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第37章:僕の最初の魔術

僕は深く息を吸い込み、冷たい朝の空気を肺の隅々まで行き渡らせた。


頭の中で渦巻いていた雑念をすべて払い落とし、脳を無理やり集中状態へと切り替える。今の僕の意識はただ一点――右の掌にだけ向けられていた。


先ほどのプロセスをもう一度繰り返し、体内の魔力の流れをコントロールしようと試みる。


フワッ。


あの奇妙な感覚が再びやって来た。首筋の毛が総毛立つ。心臓の近く――魔術回路があるまさにその場所から、何かが目覚めるのを感じた。そのエネルギーは魔術神経を伝ってゆっくりと這い上がり、温かく脈打ちながら、やがて僕の掌へと流れ着いた。


目には見えなくても、肌の神経がその存在をはっきりと感じ取っている。これが純粋な魔力だ。


眉を少しひそめる。想像力を一点に集中させ、魔力の流れを安定させるために、そのエネルギーの乱気流と格闘した。ひどく長く感じられた数秒の後、掌の上のエネルギーの渦はついに静まり、安定した。


『もし体外に魔力を安定して放出できるなら、それをそのまま魔術現象として具現化できるんじゃないか? 長々と回りくどい呪文(詠唱)なんて唱える必要もなく』


先生は『詠唱なしの魔術は空中で即座に霧散して魔力に戻ってしまう』と言っていたが、それでも試してみたかった。その真実を、自分自身の目で直接確かめたかったんだ!


好奇心に突き動かされ、僕は手の中の純粋な魔力の塊を水球ウォーターボールに変えようと試みた。


『科学的に言えば、水はただのH2Oだ。二つの水素原子が一つの酸素原子と結合しているだけ』


僕は掌の魔力が、結合エネルギーであり触媒として働く様子を想像した。そのエネルギーに命じ、周囲の草原の朝の空気から水蒸気と湿気を強引に奪い取り、気体の分子を強制的に引き離し、そして僕の手の上の重力の中心で共有結合させるようにイメージする。


シュウゥゥゥ……。


空気が擦れるような微かな音が聞こえた。掌の周囲の温度が一気に急降下する。透明な露の粒がどこからともなく現れ、強力な磁力に引き寄せられる青いダイヤモンドの粉のように空中で踊り始めた。


目に見えない微小な水滴が衝突し、融合し、急速に密度を増していく。数秒のうちに澄んだ液体の渦が形成され、掌の上の空間を回りながら、やがてリンゴほどの大きさの完璧な球体となった。その表面は静かに波打ち、朝の太陽の光を反射してサファイアのように美しく輝いている。


自分の手で創り出したこの奇跡を見て、僕は驚きのあまり目を丸くした。


『やった! 物理学の理論だけで本当に魔術を発動できたぞ!』


しかし、僕の歓喜は文字通り一瞬で終わった。


ブルルルッ!


静かに回転していた水球が、突然激しく震え始めた。構造が崩れ、表面が支えを失ったかのように無秩序に沸騰し始める。


パァン!


瞬きする間に水球は爆発し、弾け飛んだ水しぶきが僕の顔を強く叩き、最後は風に吹かれて跡形もなく蒸発してしまった。


「え? なんで壊れたの!?」僕は叫び、頬に飛んだ冷たい水を手の甲で乱暴に拭った。


数歩離れた場所から僕を観察していたディナが近づいてきた。彼女のドレスが緑の草を擦り、静かな音を立てる。


「それは、あなたが詠唱なしで魔術を具現化しようとしたからよ、リアム」ディナは胸の前で腕を組み、理解のある眼差しで僕をたしなめた。


「家で警告したはずよね?」彼女は長くため息をつき、魔法使いの帽子を少し揺らした。「詠唱はただの空虚な詩の連続や、かっこよく見せるためのセリフじゃないの。それは骨組みとして機能するのよ! もし保持するフレームがないまま無理に魔力を変形させようとすれば、その魔術現象の基礎は、制御不能になったエネルギーの乱気流のせいですぐに崩壊してしまうわ」


