第41章:新しい武器
「明日に備えて、武器の準備をしておかないとな」
手を伸ばして、かすかに軋む音を立てる木製の机の引き出しを引き開け、そこにしまっておいた漆黒のグロック17を取り出した。
「よかった、ちゃんとある」冷たいポリマーの表面を撫でながら、僕は安堵の吐息を漏らした。
「僕がいない間に、ナターシャやカルラおばさんがうっかり見つけていじったりしないか、少し心配だったんだ」
人差し指でマガジンキャッチを押す。カチッ。マガジンが手のひらに滑り落ちてきた。目を細め、中で鈍く光る真鍮の数を数える。残弾はたったの五発だ。
「くそっ、予備の弾薬を買わないとな」肩を落として深くため息をつきながら愚痴をこぼした。
銃口の先端についているサプレッサーをゆっくりと回す。シュルッ……シュルッ……。その円筒形の物体を取り外し、すぐにナイトテーブルの上に置いた。
「明日の大規模討伐遠征に、このサプレッサーは役に立たない。騒々しい野外での乱戦じゃ、むしろ弾速を落として貫通力を下げるだけの邪魔な代物だ」
僕はふかふかのベッドに仰向けに倒れ込んだ。窓のカーテンはまだ大きく開け放たれており、二つの銀の月の光が流れ込み、木の床に降り注いでいる。その月明かりが、部屋の壁に掛けられたオイルランプのオレンジ色の光と混ざり合っていた。
『このグロック17だけじゃ、数千匹のゴブリンの襲撃から生き残るなんて絶対に不可能だ』手の中で拳銃を弄びながら、僕は思考を巡らせた。
新しいメインウェポンが必要だ。ちょうどいいことに、今朝ガレンが追加の資金をくれたばかりだしな。
論理的に考えれば、これほど大規模なレイドクエストには何百人もの冒険者が参加するはずだが、自分の命を他人に委ねるわけにはいかない。戦場の真っ只中では、ガレンもディナも間違いなく自分のことで手一杯になるだろう。彼らに守られ続けるだけのお荷物になることだけは、絶対に御免だ。
確かに、僕は今や正式な魔術師だ。しかし、僕がこれまでに習得した魔術は、まだ基礎レベルの水属性魔術にすぎない。今日の昼間のように、それを高圧の「ウォーター・ジェット・カッター」の弾丸に修正するには、かなりの集中力と圧縮時間が求められる。まだ一瞬で形成できる段階には達していないのだ。
だからこそ、明日の血みどろの遠征における僕の主力兵器は、依然として現代の銃火器ということになる。今のところ、魔術はあくまで補助的な能力として機能させるしかない。
現在、システムの残高はわずか592ポイント。それに加えて、手持ちの現金が銀貨32枚と銅貨800枚、さらにガレンからもらった硬貨の袋がある。
「これだけのお金があれば、確実に新しい武器が買えるな」満足げに呟いた。
手をズボンのポケットの奥深くまで突っ込む。
「ギルドが、あの情報をどれくらいで買い取ったのか見てみよう」
革袋の中身を、清潔な白いシーツの上にぶちまけた。
チャリン! チャリン!
貴金属がぶつかり合う音が部屋に響き渡った。重なり合った銀貨が、月光とオイルランプの光を浴びて美しい輝きを放っている。
「金貨じゃなかったか。正直言って、少し期待外れだな」と、僕は銀貨をより分けながら言った。
だが、それも当然の話だ。冒険者ギルドのような資本主義的な組織が、ゴブリンの巣の場所についての情報を買うためだけに、純金貨を何枚もポンと出すわけがない。Cランクの彼らにとってさえ、金貨を一枚手に入れるだけでもかなり稀な成果なのだろう。
「もし金貨一枚が銀貨百枚に相当するなら、計算してみよう」
手で硬貨を動かし、十枚ずつの小さな山に分けていく。
「銀貨二十五枚?」
ということは、あの時ギルドがガレンに支払った情報提供の報酬総額は金貨一枚だけで、ガレンがそれを僕たち四人で均等に分けたということか。
「残っている僕のお金と合わせると、今の所持金は合計で銀貨57枚と銅貨800枚になる」
「銀貨57枚……この街で一切働かずに、一年以上も贅沢に暮らせるだけの十分すぎる額だぞ」暗い顔で深くため息をつきながら言った。
「だけど、あの高利貸しのシステムは、銀貨一枚をたったの5ポイントでしか換金してくれないんだ」
「クソッ、マジで極悪な資本主義だ」
「『システム』!」と呼びかける。
ピロン!
