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★砂の下の秘密と、ちょっとヤバい雨

一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿しました。


この章は【第零章】パート②です。前回、完結した時には作ってなかった物語です。


【第零章】の続きで、ダイヤたちのルミナス号が、ルビィたちのルミナール号に救助されるまでの空白の約2〜3ヶ月ほどの間のルミナス号のお話です。


配信。

平日は朝6時に1話配信します。

土日祝は夜20時に1話配信します。


「」人のセリフ


()心の声


『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。




※私の小説のルールです。




楽しんでもらえると嬉しいです。

 視界がぐるりと反転した。

「うわあああああああっ!」

 ダイヤが叫ぶ。

 足場が消え、体がふわりと浮いたかと思うと、そのまま真っ逆さまに落ちていく。


「ダイヤ、姿勢を――!」

 レオの声が飛ぶが、その途中で空気が抜けるような感覚。


 ドサッ、と鈍い音とともに、二人の体が砂の中へ沈み込んだ。

 ――だが。


「……あれ?」

 ダイヤはゆっくり目を開ける。

 そこは、砂の中ではなかった。

 広い空洞。


 天井は丸く抉られ、壁面は滑らかに削られている。


 そして――

「……なんか、キラキラしてない?」

 ダイヤが周囲を見回す。


 壁や地面のあちこちに、黄色がかった鉱石がびっしりと埋まっていた。光を反射し、淡く輝いている。


 レオがゆっくりと立ち上がる。 「ここは……巣か。さっきの巨大生物の」


「やっぱり?それっぽいよね」

 ダイヤはすぐにしゃがみ込み、鉱石に手を伸ばした。

「うわ、これ……綺麗。しかも、ただの石じゃないね」


 指先で欠片を軽くこじる。

 パキッ、と小さく割れ、薄い破片が取れた。

「サンプル確保っと」

 ダイヤは満足そうにそれをポーチに入れる。


「……お前、落ちてすぐそれか」  レオは呆れたように言う。


「だって調査だし?」

ダイヤはあっけらかんと返す。


 そのとき、首元の通信機が軽くノイズを鳴らした。

『おーい! 二人とも無事か!?』

 サイモンの声。


「ゴリにぃ!」

 ダイヤがすぐに反応する。

「大丈夫、生きてる!」


『ほんとか!?今どこだ!?』


 レオが冷静に答える。

「地下だ。巨大生物の巣と思われる空洞に落ちた」


『は!? マジかよ……』


「ゴリにぃ、今の位置から穴、見える?」

 ダイヤが聞く。


『見えない。落ちた場所はわかる……どうする?』


 レオが周囲を見渡す。

 壁は滑らかで、登れるような凹凸はほとんどない。

「……ロープの先に重りをつけて降ろせ。機体に戻って装備を持ってきてくれ」


『了解、すぐ行く!』

 通信が一度切れる。


 ダイヤは壁を軽く叩きながら言う。

「しかしこれ、完全に採掘場だね。あの子、掘って集めてたのかな」


「巣材か、餌か……どちらにしても未知だな」

 レオは短く答える。


 数分後。

 サイモンは肩に太いロープを担いで戻ってきた。

 さらに、片手には無骨な金属塊――機材の一部。


 ロープの端に金属機材を結びつける。

「投げるぞ」

 サイモンは大きく振りかぶり――

「おらっ!」

 ゴォッ、と風を切る音とともに、重りを投げ込んだ。


 ズボッ、と。

 砂が音もなく沈み、重りとロープが吸い込まれていく。


「……入ったな」

 サイモンはロープをぐっと握る。

『来た来た!ロープ来た!』

 通信機からでも、ダイヤの声が明るくなるのがわかる。


『ちゃんと下まで来てる。ナイスだ』

 レオが短く言う。


「だろ?」

 サイモンは少しだけ得意げに言った。


『じゃあ、私から行くね』

 通信機からのダイヤの声。


「小さい方からか。正解だ」

『小さいって言うな』

「事実だろ」

『あとで覚えてろ』

 軽口を叩きながら、ダイヤはロープを掴む。