ディナは身を乗り出し、まだ困惑している僕の顔を覗き込んだ。


「詠唱を使うことで、魔術師は自分の想像力を使って一から魔術の形成プロセスを構築するという時間の無駄を省くことができるの。さっき……あなたがその水球を無理やり作ろうとした時、頭の中でその形や形成プロセスをすごく具体的で複雑に想像していたんじゃない?」


「えーと……う、うん」僕は気まずく答え、急に固くなった首の後ろを掻きながら視線を逸らした。


『まあ、技術的には「水球」の文字通りの形をただ想像したわけじゃないんだけどな』


「難しく考えすぎよ、リアム」ディナは小さく笑い、首を横に振った。


「詠唱を使えば、その面倒なプロセスを全部カットできるの。呪文は自動的に、最も安定した基本形態の魔術を呼び出してくれるわ。魔術がしっかりと形成された後で初めて、自分の想像力をコントロールとして使えるようになるのよ。爆発をもっと強くしたい? 形や規模を変えたい? それとも攻撃の軌道を変えたい? 想像力はコントロールのために使うものであって、一から創造するために使うものじゃないの」


「でも……どうして詠唱って、あんなに色々違うの?」僕は尋ねた。


「それは、詠唱の言葉そのものに、その現象を引き起こす魔術の痕跡トレースが含まれているからよ」ディナは頭上の青空を見上げながら説明した。


「もし魔術師が新しい形の魔術を生み出した場合、世界がその魔術現象を認識するまで、少なくとも数秒間は魔術を安定させなければならないの。新しい種類の魔術として認識されると、世界はその魔術の創造者に、それを引き起こすための言葉を与えるのよ」


ディナはゆっくりと人差し指を立てた。


「そうすれば、魔術師は使うたびに一からその魔術を形成して想像する必要がなくなるわ。完成した形にすぐにジャンプできるの」


「あとは、想像力を使ってその魔術の方向を制御するだけ。強くしたいなら、魔力を少し追加すればいい。すごく便利でしょう?」


僕はゆっくりと頷いた。


確かに、最初からプロセス全体を想像するよりもはるかにシンプルだ。


「それに……」ディナは続けた。「もし一から魔術を形成したら、例えば詠唱なしで『火球ファイアーボール』を作ったとするわよね。その結果は、呪文を使った火球と同じにはならないのよ」


「どうしてか分かる?」


「人によって火球の想像の仕方が違うから?」僕は推測した。


「正解」ディナは薄く微笑んだ。「人によって火球の想像する形は違うわ。大きさも、使う魔力の量も、さらには爆発の威力さえも違うかもしれない」


「でも、呪文を使えば、生み出される火球は常に安定しているわ。サイズも同じ、魔力の出力も計算可能、破壊力もはっきりと分かっている。呪文は、すべての魔術師が使えるように検証された鋳型テンプレートみたいなものなのよ」


「なるほど、やっと理解できたよ……」僕はその説明をゆっくりと消化しながら、小さく頷いた。


「理解してくれたならよかったわ」ディナは微笑み、草原の風に吹かれたピンク色の髪をかき上げた。「それじゃあ、呪文を唱える段階に進む前に、まずは基礎の土台をマスターしなきゃね。魔力操作から始めましょう。手のひらだけじゃなくて、腕や足の筋肉のネットワーク全体に魔力を流してみて。水が流れるようにエネルギーを感じるのよ」


僕はゆっくりと息を吸い込み、再びすべての意識を集中させようと試みた。


先生の指示はシンプルだ。腕と足の筋肉ネットワーク全体に魔力を流す。しかし、同時に四つの異なる方向へ動くエネルギーを制御するために集中力を分散させることは、一つの手のひらに集中させるよりもはるかに難しいことが分かった。


目を閉じる。


コアを感じろ』


心臓の近くの温かい感覚がゆっくりと脈打つ。その熱い点を、水門が開かれたばかりのダムだと想像する。ゆっくりと、そのエネルギーを外へ流し、先生が魔術神経と呼んだ目に見えない経路に沿わせた。