半透明の青いホログラムスクリーンが目の前に現れた。その色鮮やかなインターフェースには、日替わり割引のバナーが並び、右上にはいまだに地球のカレンダーシステムと同期している時刻と日付が表示されている。
「メインウェポンが必要だ。連射能力があって、致命的な口径で、威力が高いもの。だけど、この子供の体でも扱えるように、大きすぎないサイズじゃないと駄目だ」
口角が上がる。
「当然、アサルトライフル(突撃銃)一択だな。問題は……どのモデルを買うかだ」
AK-47か? いや、あれは古くて命中精度が悪い。AK-12? ふむ、こいつも悪くない選択肢だ。ロシア連邦軍の制式アサルトライフル。ウクライナ戦争で実戦投入され、ロシアの多くの歩兵部隊で継続的に使用されている。旧モデルと比べて劇的な革命はないにせよ、AK-12はより近代的なエルゴノミクスを備え、光学機器を取り付けるための標準レールがあり、旧AKシリーズよりもはるかに快適な操作性を提供している。何より重要なのは、カラシニコフ・ファミリーの信頼性の高さが維持されていることだ。ウクライナの戦場で長年使われた後でも、開発者は最前線の兵士たちからの直接のフィードバックに基づいて設計を洗練させ続けている。
あるいは、日本の自衛隊の20式小銃にするか? 性能は確かにいい。軽量で近代的、過酷な環境にも耐えられ、非常に優れたエルゴノミクスで設計されている。だが、なぜだかデザインがあまり好きになれないんだよな。だから、こいつはパスだ。
最優先すべきは耐久性だ。泥や水たまり、過酷な天候に至るまで、あらゆる地形で確実に作動するライフルが必要だ。それに当然、価格も手頃でなければならない。何しろ、この武器は長期的にお世話になる標準アサルトライフルになるんだから。
耐久性と手頃な価格の話になれば、間違いなくカラシニコフのシリーズがトップに来る。だが、M4A1はどうだ? アメリカ軍の標準ライフルであるあれは僕好みのデザインだし、様々な戦場での実績も疑う余地がない。それに、僕自身もあれにはすごく馴染みがある。昔、いろんなFPSゲームであの武器を使って何百時間も遊んだからな。
よし、まずは市場価格がどれくらいか見てみよう。
人差し指で検索バーに「アサルトライフル M4A1」というキーワードを打ち込んだ。結果は瞬時に表示され、様々なメーカーからの多様なバリエーションが並んでいる。僕は標準的なミルスペック(軍用規格)版を選んだ。
「250ポイント?」信じられないというように舌打ちをした。
「何の改造も施されていない素のライフルにしては、結構高いな」
「弾薬の値段も見てみるか」画面を下にスクロールして、推奨アクセサリーのセクションへと移動する。
「待てよ……一箱20ポイント?」僕は怪訝そうに目を細めた。
「なんでこんなに安いんだ? 全く理にかなっていないぞ。グロック17用の9mm弾は一箱50ポイントもしたのに。明らかに口径はあっちの方が小さいはずだ。それなのに、50発入りの5.56mmアサルトライフルの弾薬が、たったの20ポイントに設定されているだと?」
僕はゆっくりと顎を撫でながら、このデジタルな陰謀について考えを巡らせた。
『もしかして、この資本主義システムは、僕にアップグレードを強制して、本体価格がはるかに高い長物を買わせるために、わざと拳銃の弾の価格を釣り上げて独占してるんじゃないか? なんて狡猾なアルゴリズムだ!』
「AK-12と比較してみよう」再び検索バーに入力する。
結果が表示されると、瞬時に僕の顔に満足げな笑みが浮かんだ。
「M4A1よりもずっと安いぞ。本体はたったの229ポイントで、5.45×39mm口径の弾薬も同じく一箱20ポイントだ」
「でも、どうしてカラシニコフのライフルがM4A1より安くなるんだ? ロシア製だからか?」
どちらのライフルも近代的なプラットフォームの上に構築されている。しかし、開発の面から見れば、AK-12の方がより新しいデザインだ。それに、ロシアの5.45×39mm弾は、NATO標準の5.56×45mm弾に匹敵する非常に競争力のある弾道特性と殺傷能力を持っている。
「そして何より、デザインがかっこいい。近代的でありながら、目を引くほどの存在感がある」画面上で回転する武器の3Dモデルに見惚れながら、僕は賛辞を送った。
