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★救難信号と空から来た手

一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿しました。


この章は【第零章】パート②です。前回、完結した時には作ってなかった物語です。


【第零章】の続きで、ダイヤたちのルミナス号が、ルビィたちのルミナール号に救助されるまでの空白の約2〜3ヶ月ほどの間のルミナス号のお話です。


このEpisodeは、【第一章】 継がれる名、選ばれし者のEp17.☆月影の救難信号(前編)とリンクしています。読み比べてもらえると嬉しいです。


今回でエピーソード オブ ルミナスは終わりです……が、酸性雨の惑星と、自然衛星ルナスの間に、もう一つ惑星に行ってる予定で、物語を作ってました。

後日に【断章①】にて、執筆します。


配信。

平日は朝6時に1話配信します。

土日祝は夜20時に1話配信します。



「」人のセリフ


()心の声


『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。


※私の小説のルールです。


楽しんでもらえると嬉しいです。

 ルミナス号のレーダーに映る、一つの光点。

 ゆっくりと――確実に、こちらへ近づいてくる。


 ダイヤが息を呑む。

「……来てる」


 サイモンが顔をしかめる。

「救難信号、ちゃんと届いたな」


 レオはすぐに外を確認する。

「だが、あの高度はまずい」


 ダイヤが振り向く。

「え?」


 レオは短く言う。

「あれ以上降りれば、“やつ”の縄張りに入る」


 サイモンも頷く。

「あのモジャモジャ、確実に落とすな」


 ダイヤがすぐに言う。

「無線で知らせる!」


 レオが即座に止める。

「……あ、ダメだ」


 ダイヤが固まる。

「え?」


 レオは淡々と言う。

「救難信号の修理に、無線の部品を使った」


 サイモンが顔をしかめる。

「詰んでるじゃねぇか」

 一瞬の沈黙。


 ダイヤはすぐに走り出した。

 サイモンが叫ぶ。

「ちょっ――ダイヤ!?」


 ハッチを開ける。

 ダイヤは外へ飛び出す。

 そして、両手を大きく振りながら、全力で叫んだ。

「近づくな、ここから離れて!」


 サイモンが呆れる。

「いや無理だろ、聞こえるわけ――」


 そのとき。

 光点が、止まった。

 三人の動きが止まる。


 サイモンがぽつりと呟く。

「……え?」


 ダイヤも目を見開く。

「止まった……?」


 レオが静かに言う。

「偶然か……?」


 ダイヤの視線が、船体に向く。

 小さく書かれた文字。

 ダイヤが読み取る。

「Luminal……ルミナール」


 サイモンが振り向く。

「なんだって?」


 ダイヤがはっきり言う。

「リトス銀河の文字……同じ銀河の船だよ」


 レオの目が鋭くなる。

「……味方の可能性が高いな」


 しばらくして。

 その船から、一つの影が切り離される。

 背部に推進ユニット。

 女性が単独でこちらへ向かってくる。


 サイモンが感心したように言う。

「……あの怪物いるのに、よく来るな」


 レオはすぐに言う。

「重力と酸素の情報、伝えないと――」

 だが手段はない。

 女性は迷いなく接近し、そのまま――静かに、降り立った。


 レオはすぐに声をかける。

「この自然衛星……空気があるんだ」


 女性は軽く頷き、ハッチから入ってきた。

 一拍。


 女性が言う。

「救助に来た。動ける?」


 ダイヤは首を振る。

「この高度まで船を下ろすと……“あれ”が来るの」


 その瞬間。

 地面が、わずかに揺れた。


 サイモンが振り向く。

「……来たぞ」

 白い巨体が、ゆっくりと動き出す。


 女性はすぐに反応する。

 無線で何か話している。


 次の瞬間。

 上空から、別の影が飛び出した。

 バイク型のマシーン。

 高速で突っ込み、そのまま怪物の周囲を旋回する。


 女性が叫ぶ。

「おい、無茶ーー!」


 バイクは怪物の目前をかすめる。

 挑発するように。

 怪物の視線が、そちらへ向く。


 ダイヤが息を呑む。

「……引きつけてる」


 その隙に――

 もう一機。

 別のバイクが一直線に接近する。

 男性がルミナス号まで来て、指示を出す。

『助けに来ました、男性二人は私のバイクに乗ってください、三人でも構造上は大丈夫です』

 間髪入れず続く。

『ルビィさんは、女性を抱えオービタル・ムーバーで向かってください』

 女性が頷いた。

 そして、話し始める。

「私たちの仲間が怪物の気をそらしてる間に私たちの船に行きます」

 距離を測る。

 怪物は、まだバイクに気を取られてる。


 女性が叫ぶ。

「今!」


 レオが即座に動く。

「サイモン、行くぞ!」

 サイモンが飛び乗る。

「おう!」

 レオも続く。

 後部座席に乗り込み、男性の体に触れる。

(……ん?硬いな)