最初の流れを両足へと向け、太もも、ふくらはぎ、そして足の指先まで下ろしていく。次に、残りの流れを肩へ上げ、上腕、前腕を這わせて、握った拳に留まらせた。


「うっ……」押し殺したうめき声が唇から漏れた。


信じられないほど不快だった。筋肉が内側から無理やりポンプで膨らまされているような感覚。皮膚が熱くなり、血管を流れる血液が沸騰したお湯にすり替えられたかのようだ。鋭い痒みが全身を襲い、今すぐ全身を掻きむしりたくなったが、僕は無理やりじっと耐えた。


「耐えて、リアム。集中を乱さないで」


「魔力を安定させるのよ」


冷や汗がこめかみを伝い落ち始めた。そのエネルギーの流れを、閉じた電気回路だと想像する。電流のバランスをとらなければならない。足の電圧が高すぎたら下げる。腕が弱すぎたら、もっとエネルギーを押し込む。


少しずつ、その刺すような熱さと痒みが治まり始め、安定して絶え間なく流れる温かさへと変わっていった。体が奇妙な感じだった。とても軽いのに、同時にとてつもなく密度が高く頑丈に感じられる。


目を開ける。


周囲の世界が少し違って見えた。草の緑色がより鮮明に見え、風のざわめきがより詳細に聞こえ、呼吸するたびに異常なほどの効率で酸素をポンプで送り込んでいるのを感じることができた。


「手を握ってみて、リアム」ディナが僕の状態を見て満足そうに頷きながら命じた。


僕は彼女の言葉に従う。指を折り曲げて拳を作った瞬間……。


ボキッ。


指の関節の骨が鋭い音を鳴らした。それだけでなく、これまでの人生で持ったことのないほどの力が腕の筋肉繊維を引き締めるのを感じた。


『ヤバい……これは子供が持ってるはずの力じゃないぞ』


「じゃあ、次は」ディナは彼女の結界魔術バリア・マジックのドームの中にある空き地を指差した。


「ジャンプしてみて」


「ジャンプ? どのくらい高く?」


「好きなように。本能に従っていいわ。でも、踏み切る足に魔力を流し続けることは忘れないでね」


僕は頷いた。両膝を少し曲げ、足のエネルギーがバネとして機能する様子を想像する。全開の力は使わず、体の推進力の半分程度に留めた。


足を地面に踏み込む。


シュオォッ!


「うわああぁっ!」


僕は恐怖で目を丸くした。足元の地面が狂ったようなスピードで遠ざかっていく。僕の体は、大砲から撃ち出された弾丸のように垂直に空中に打ち上げられた。風が顔を乱暴に叩きつける。


ジャンプが高すぎたことに気づいた――空中に四メートル近くも飛んでいたのだ!


「ま、待って! これ、どうやって着地するの!?」空中でバランスを崩し、パニックになって叫んだ。腕と足が壊れた風車のようにめちゃくちゃに回転する。


「衝撃を吸収するために、足の裏に魔力を集中させて!」ディナが下から僕を見上げながら叫んだ。


僕は慌ててすべてのエネルギーの流れを足に移動させた。


ドスン!


草の上に強く着地した。足の魔力がダメージの大部分を吸収してくれたおかげで骨が折れることはなかったが、それでもバランスを崩した。体は後ろに倒れ込み、見事にお尻から地面に激突した。


「いてて、クソッ……」ズキズキと痛むお尻をさすりながら文句を言った。


僕の目の前では、ディナが口を覆い、体を震わせて笑いをこらえていた。「踏み切る時に足に魔力を送り込みすぎたのよ、リアム。でも、最初の挑戦にしては……すごく印象的だったわ! かなりの出力容量を持ってるみたいね」


「こんなにヤバいことになるなら、先生、先に言っておいてよ」僕は草の破片と汚れをズボンから払い落としながら立ち上がり、不満を漏らした。


ディナは近づいてきた。その顔からはまだ誇らしげな笑みが消えていない。

「それが魔力操作の真髄よ。この技術を使えば、身体的な欠点を補うだけでなく、自分の体を武器や盾に変えることができるの」


僕はゆっくりと頷き、体内のエネルギーの流れを再び安定させた。正しくマスターすれば、この身体強化の技術はこの世界での僕の最大の生命保険になる。たとえ追い詰められて拳銃の弾が尽きても、超スピードで逃げることができるのだ。