「よし。こいつにしよう」
夜間に光を反射しないよう、マットブラック塗装のバリエーションを選んだ。それに、黒の方が常に威圧的でかっこよく見えるからな。忘れないうちに、弾薬を十箱――合計五百発――買い物かごに追加した。
情報パネルに記載されている技術的なスペックに、注意深く目を通す。
【AK-12(アサルトライフル - カラシニコフ・コンツェルン)】
説明:ロシアのカラシニコフ・コンツェルンによって製造された、カラシニコフ・ファミリーの最新世代アサルトライフル。「ラトニク」将来歩兵システム近代化プログラムの一部として、2018年にロシア連邦軍の標準ライフルとして正式採用。5.45×39mm弾を使用。
以前のAK世代と比較して、AK-12はエルゴノミクスの面で大幅な向上を果たしている。近代的な光学機器やアクセサリーを装着するためのピカティニー・レールが統合され、長さ調節と折りたたみが可能なテレスコピック・ストック、人間工学に基づいたピストルグリップ、そしてより快適に操作できるコントロール類を備えている。内部メカニズムは、泥や水濡れ、粉塵、低温環境など過酷な条件下におけるカラシニコフ・ファミリー特有の高い信頼性を維持している。発射速度は毎分約700発。
【本体価格:229ポイント】
【弾薬10箱(5.45×39mm弾):200ポイント】
画面の下部に、合計金額が明るく点灯した。
429ポイント。
「ヤバいな、一回の決済でこんなにポイントを吹っ飛ばすなんて」と小さく毒づく。
「まあいい。これは安全のための長期投資だ。自分自身の命がかかっているのに、ケチケチしても意味がない」
迷いのない一回のタップで、僕は『支払い』ボタンを押した。
ブゥゥン。
画面の隅にある残高が自動的に減る。それと同時に、柔らかく発光する青い光の粒子が、ベッドの上の何もない空間に実体化し始めた。その光はゆっくりと固まり、透明な太いテープでしっかりと封がされた、細長い茶色い段ボール箱を形成した。
その表面には、英語のアルファベットで『Inter-Dimensional Online Shopping System』という黒い文字が印字されており、そのすぐ下にはブロック体のスタンプが押されていた。
【内容物:AK-12アサルトライフル 1丁 & 弾薬】
時間を無駄にすることなく、まるでクリスマスプレゼントを受け取ったばかりの子供のように、興奮気味にその段ボールのテープを引き剥がした。
封が開くと同時に、新品特有の匂いがすぐに立ち上ってきた。防錆潤滑油、合成ポリマー、そして工場特有の無機質な空気の混ざった匂いが部屋に広がる。
「こういう新品の匂い、本当に飽きないな」満足げな笑みを浮かべ、深く深呼吸しながら呟いた。
発泡スチロールの板と緩衝材を急いでどかす。段ボールの底には、完璧な状態の漆黒のアサルトライフルが横たわっていた。触れるとひんやりと冷たく、傷一つなく清潔で、部屋の明かりの下でほとんど輝いているようにさえ見えた。
「で、弾薬はどこだ?」不思議に思い、注文した十箱の弾薬を探して段ボールの残りの梱包材をかき分けた。
先に、両手を使ってそのライフルを段ボールから持ち上げることにした。
「うっ、結構重いな」腕の筋肉に重力を感じながら息を漏らす。
『空の重量でも約3.3キログラムはある。十二歳の子供の体である僕にとって、戦闘の真っ只中でこの金属の塊を持ち運びながら走り回ったり機動したりするのは、間違いなくひどく骨が折れるはずだ』
再び、自信に満ちた笑みが僕の唇に刻まれた。
『だが、それは過去の基準での話だ。幸運なことに、今日僕はすでに先生から魔力操作の基礎をマスターすることに成功した。腕や肩の筋肉に魔力を流し込めば、このライフルの重さをはるかに楽に支えられるはずだ。射撃時の反動制御だって、想像するほど難しくはなくなるだろう』
『それに、オートマチックライフルを使ってゴブリンみたいな忌まわしい化け物どもを殺戮するなんて……昔からの僕の最もワイルドなファンタジーの一つじゃなかったか?』
結局のところ、弾薬の箱はライフルの下にあった段ボールの仕切りの裏、下部のコンパートメントに整然と並べられていた。僕はそれを一つずつ取り出し、長方形の十箱をベッドのシーツの上に積み上げた。
