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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第四章 プロリーグ開幕編

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第7話 女王と王者

PHOENIX 10-10 NOVA。


開幕戦の勝敗は大将戦へ委ねられた。


大型モニターに映し出される二人の名前。


皇恒一。


黒瀬詩音。


会場から今日一番の歓声が巻き起こる。


『きたあああああ!!』『開幕戦からこのカードかよ!』『黒瀬いけ!!』『皇負けるな!!』


両者がステージへ上がる。


皇は変わらず無表情。


黒瀬も静かだった。


互いに余計な言葉はない。


ヘッドセットを装着し、キャラクター選択が完了する。


会場の大型モニターに試合画面が映し出された。


「大将戦、BO5です!」


実況の声と共に試合開始。


一本目。


序盤は黒瀬が完全に主導権を握った。


長い武器による牽制。


絶妙な距離管理。


近付こうとする皇を何度も押し返す。


攻めるたびに迎撃される。


体力差は徐々に広がっていった。


最後は黒瀬が画面端で攻め切る。


KO。


『黒瀬先取!!』


『女王つえええ!!』


会場が沸く。


しかし皇は表情を変えない。


二本目。


ここから王者が対応を始めた。


無理に攻めない。


飛び込まない。


一歩ずつ距離を詰める。


黒瀬の癖。


タイミング。


技の振り方。


全てを観察する。


そして一度触る。


そこから流れが変わった。


差し返し。


コンボ。


起き攻め。


再び差し返し。


黒瀬の体力が一気に消し飛ぶ。


KO。


一対一。


『これが皇か……』


『対応力やばすぎる』


三本目。


試合はさらに高度な読み合いへ突入する。


黒瀬が牽制する。


皇が避ける。


黒瀬が置く。


皇が差し返す。


ほんの数フレームの攻防。


だが観客は誰も目を離せない。


互角のまま最終ラウンドへ。


残り体力は僅か。


そこで皇が前へ出た。


黒瀬も迎撃する。


だが皇はその行動を読んでいた。


技を空振らせる。


即座に反撃。


最大コンボ。


KO。


「皇選手王手です!!」


会場が揺れる。


『王者!!』『あと一本!!』


追い詰められた黒瀬だったが、ここで終わらない。


四本目。


今度は自ら前へ出た。


中距離戦だけでは勝てない。


そう判断した黒瀬は攻めを選択する。


読み合い。


暴れ潰し。


投げ。


コンボ。


全てが噛み合った。


皇も対応するが僅かに届かない。


KO。


二対二。


会場は総立ちだった。


「フルセットです!!」


実況の絶叫が響く。


開幕戦。


大将戦。


最終試合。


最高の舞台が完成していた。


そして運命の最終戦。


両者一歩も引かない。


体力は互角。


時間も残り僅か。


会場全体が息を呑む。


先に動いたのは黒瀬。


長いリーチを活かした牽制。


しかし皇は待っていた。


ほんの僅かな隙。


その一瞬を逃さない。


完璧な差し返し。


コンボ。


さらに起き攻め。


最後の読み合い。


黒瀬が投げを警戒する。


その瞬間。


皇の下段が通った。


KO。


勝者。


皇恒一。


PHOENIX。


会場を揺らす歓声が響き渡る。


『うおおおおおお!!』『王者だ!!』『黒瀬も強かった!!』『開幕戦から神試合!!』


PHOENIXが開幕戦を制した。


だが敗れた黒瀬にも惜しみない拍手が送られる。


「負けはしましたが黒瀬選手も素晴らしかったですね」


村瀬が静かに語る。


「ただ、それでも最後に勝つのが皇恒一です」


その言葉に観客もコメント欄も納得するしかなかった。

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