「よし、身体的なウォーミングアップはここまで」ディナは魔術杖を上げ、自分の手のひらを軽く叩いた。「自分の魔力の流れをコントロールできるようになったから、まあ、完全にマスターするにはまだまだ練習が必要だけど、とりあえず次のステップに進みましょう」


彼女の緑色の瞳が熱意に輝いた。


「呪文を使って、あなたの最初の魔術を唱えてみるわよ」


心臓が再び激しく鼓動し始めた。『ついに来た。僕が一番待ち望んでいた瞬間だ』


「さっきの魔術紙で証明されたように、あなたは風、火、水の属性を持っているわ」ディナは僕を真っ直ぐに見つめて言った。「まずは水属性から始めましょう。さっき詠唱なしで具現化するのに失敗したばかりだから、この世界の言語の『殻』を使った場合、どれくらい違いが出るか見てみましょう」


ディナは少し咳払いをして、姿勢を正した。


「よく聞いて、私の発音を真似てね。水属性の基礎魔術『水球ウォーター・ボール』の詠唱よ。呪文は……」


彼女は少し間を置き、唇から出るすべての音節を強調した。


『「眠れる露よ、我が掌に集い、流れるティルタを現出せよ」』


僕は眉をひそめ、その一連の言葉を頭の中で繰り返した。


『眠れる露よ、我が掌に集い、流れるティルタを現出せよ』


「なんだか……少し詩的だね」と僕はコメントした。


「そういうものなのよ」ディナはクスクスと笑った。「言ったでしょ? その言葉は、あなたが呼び出したい現象を表しているの。さあ、その詠唱を繰り返して。でも今度は、詠唱しながら右の手のひらに魔力を流し込んでね。さっきみたいな複雑なプロセスは考えなくていい。その言葉に骨組みを作らせるの。あなたの想像力の仕事は、その水球の大きさと、それをどこに撃ち出すかを決めることだけよ」


僕は頷いた。深呼吸をして肩の筋肉をリラックスさせ、右手を真っ直ぐ前に突き出し、ドームの中の何もない空間に向けて手のひらを広げた。


胸の魔力を集中させ、それを手のひらへと押し出す。それと同時に、ディナが教えてくれた言葉を口にし始めた。


『眠れる露よ……』


手の前の空気が波打ち始めた。毛穴から出てくる魔力が、目に見えない何かに抑えられているのを感じた。まるで、僕の言った言葉が空中に透明なガラスの器を築き上げているかのようだ。


『……我が掌に集い……』


クリスタルブルーの水滴が何もない空中に現れた。今回は、以前試した時のような荒々しさや波乱はなかった。水は素直に集まり、詠唱によって作られた目に見えない「器」を満たすように流れていく。


『……流れるティルタを現出せよ』


シュオォォッ。


そして、その水はゆっくりと水球を形成し、僕の掌の前で安定して浮かび上がった。


大きさはメロンくらいだ。表面は滑らかで、水滴一つこぼすことなく安定して回転している。冷たくて湿った感覚がその球から放たれていた。


「すごい……」僕は驚嘆して呟き、水面に映る自分の顔を見つめた。


これは全く違う。とてもしっかりしているように感じる。さっきは今にも爆発しそうな水風船を持っている気分だったが、今は自分の意志に完全に従う固体を持っているように感じられた。


「一発で成功したわね、リアム!」ディナは嬉しそうに手を叩きながら褒めた。「本当に飲み込みが早いわ。さあ、今度は想像力を使って。その水球を前へ発射しろと命令するの。この結界バリアに向けて撃ちなさい!」


僕は目の前の透明なドームを見つめた。


『よし。どれくらいの破壊力があるか見てみよう』


僕は想像力を強めた。この水球が大砲の弾のように一直線に飛んでいき、高い圧力で目標に激突する様子を思い描く。


「行け!」僕は叫び、手のひらを少し前に押し出した。


シュッ!


水球は僕が驚くほどのスピードで空気を切り裂いて飛んでいった。


バーン!