そのうちの一つを手に取り、側面に貼られた生産ラベルを確認する。
「口径5.45×39mm。ロシアのバルナウル弾薬工場製。製造年月日は……2025年9月23日」
小さな箱の端を破り、一発の弾丸を取り出した。銅でコーティングされた弾頭の先が、ランプの光の下で輝く。
「ボトルネック型の薬莢のデザインは、やっぱりエレガントだな」その弾丸を空中に放り投げ、素早くキャッチしながら呟いた。
「弾道性能から見ても、この弾薬は9mmの拳銃弾とは明らかに次元が違う。昨日はあのゴブリンロードを殺すのに手榴弾に頼らざるを得なかったが、今なら話は別だ。このライフルがあれば、もっと安全な遠距離から奴を仕留められる」
弾丸を箱の中に戻し、興奮で少し汗ばんだ両手でAK-12を掴んだ。
「たまんないな、こいつは信じられないくらいかっこいいぞ」手にあるライフルを見つめながら、両目を感嘆でキラキラと輝かせた。
「まさに歴史的瞬間だ。生まれて初めて、本物の軍用アサルトライフルを手にしているんだ。机の上のグロック17も確かにかっこいいが、このアサルトライフルを直接手にした時の高揚感に比べたら足元にも及ばない……」
ライフルのテレスコピック・ストックを右肩に当て、チークパッドに頬をぴったりと密着させてから、人差し指の腹で引き金を引いた。
カチッ! カチッ!
乾いたドライファイアの音が夜の静寂を破る。発射音はなく、薬室がまだ空であることを示す内部メカニズムの音だけが鳴った。
ハンドガードとピストルグリップのザラザラとしたポリマー表面が、手のひらにしっくりと馴染む。グリップは滑りにくく、最悪の条件下でも快適に使用できるように設計されていることがよくわかる。
左手をライフルの下部へと移動させ、引き金の近くにあるマガジン・リリース・レバーを押す。手首をスナップさせる一つの動作で、AKファミリー特有の湾曲したポリマー製マガジンを引き抜いた。
その黒いマガジンは、軽いと同時に頑丈に感じられた。片方の側面には細い透明な窓があり、マガジンを抜かなくても残弾数が確認できるようになっている。シンプルな機能だが、戦闘の真っ只中では非常に役に立つ。
それから、再びそれを装填した。
チャキッ!
中二病的なアドレナリンの奔流に支配され、僕は座った姿勢から飛び起き、ベッドの上に真っ直ぐに立ち上がった。
ライフルを手に、自分が敵の基地を強襲する特殊部隊のオペレーターになった姿を想像する。
コンバットスタンスをとり、ライフルを胸にしっかりと構え、銃口をゆっくりと部屋の左から右へと振り向ける。頭を少し下げ、部屋の暗い隅に潜む想像上の敵を狙い撃つかのように。
レシーバーの上に綺麗に伸びるピカティニー・レールが、ひどく魅力的に見えた。ポイントに余裕ができたらすぐにでもあそこにホログラフィック・サイトを取り付けてやる、とすでに頭の中で思い描いていた。
自分自身の空想のせいで息が上がり、僕はベッドの端に再び体を投げ出した。満面の笑みを浮かべ続けていたせいで顔の筋肉がひどく痛み、過剰な興奮による冷や汗の粒が、金髪の生え際から垂れ落ち始めていた。
「はぁ……」ライフルの表面にぼんやりと映る自分の顔を見つめながら、長くため息をついた。
「もし昔、大学に通っていた頃にこういう代物を持っていられたらな。こんなに美しいライフルをリュックの中に忍ばせて、キャンパスの廊下を歩き……賑わう中庭のど真ん中で取り出したら……」
「そして、いつも傲慢な顔をして歩いていた、僕よりずっと恵まれた環境にいた大学生どもに、忘れられない『サプライズ』をプレゼントしてやるんだ」と、突然声のトーンを重くして続けた。人差し指で、引き金をゆっくりと撫で回す。
憎悪に満ちた目で、鋭く目を細めた。
「成績優秀、充実した交友関係、可愛い彼女持ちで、頭が良くて、明るい未来が約束されてる」と唸る。ピストルグリップを握る手が、さらに力強く締め付けられた。
「昔はいつも、僕を密かに見下し、軽蔑の目で見るような連中に囲まれていた気がするよ……あのクソ野郎どもめ」
ゆっくりとアサルトライフルを持ち上げ、漆黒の銃口を部屋の中央の何もない空気に真っ直ぐに向け、そして迷うことなく引き金を引いた。
カチッ!
