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★砂の罠と消える二人

一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿しました。


この章は【第零章】パート②です。前回、完結した時には作ってなかった物語です。


【第零章】の続きで、ダイヤたちのルミナス号が、ルビィたちのルミナール号に救助されるまでの空白の約2〜3ヶ月ほどの間のルミナス号のお話です。


配信。

平日は朝6時に1話配信します。

土日祝は夜20時に1話配信します。


「」人のセリフ


()心の声


『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。




※私の小説のルールです。




楽しんでもらえると嬉しいです。

 サンドランナーは減速し、目標地点の上空で静止した。


 砂の海の中央。

 レーダーに映っていた“それ”は、すぐに視認できた。


 ダイヤが眉をひそめる。

「……なに、あれ」


 レオが静かに言う。

「生命反応、あの中心部だ」


 サイモンが覗き込む。

「中心……って、あの穴か?」


 そこには――

 巨大な窪地。

 まるで砂でできたすり鉢状の穴が、ぽっかりと口を開けていた。


 その中央。

 うごめく影。

 ゆっくりと、姿を現す。

 長い体。

 節のある胴。

 無数の脚。

 それでいて、全体は膨らんだように太く、さらに――

 体表は、毛のようなものに覆われていた。

 ざわざわと、砂を掻く音。


「……ムカデ?」

 ダイヤが呟く。


 サイモンが首を振る。

「いや、ムカデを太らせて、さらに毛を生やした感じだな」


 レオが淡々と分析する。

「巨大節足生物……蟻地獄型の捕食構造」


 ダイヤが少し楽しそうに言う。

「つまり、砂トラップってこと?」


「……笑うとこか?」

 サイモンが言った、その瞬間。

 ズルッ。

「うおっ!?」

 サイモンの足元が崩れた。


 砂が流れる。

 一気に、内側へ引き込まれる。

「ちょっ、待て!」

 サイモンの体が滑る。

 ズズズッと、斜面を落ちていく。


「ゴリにぃ!」

 ダイヤが叫ぶ。


 レオが即座に飛び出す。

 二人は同時に、斜面へ踏み込む。

 だが――

 足場が悪い。

 踏ん張るたびに、砂が崩れる。

「くっ……!」

 レオが歯を食いしばる。


 サイモンが手を伸ばす。

「引き上げろ!」


 ダイヤが身を乗り出す。

「掴んで!」


 ガシッ。

 手が繋がる。

 だが、重い。

 引き上げようとするほど、砂が流れる。

 ズズズッ――


「まずい、引っ張られる!」

 ダイヤが叫ぶ。


 レオが踏み込む。

「耐えろ!」


 その間にも――

 巨大な虫が、ゆっくりとこちらへ向かってくる。


 砂を掻き分けながら。

「来てる来てる!」

 ダイヤが言う。


 サイモンが顔をしかめる。

「ヤバい、食われる!」


 レオが短く言う。

「一気に引くぞ!」


「せーの!」

 三人の力が重なる。

 ズルッ――

 サイモンの体が、引き上げられる。

 そのまま――

 ゴロゴロと斜面を転がり、外へ脱出した。


「……はぁ……」

 サイモンが大の字になる。


 ダイヤも息を吐く。

「危なかった……」


 レオが後ろを振り返る。

 巨大な虫は、すぐそこまで来ていた。

 だが――

 それ以上は、来ない。

 ゆっくりと、中央へ戻っていく。

 まるで、一定の範囲から出る気はないかのように。


「……あれ?」

 ダイヤが首を傾げる。


 サイモンが起き上がる。

「追ってこないな」


 レオが分析する。

「縄張り型だ。捕食範囲から外れれば追わない」


 ダイヤが笑う。

「意外とおとなしいじゃん」


 サイモンが呟く。

「見た目で損してるタイプだな」


 レオが短く言う。

「近づかなければ問題ない」


 三人は距離を取り、サンドランナーへ戻ることにした。


 その途中――

 ダイヤが足を止める。

「……あれ、何?」


 少し離れた場所。

 砂の上に、淡く光るものが見えた。


 レオが視線を向ける。

「……鉱物か?」


 サイモンが近づく。

「珍しいタイプかもな」


 三人は、慎重に近づく。

 光る石。

 砂の中に半分埋まっている。


 ダイヤがしゃがみ込む。

「これ、サンプルに――」


 その瞬間。

 ズルッ。

「え?」

 足元が沈む。

 砂が、崩れる。

「ちょ、これ――」

 ダイヤの体が、一気に沈む。


「ダイヤ!」

 レオが手を伸ばす。

 だが――

 ズズズッ!!


 流砂。

 下へ、引き込まれる。

「掴め!」

 レオが飛び込む。

 ダイヤの腕を掴む。


 その瞬間――

 レオの足元も崩れた。

「っ……!」

 二人まとめて、沈む。


 サイモンが叫ぶ。

「待て、今――!」


「来るな!」

 レオの声が、鋭く響く。

 一瞬の間。

「……巻き込まれる」

 短く、強く。

 その言葉だけを残して――


 二人の体が、砂の中へ消えていく。


「レオ!! ダイヤ!!」

 サイモンが手を伸ばす。

 だが――

 届かない。


 砂はすぐに、元の形へ戻る。

 何事もなかったかのように。

 静寂。


 ただ、風だけが砂を揺らす。

 サイモンは、その場に立ち尽くしたまま――


 一人、残された。


私からのお願い。

もしも、気にっていただけたら

★★★★★の評価と、ブックマークなどお願い致します。

感想などもお待ちしてます。


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