水はディナが作った結界魔術の表面に激しくぶつかった。衝突音は、巨大な水風船がガラスの壁に投げつけられた時のように聞こえた。水は四方八方に飛び散り、その後草の上に落ちて、空気に湿り気だけを残した。


僕はまだ冷たさを感じる自分の手のひらを見つめた。


「推進力は悪くない」僕は顎を撫でながら分析した。

「でも、破壊力はごくわずかだ。これじゃ敵をずぶ濡れにするか、胸にまともに当たれば少し後ずさりさせるくらいにしかならない」


「それが普通よ、リアム。これは水属性の基礎魔術だもの。主な目的は致命的な攻撃をすることじゃないわ」ディナが前に進み出て、再び僕の横に立った。


「大抵の場合、魔術師や冒険者は『水球ウォーター・ボール』を手を洗ったり、水の蓄えがなくなった時の飲み水にしたり、小さな火を消したりするのに使うのよ。もし致命的な水魔術を使いたいなら、中級魔術を学ばなきゃ駄目ね」


『ユーティリティ(便利)魔術か。どうりでその程度の威力なわけだ』


思考が再び激しく回転し始めた。僕は地面に染み込んでいく残った水を見つめた。


『ちょっと待て。ディナは、詠唱が安定した骨組みを作ると言った。そして、僕の想像力の役割は、サイズや圧力、射撃方向など、その骨組みを修正することだと』


元の世界の現代科学の文献から純粋に導き出された、ある狂ったアイデアが脳裏をよぎった。


「ディナ先生」僕は真剣な顔で彼女の方を向いて呼んだ。


「何?」


「もしもう一度『水球』を唱えたら……想像力を使ってその物理的性質を変更してもいいかな? 詠唱で初期の形さえ安定させれば、あとは自由に制御できるって先生言ったよね?」


ディナは少し混乱したように眉をひそめた。

「理論上は、そうね。魔力を多く注ぎ込めばサイズを大きくできるし、弾速を速くすることもできるわ。いったい何をするつもり?」


僕は答えなかった。唇に薄い笑みが浮かぶ。


『もしこの基礎レベルの水属性魔術が、その鈍い性質のせいで致命的でないのなら……その挙動を極端に操作したらどうなるだろう?』


『水は圧力が集中していないから切断することはできない。でも地球には、ウォータージェットカッターという技術がある。極小のノズルから数万PSIの圧力で噴射された水は、厚い鋼板すら切断できるんだ』


『さっきの僕の魔術に足りなかったのは、想像力の修正だけだ!』


僕は再び右手を前に伸ばした。


『眠れる露よ、我が掌に集い、流れるティルタを現出せよ』


シュオォォッ。


メロンほどの大きさの水球が、再び僕の手のひらの前に具現化した。


「また呼び出したの?」ディナは僕を注意深く観察しながら呟いた。


僕は目を閉じた。水球にさらに多くの魔力を流し込み、以前よりもはるかに大きく、そして濃密にする。


『待てよ。まずはサイズを変えよう。メロンほどの大きさの水の体積は、最大限に圧縮するには大きすぎる。質量の大部分を捨てなければならない』


ゆっくりと、水球の体積が劇的に縮小し、テニスボールほどの大きさしか残らなくなった。余分な水は滴り落ち、足元の草を濡らす。


「水が減った? どうして小さくしたの、リアム?」ディナが混乱して尋ねた。


『これで十分だ』


僕は全想像力を集中させ、その水球が四方八方から強制的に圧縮され、水質量が絞り上げられて限界まで高密度化される様子を思い描いた。


「リ、リアム? 何をしてるの? 魔術の形が……不安定に震えてるわ!」ディナの声がパニックに変わった。


僕は目を開けた。


目の前の水球は今や劇的に収縮し、以前よりも少し小さくなっていた。おそらく元の形の三十パーセントほど体積が減っている。


水はそれほど極端には圧縮できないが、それは問題ではない。


この密度なら、内部の圧力はおそらく数十万PSIに達しているはずだ。もし発射すれば、その速度は音速の七、八倍に達するかもしれない。あの結界バリアを破壊するには十分すぎる威力だ。