その乾いた機械音が、瞬時に僕の妄想を打ち砕いた。
「……」
「僕はいったい何を考えてるんだ?」ライフルを再びベッドの上に置く。
膝を曲げ、ふかふかのベッドの端に再び座り直した。
「さて、今夜の武器の開封の熱狂はこの辺りにしておこう」と、少し凝ってきた首を伸ばしながら言った。
「もう夜も遅い。明日の夜明けには、他の連中と合流するために街の広場へ早く出発しなきゃならないからな。遅れるわけにはいかない。体調を万全に整えて、眠気に邪魔されず脳が百パーセント機能するようにしておかなきゃ」
「『インベントリ』」と声に出す。
目の前の何もない空間に、小さな空間の裂け目が引き裂かれた。時間を無駄にすることなく、すぐにパッケージの段ボール、新しいアサルトライフル、十箱の弾薬、そしてグロック17をその中へと移す。すべてが安全に飲み込まれたことを確認した後、その機能をオフにした。漆黒で底知れない次元の裂け目は、ゆっくりと収縮し、跡形もなく消え去った。
全てが安全に収納された後、僕はベッドに体を横たえ、胸の高さまで毛布を引き上げた。
長く息を吐き出す。
そして両目を閉じ、一日中溜まっていた疲労がゆっくりと意識を暗闇へと引きずり込んでいくのに身を任せた。
……
翌日。
服装を整える。いつものように白灰色のソフトシェルジャケットに黒のジーンズを履き、そして白いニット帽を深く被るのも忘れない。ゆっくりとした動作で、エルフの長い両耳を上へと折りたたみ、ニット帽の下へと押し込んだ。耳の先端が綺麗に折りたたまれ、その裏に完全に隠れていることを確認する。
確かに少し居心地が悪い。だが、これは僕自身の安全を守るためだ。
人間として十分に信じ込ませられる外見になったことを確認してから、ベッドの方へ向き直った。
ベッドの上に置かれたマットブラックのグロック17に手を伸ばす。親指でリリースレバーを押し、マガジンを手のひらに滑り落とさせた。フル装填された9mm口径弾の真鍮の輝きが、朝の光を反射している。
「メインのライフルに何かあった時のために、予備の弾薬を一箱買っておいたんだ」と小さく呟き、カチッ! と音が鳴るまでマガジンを再び押し込んだ。
だが、その値段を思い出すと再び腹が立ってきた。
「あのクソ高利貸しのシステムめ! なんで拳銃の弾の価格がこんなに高いんだ? グロックの弾が一箱で50ポイントだと? アサルトライフルの弾薬の方がずっと安いっていうのに!」
苛立ちとともに舌打ちをした。
「この資本主義システムは、マジで僕から搾取しようとしてる!」
左手で拳銃のスライドを素早く引き――チャキッ――薬室に一発の弾丸を送り込んでから、ジャケットの内ポケットにしっかりと収納した。
次は、メインウェポンの番だ。
漆黒のAK-12アサルトライフルをベッドから持ち上げた。三キログラムを超える重量が、ダイレクトに腕の筋肉にのしかかる。幸いなことに、この軍用戦闘兵器にはすでにタクティカルスリングが標準装備されており、背中に斜め掛けにして快適に背負うことができた。
最後に、身につけているハーフフィンガー・タクティカルグローブを調整し、左ポケットの炭素鋼の狩猟ナイフがしっかりと収まっていることを確認してから、サロモン製のトレッキングシューズの紐をきつく結んだ。
『さあ、出発だ』
木の階段を降りて一階へ向かう。リビングルームには、カルラ、ナターシャ、アリス、そしてディナがすでに集まっていた。ディナは白とピンク色の魔法使いのドレスを着ており、右手には魔術杖を握っていて一際目立っている。唯一足りないのは、なぜだか被っていない三角帽子くらいだ。
