




