『よし……引いていいよ』

「おう」

 サイモンはロープを引き始めた。

 ギリ、ギリ、と砂の抵抗を感じながらも、ゆっくりと引き上げていく。

「……結構、重いな」

『失礼だな!?』

「いや砂だよ」

『あ、そっち!?』


 そんなやり取りをしながら――

 ズボッ、と。

 ダイヤの頭が砂から飛び出した。

「ぷはっ!!」

 全身砂まみれのまま、勢いよく息を吐く。

「……なんか、砂風呂の上位互換みたいだった」


「そんな感想いらん」

 サイモンはそのまま引き上げ、地面に転がす。


『次、俺だ』

「おう」

 再びロープを投げ込む。そして、ロープをレオが強く握る。

『サイモン、引いていいぞ』


 今度は重量が明らかに違う。

「……重っ」

『誰が重いだ』

「お前だ」

『否定しろ』


 ギリギリと音を立てながら、サイモンは腕に力を込める。

「くっ……!」

 筋肉が軋む。

 だが――

「よっ……と!!」

 ズボォッ!!

 レオが砂をぶちまけながら引き上げられた。

 そのまま地面に転がる。

 レオの額から砂と一緒に汗が流れる。

 三人はしばらくその場に座り込んだ。


「……で、下どうだった?」

 サイモンが聞く。


 ダイヤはポケットから小さな欠片を取り出した。

 黄色く光る鉱石。

「これ、いっぱいあった」


 レオが空を見上げる。

「……なあ、空暗いな」

 黒い雲が広がり、空気が重くなっていた。


 ぽつり、と何かが頬に当たる。

「……雨?」

 ダイヤが指で触れる。


 次の瞬間。

「……ちょっと待って、これ」

 ジュッ、と微かな音。

「え、痛っ」


 レオが即座に反応する。

「酸性か」


「マジかよ!」

 サイモンが声を上げる。


「これは長時間はまずいやつだね」

ダイヤが真面目な声になる。


「これ、普通に溶けるタイプだ」

「撤収だ。すぐ戻るぞ」

 レオが即断する。

「サンドランナーまで走るぞ! 急げ!」

 三人は全力で走る。


 雨は次第に強くなり、砂に小さな煙のような反応が広がっていく。

「うわ、これ本格的にヤバいやつ!」

 ダイヤが叫ぶ。


「そうだな、戻ったらすぐに出航だ!」

 レオが同意する。


 三人はサンドランナーに飛び乗る。

「全員乗ったな!?」

 サイモンが確認する。


「出して!」

 ダイヤが叫ぶ。

 エンジンが唸りを上げ、機体が砂の上を滑るように加速する。


 そのままルミナス号へ。

 ハッチが開き、三人は飛び込む。

 内部に入った瞬間――


「……はぁ……」

 ダイヤがその場に座り込む。

「なんとか生還、っと」


 サイモンが笑う。

「今回もなかなかハードだったな!」


 レオが小さく息を吐く。

「……調査任務のはずなんだがな。いつから生存訓練になった」


 ダイヤが顔を上げる。砂まみれのまま、ニヤッと笑った。

「でもさ――楽しいでしょ?」

 一瞬の間。


 レオはダイヤを見て、わずかに口元を緩めた。

「……否定はしない」


 サイモンが頷く。

「むしろ退屈しねぇな、この任務」

「でしょ?」

 ダイヤは得意げに言う。

「船長の方針です」


「方針で命削るな」


 三人は、同時に小さく笑った。

 ――そのとき。

 雨がさらに激しくなり、ハッチに当たる音がする。


 レオがすぐに表情を引き締める。

「ダイヤ、出航だ。この酸性雨、船体にもダメージが蓄積する」


「了解、船長命令優先!」


「お前が船長だろ」


「細かいこと気にしない!」

 ダイヤが立ち上がり、駆け出す。


 ハッチが閉まる。

 ルミナス号は静かに浮上し――やがて加速する。


 酸性の雨を振り切りながら、  三人を乗せた船は、再び空へ。

 次の未知へ向かって。


私からのお願い。

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★★★★★の評価と、ブックマークなどお願い致します。

感想などもお待ちしてます。


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