「リアム、ディナ……気をつけてね。二人とも必ず無事に帰ってくるのよ」カルラは胸の前で両手を強く握りしめ、中年女性の顔にはっきりとした不安の皺を刻みながら言った。
「安心してお母さん。私たちは必ず帰ってくるから」ディナは安心させるような笑顔を向け、母親の腕を優しくさすりながら答えた。「それに、今回はジュリア王女殿下ご自身が直接遠征を指揮されるって聞いてるわ。私たちの軍はすごく強力よ」
カルラはゆっくりと首を振り、一歩前に出て娘の服の襟を直した。「お母さんの言うことをよく聞きなさい、ディナ。戦場では、状況が悪化すれば貴族たちはあなたの命なんて少しも気にかけないわ。決して油断しないこと。不用意な真似はせず、功績を焦って軽率な行動を取らないように。そして指揮官の指示に必ず従うのよ」
「お母さんは心配しすぎよ。こういう遠征に参加するのはこれが初めてじゃないわ。自分の能力の限界は分かってる」ディナは小さく笑い、母親を温かく抱きしめた。「でも、忠告ありがとう、お母さん」
カルラはゆっくりと抱擁を解き、僕の方へ視線を向けた。
「リアム君……本当にこの危険な遠征に参加するつもりなの?」彼女は心配そうな声で尋ねた。
「はい、おばさん。やらなきゃいけないことがあるんです」僕は答えた。背筋を伸ばし、彼女の目を真っ直ぐに見つめる。僕の眼差しには揺るぎない決意が満ちていた。
カルラは無言で僕を見つめ返した。僕の目に宿る決意が、どんな説得でも揺るがないことを悟り、彼女は諦めたように少し肩を落とした。
「分かったわ、それがあなたの固い決意なのなら」
「ディナ、リアム君をしっかり守ってあげてね」カルラは長女の方を振り返り、頼んだ。「あなたは強い魔術師よ。大人として、あそこで必ず彼を守り抜くのよ」
「私に任せて、お母さん!」ディナは誇らしげに胸を叩き、自信に満ちた笑顔を浮かべた。「それに、今のリアムは見た目ほど全然弱くないんだから」
ディナのフォローを聞いて、僕は小さく微笑んだ。
それから、僕はアリスに歩み寄った。ハーフエルフの少女はナターシャの横に立ち、失うことへの恐怖で赤く潤んだ目で僕とディナを見つめていた。その小さな顔の裏に隠そうとしている不安が、僕にははっきりと見えた。
僕は彼女の両手を握った。僕の握りの中で、その手のひらは温かく感じられた。
「心配しないで、アリス。僕たちは必ず生きて帰ってくるから」僕はできる限り優しい声で言った。
「この遠征が終わったら、ご両親の安否を確かめに、一緒に君の故郷を訪ねてみよう。約束するよ」
アリスはすすり泣きをこらえるように下唇を噛み、そしてゆっくりと頷いた。ようやく、その小さな顔に純粋な薄い笑みが咲いた。
「無事に帰ってきてね、リアム……それに、ディナお姉ちゃんも」
続いて、僕の視線はアリスの隣に立つ二つ結びの少女へと移った。
「ふんっ! さっさと行きなさいよ、このムカつくエルフ!」ナターシャは鼻を鳴らし、ぷくっと頬を膨らませて顔を背けた。「あそこで少しでもお姉ちゃんの足を引っ張ったりしたら、承知しないからね! それに……お姉ちゃんから教わった魔術で、絶対にお姉ちゃんの背中を守りなさいよ!」
「でも……無事に帰ってきてね」突然ボリュームを落とした声で彼女はさえずり、耳の先まで赤く染めていた。
彼女のトレードマークであるツンデレな性格を理解し、僕は満面の笑みを浮かべた。「ありがとう、ナターシャ」
「ナターシャ、お姉ちゃんがいない間、いい子にしてるのよ。お母さんの家の手伝いも忘れないでね」ディナは妹の頭を優しく撫でながらメッセージを残した。
「うん、分かった、お姉ちゃん」ナターシャは素直に頷いた。
「そしてアリス、もう少しだけ辛抱してね。必ずあなたの家族を見つけるから」ディナは金髪の少女の頭のてっぺんを愛情を込めて撫でながら付け加えた。