僕の観察によれば、ディナの結界は一点に集中した攻撃に耐えるようには設計されていない。広範囲の攻撃に耐えるために作られたものだ。


水球はもはや透明な青色ではなかった。

濃いダークブルー、ほとんど黒に近い色に変わっていた。


表面は恐ろしい速度で回転し、周囲の空気まで巻き込んで、電動ドリルのような甲高い唸り声を上げている。


『あの結界を貫くためには、すべての破壊力を一点に集中させなければならない』


『空気抵抗を最小限に抑え、貫通力を最大限に高めるために、空気力学的なエアロダイナミクスにしなければ』


僕は再び形を修正した。


水の球体は徐々に、現代の尖頭弾スピッツァー弾丸の形へと変化していった。目標に当たった時に簡単に砕けないよう、先端は少し鈍くし、側面はドリルの刃のように互いに逆方向に回転するギザギザの溝のような形にした。


ギィィィン……!


唸り声がさらに大きくなる。


発射体の周囲の空気が震え始めた。


「リアム! 今すぐやめなさい!」ディナは一歩後ずさりしながらパニックになって叫んだ。


「その水の中の魔力密度は全く異常よ! 基本的な呪文の構造を無理やり変えているわ!」


「黙って見てて」僕は視線を外さずに低い声で言った。


『最大圧力で圧縮。回転を一点に集中!』


『そして、撃て!』


シュオォォォォォッ!!!


水が弾ける音はしなかった。

代わりに聞こえたのは、空気が鋭く引き裂かれる音だった。


弾丸の形をした水の発射体は真っ直ぐに前へ飛び出し、ダークブルーの閃光のように視界から消え、ディナの透明な結界魔術の表面に激しく激突した。


ズガガガガッ!


耳をつんざくような鋭い摩擦音が空中に爆発した。


今回は、水の発射体は最初のテストの時のように砕け散ることも、飛び散ることもなかった。猛烈な速度で回転する鈍い先端が、魔術の防御壁の表面に直接穴を開けようとドリルで削っていく。


六角形の青いドームの表面は不規則に明るく点滅し、超高圧の水の弾丸の貫通力になんとか耐えようとしていた。接触点はまばゆい火花を散らす。


パァァァン!


巨大なハンマーで叩き割られた窓ガラスのように、魔族の破壊的な魔術攻撃に耐えられるよう特別に設計されたはずのディナの結界魔術は……大きくひび割れ、そしてバラバラに砕け散り、空中で青い光の破片となって消え去った。


僕の水の弾丸は、破壊された防御壁の残骸を何の抵抗もなく突き抜けた。発射体は草原を数十メートル一直線に飛び、遠くの木の幹に見事に命中した。


ドガァァン!


大人の太ももほどの太さの木が激しく揺れ、葉が落ちた。


木の幹の中央に、小さな穴が綺麗に開いていた――前面から裏側まで、滑らかに貫通した穴だった。


静寂。


草原の風が吹き抜け、消え去った結界魔術の光の破片を散らしていく。


僕は魔力の摩擦で少し煙を上げている自分の手のひらを見つめ、それから遠くの穴の開いた木を見た。


『魔術版……ウォータージェットカッター。破壊力が常軌を逸してる』


『いや、これはもうウォータージェットじゃなく、ウォータージェットの原理で撃ち出された「水弾ウォーター・バレット」だ』


僕はゆっくりと体を回し、氷の彫像のように凍りついているディナを見た。魔法使いの帽子が少し傾いている。緑色の瞳は大きく見開かれ、信じられないというように顎を落とし、今や草の上で黒焦げの木のブロックになってしまった彼女の保護魔道具の残骸を見つめていた。


「ディナ先生……?」僕は恐る恐る声をかけた。


ディナの肩が震えた。彼女は僕の方を向いた。


その眼差しには、信じられないという思いと、驚嘆が入り混じっていた。


「基礎レベルの水属性魔術が……魔族の高度な魔術を防ぐために特別に設計された結界魔術を破壊した……? たった一発の発射体の攻撃で粉々に……?」


「たとえそれが基礎レベルの結界魔術だったとしても……信じられないわ」

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