 一瞬の違和感。

 だが、考える暇はない。


 バイクが急加速する。

 背後で、怪物が動く。

 しかし――遅い。


 女性がダイヤを抱え、別ルートへ離脱する。

 交差する軌道。

 寸分の狂いもない連携。


 サイモンが思わず言う。

「……すげぇな」


 レオは短く返す。

「ああ」


 そして――

 三人は、無事に回収された。

 救助に来た船の格納ハッチが閉じる。


 静寂。

 ダイヤが息を吐く。

「……助かった」


 サイモンが笑う。

「ほんとにな」


 レオは静かに前を見た。

「……あの連携、ただ者じゃない」


 クレーターの影。

 壊れたルミナス号。

 そして――

 白い番人を残して。

 彼らは、新たな船へと移った。


 格納庫の中には、低く唸る機械音だけが満ちていた。

 天井の照明はところどころで強く光り、金属の床を明るくくっきりと照らしている。


 女性が振り返り、短く告げる。

「ブリッジはこちらです。ついてきてください」


 三人は無言のまま、先導する男女の後ろを歩き出す。

 足音だけが、やけに大きく響いた。

 やがて重い扉が開き、三人はブリッジへと足を踏み入れる。


 少し離れた場所では、助けに来た女性が背を向けたまま無線を続けていた。

 抑えた声の奥に、緊張だけがにじんでいる。


 その声を背に、三人は小さく息をついた。

 サイモンが声を潜めて言う。

「……なぁ」


 ダイヤが小さく返す。

「うん?」


 サイモンはちらっと外を見てから言う。

「あの三人、動きやばくなかったか?」


 レオも小さく頷く。

「ああ。判断も速い」


 サイモンが続ける。

「連携も完璧だしな。あの短時間で、あの動きは普通じゃねぇ」


 ダイヤは別の方向を見ていた。

 船内の装置。

 見慣れない機構が、いくつも並んでいる。

 ダイヤは小さく呟く。

「……すごい」

 二人が視線を向ける。


 ダイヤは装置を見たまま言う。

「ルミナス号って、最先端の塊みたいな船でしょ?」


 サイモンが頷く。

「まぁな」


 ダイヤは少し楽しそうに続ける。

「でも、この船……私の知らないものがいくつもある」


 レオが目を細める。

「……技術体系が違うな」


 ダイヤは静かに頷く。

「うん。全然違う」


 サイモンが苦笑する。

「助けられた側だけど、ちょっと悔しいな」


 ダイヤがくすっと笑う。


 その空気の中で――

 レオが低く言う。

「……もう一つ」

 二人が見る。


 レオは声をさらに落とす。

「さっきの男だが」


 サイモンが首を傾げる。

「バイクの?」


 レオは頷く。

「ああ。触れたとき……違和感があった」


 ダイヤが真剣な顔になる。

「違和感?」


 レオは短く言う。

「人間じゃない」

 一瞬、空気が止まる。


 サイモンが小さく笑う。

「いやいや、さすがに――」


 レオは首を振る。

「筋肉の硬さじゃない。構造が違う」


 ダイヤが静かに言う。

「……アンドロイド?」


 レオは続ける。

「あるいは、サイボーグ」


 サイモンが口を閉じる。

 軽い冗談の空気が、消える。


 ダイヤはもう一度、船内を見渡す。

「……納得」

 小さく呟いた。


「――了解、戻ってきて」

 女性の無線が終わる。


 しばらくの静寂。


 ほんの一瞬、張り詰めた空気が残る。


 そのとき――

 ハッチが開く。


 勢いよく入ってきた影。

 息を整えながら、その女性が言った。

「ただいま――って、何この空気」


 一瞬の間。


 そして――

 張り詰めていた緊張が、ふっと緩んだ。


―――――


 続きは、【第一章】 継がれる名、選ばれし者のEp18.☆月影の救難信号(後編)へ。


私からのお願い。

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