僕たちは背を向け、木のドアを大きく押し開けた。
ギィィッ……。
夜明けの太陽の光が直接顔を撫でる。敷居の向こうから、カルラ、ナターシャ、アリスの温かい視線が、ヴェニンブルグの街の朝霧を抜けて歩き出す僕たちの背中をずっと見送っていた。
……
街の西の広場へと続く道は、同じ方向へ向かう人々の波ですでに埋め尽くされていた。
すなわち、勇者レオンと仲間たちの青銅の記念碑が立つ場所だ。西の広場に到着すると、目の前に広がる光景は本当に予想を絶するものだった。その開けたエリアは、まさに人の波でひしめき合っていた。様々なランクの多様な冒険者たちが集まり、革の鎧から輝く板金鎧まで身にまとい、剣、弓、槍、そして見かたによっては致命的とも思えるような戦斧などを手にしている。
その群衆の中で、僕の目は、魔術師特有の長いローブを着て、クリスタルで飾られた魔術杖を握りしめているいくつかのグループを捉えた。
『彼らも先生のような冒険者の魔術師なのだろうか? それとも、この街の領主の直属の魔術師部隊なのだろうか?』
「よう、ディナ! リアム! やっと来たか」
聞き覚えのある声が僕の思索を破った。ガレンが建物の壁に寄りかかって立っていた。いつものように銀の板金鎧を着こんでいる。ひどく重そうな大剣が、威嚇するように彼の背中に背負われていた。
「ガレン」ディナは挨拶を返し、朝の風を避けるためにマントを合わせた。「この軍隊の隊列は、いつ頃動き出しそうなの?」
「たぶんあと十数分くらい、街の鐘が鳴ったら出発だろう。気楽に行こうぜ」ガレンは胸の前で両腕を組みながら答えた。「そういえば、ここに来る前に腹は満たしてきたか?」
「ええ、さっき家で朝ごはんを食べてきたわ」ディナが頷く。
「そいつはいい」ガレンは満足げに頷いた。「今回の討伐遠征はかなり長引く可能性があるからな。黒の森に野営地を設営して、二日、いやそれ以上滞在することになる可能性が高い。それも、何の問題もなく順調に進んだらの話だがな」
『二日、それ以上だと!?』
僕の心臓の鼓動が少し速くなった。
「あ、そういえばリアム……」ガレンの注意が突然逸れ、僕の背中を細めた目で見つめた。
「お前が背中に背負ってる、その奇妙な代物は何だ?」好奇心に満ちた表情で彼が尋ねた。
彼は一歩前に出て、僕の背中に斜め掛けされたAK-12の銃身に触れそうになった。反射的に、僕はすぐ肩を少し後ろに回し、ライフルを彼の手から遠ざけた。
「あ、これ?」僕は体を少しひねり、彼がよく見えるようにした。「これは、僕が前に使っていた武器のアップグレード版だよ」
「あの弓に似た、音のない小さな武器のアップグレード版だと?」ガレンは眉を高く上げた。「サイズはずっと長いし、形も奇妙だな」
「その通り」僕は気楽に頷いた。「簡単に言えば、この武器が撃ち出す『矢』は、前よりずっと大きくてずっと速いんだ。昨日のゴブリンロードとの戦いで、前の武器の弾薬じゃ、あのCランクの魔物みたいな分厚い皮膚や装甲を貫通するには弱すぎるって気づいたからね。だから、その解決策としてこの新しい兵器を開発したんだ」
ガレンの目が即座に輝いた。僕が以前に見せた銃火器の破壊力の記憶が、まだ彼の脳裏に鮮明に残っているようだ。
「リアム、お前が『世界の加護』でその代物を具現化できるってことは、俺のためにもこれと同じ武器を一つ作ってくれないか?」彼は期待に満ちた声で尋ねた。「お前にとっちゃ簡単なことだろ?」
僕はジャケットの襟の裏で苦笑いした。
簡単だぁ!? このライフル一丁と弾薬だけで、429ポイントも吹っ飛ばしたんだぞ! 価値にすれば銀貨約九十枚に相当する。君のために買ってやったら、僕は即破産だよ!
