第8話 開幕戦後インタビュー
PHOENIX 30-10 NOVA。
開幕戦はPHOENIXの勝利で幕を閉じたが、会場の熱気はまだまったく冷めていなかった。
「それでは試合後インタビューです!」
朝倉の声と共にまずは敗れたNOVA eSportsの選手たちがステージへ呼ばれる。
黒瀬詩音、白石凛、神崎結衣。
三人が姿を見せると大きな拍手が送られた。
「まずは黒瀬選手、大将戦お疲れ様でした。あと一歩でしたね」
マイクを受け取った黒瀬は少し悔しそうに笑った。
「悔しいです。でも皇選手とあの舞台で戦えたのは大きな経験になりました。負けましたけど手応えもありましたし、次に対戦する時はもっと強くなっていると思います」
『黒瀬強かった!』『マジで惜しかった』『次も期待してる!』
コメント欄には称賛の言葉が並ぶ。
「続いて白石選手、中堅戦見事な勝利でした」
「ありがとうございます!」
凛は笑顔で答える。
「勝てたのは嬉しいんですけどチームが負けちゃったので素直には喜べないですね。でもリーグは始まったばかりですし、次はチームを勝たせられるように頑張ります!」
『凛ナイス勝利!』『頼もしいな!』『次も勝ってくれ!』
会場からも拍手が起こる。
「神崎選手はいかがでしたか?」
「めちゃくちゃ緊張しました!」
その一言に会場から笑いが起こる。
「でも本当に楽しかったです!負けちゃいましたけど絶対もっと強くなって戻ってきます!」
元気な言葉に観客席から温かい拍手が送られた。
インタビューが終わると三人は深々と頭を下げてステージを後にする。
続いて勝利したPHOENIXが呼び込まれる。
朝倉玲司、獅堂大河、皇恒一。
優勝候補筆頭の登場に歓声が一段と大きくなる。
「まずは先鋒戦を勝利した朝倉選手です」
朝倉は落ち着いた表情でマイクを受け取った。
「開幕戦だったのでまずは勝つことだけを考えていました。チームに良い流れを持ってこられて良かったです」
「非常に安定した試合運びでしたね」
「まだ一試合なので満足はしていません」
その言葉に会場から感心の声が漏れる。
続いて獅堂大河。
「惜しくも敗れましたが素晴らしい試合でした」
獅堂は苦笑しながら肩をすくめた。
「負けたのは悔しいですけど凛選手が強かったですね。でも次やったら勝ちます」
『リベンジ待ってるぞ!』『獅堂らしい!』
さらに獅堂は隣の皇を見ながら笑った。
「まぁ皇さんが勝ってくれると思ってたんでそこは安心してました」
会場が笑いに包まれる。
そして最後。
大将戦を制した男。
皇恒一。
マイクを受け取るだけで会場の空気が引き締まった。
「皇選手、開幕戦勝利おめでとうございます」
「ありがとうございます」
「黒瀬選手との試合はいかがでしたか?」
皇は短く答える。
「強かったです」
それだけだった。
だが続く言葉に観客が沸いた。
「今後もっと強くなる選手だと思います」
最大級の賛辞だった。
会場から大きな拍手が送られる。
「そしてPHOENIXは開幕白星スタートとなりました」
皇は静かに頷いた。
「優勝するためにリーグへ出ています。一試合一試合勝つだけです」
『王者かっけぇ』『やっぱり皇だな』『優勝候補筆頭!』
歓声と拍手に包まれながら開幕戦のインタビューは終了する。
こうしてCHRONOS STRIKE PRO LEAGUE 2026最初の試合は幕を閉じた。しかしこれは長いシーズンの始まりに過ぎない。優勝を目指す戦いは、まだ始まったばかりだった。