「ご、ごめん、ガレン。さすがにこの代物は君にあげられないよ」僕は気まずそうに笑いながら、ライフルのスリングを強く握りしめて断った。「僕の『世界の加護』の使用には、エネルギーの制限と特定のルールがあるんだ。こんなに複雑な物体を作り出すのは、僕の能力の限界を極端に消耗してしまうんだよ」
「そいつは残念だな」ガレンはがっかりしたように顎を撫でながら息を漏らした。「まあ、仕方ないか。それがお前の加護の限界なら」
その後、ガレンは鋼の腰にある小さな袋を探り、ある物体を取り出して僕に向かって投げた。
僕はそれを片手で受け止めた。その物体は冷たかった。軍の認識票ほどの大きさの長方形の鉄板で、僕には読めない言語が刻まれていた。
「何これ?」僕はその鉄板を裏返しながら尋ねた。
「それは、お前が今回の作戦に民間ボランティアとして登録されていることを証明する認識票だ」ガレンが説明した。「絶対に無くすなよ。この遠征が終わった後、金を受け取るためにギルドの受付窓口にその鉄板を提出しなきゃならないからな」
「なるほどね。ありがとう、ガレン」その鉄のドッグタグを、一番安全なジャケットのジッパー付きポケットにしまった。
「あ、そうだ、もう一つだけ、ガレン」ディナが以前話していた陣形計画を思い出し、僕は言った。「後で作戦が始まったら、君と先生はどの前線の部隊(大隊)に配置されるの?」
「お?」ガレンの眉が高く上がり、ディナの方をチラリと見ながら、口角をいたずらっぽく上げた。「へえ、先生だって? ついにディナの弟子になってくれる奴が現れて、よかったな」ガレンは隣の少女の腕を軽く肘で小突いてからかった。
「うぅ……黙りなさい、ガレン!」彼女は少し慌てたように呟き、ガレンのからかうような視線を避けるために顔を背けた。
『やばい……リアクションが可愛すぎる』
ガレンは小さく笑い声を上げてから、再び真剣な表情に戻った。
「俺とディナは、他のCランク冒険者たちと一緒に潜入部隊(大隊)に組み込まれてる。俺たちの任務は、前哨基地を破壊し、主力部隊のために道を切り開くことだ」とガレンが説明する。
「一方でお前は……民間ボランティアという立場だから、ギルドによってDランク冒険者や後方支援部隊と一緒に後方に配置される。お前の任務は、逃げ出すゴブリンが出ないように防衛線を守ることだけだ。陣形の詳細については、後で現場指揮官が説明してくれるさ」
「な、なんだって!?」僕は大きく目を見開き、その事実に抗議した。「つまり、戦場では僕たち離れ離れになるってこと!?」
「ガレン、そんなの絶対に駄目よ!」ディナがパニックになって割り込み、ガレンを鋭く睨みつけた。「もし後方でリアムに何か悪いことが起きたらどうするのよ!?」
「それに、なんで私たちと違う隊列に彼を登録したの!?」
「落ち着けって、ディナ」ガレンは手を上げた。「忘れたのか? このリアムは、同年代のガキどもみたいに弱くはない。あいつの武器がどれだけ致命的か、お前自身よく知ってるだろ?」
「それに、配置を決めたのは俺じゃない。参加者のポジションはすべてギルドの運営側が管理しているんだ。俺はその件に関して、何の権限も持っちゃいない」
「それにだ」ガレンは群衆の後方の列を指差した。「ボランティアの配置場所は、最も安全なゾーンになっている。彼らの主な任務は補給路の確保、逃げ延びた残党ゴブリンの掃討、そして包囲陣形が突破されないように維持することだけだ。あそこの脅威は、俺たちの位置に比べたらはるかに小さい」
「だとしても、彼を監視なしで一人にしておくなんて……」ディナは抗議した。その目には心配がはっきりと描かれていた。
僕は一歩前に出て、ディナの袖にそっと触れた。「心配してくれてありがとう、先生。でも保証するよ、僕は絶対に大丈夫だから」と素早く遮り、できる限り安心させるような笑顔を見せた。
僕は背中のアサルトライフルを軽く叩いた。「この新しい武器と、昨日先生から教わった魔力操作の基礎があれば……生き残るための手段は十分に持っていると思うよ」
ディナは数秒間、僕を見つめた。僕の顔に迷いを探そうとしたが、そこに見つけたのは静けさだけだった。やがて、彼女はゆっくりと息を吐いた。「分かったわ……絶対に馬鹿な真似はしないって、約束して」
「約束する」僕は答えた。
作戦指揮官からの合図を待つ間、僕たちは人混みを避けて休める場所を探し歩いた。やがてかなり涼しい場所を見つけ、勇者レオンの青銅の像の影のすぐ下にある、大理石の階段に直接座り込むことにした。周囲では、他の何十人もの冒険者たちも同じようにしていた。
ライフルの埃を払いながら、僕は広場を埋め尽くす人の波を観察した。
突然、僕の視線が凍りついた。
遠く離れた、後方支援の馬車の列のすぐ近くで、僕は再び『彼ら』の姿を見た。
漆黒の髪を持つ数人の若い男女で構成された、小さなパーティー。そのひどく見慣れた東アジアの顔立ちは、群衆の中で際立っていた。
先日、街の通りですれ違ったあのグループだ。地球人……。
僕は目を細め、彼らをじっと観察し続けた。
どうやら彼らも、この遠征に参加するみたいだな。




