★慣れと、その先にあるもの
一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿しました。
この章は【第零章】パート②です。前回、完結した時には作ってなかった物語です。
【第零章】の続きで、ダイヤたちのルミナス号が、ルビィたちのルミナール号に救助されるまでの空白の約2〜3ヶ月ほどの間のルミナス号のお話です。
配信。
平日は朝6時に1話配信します。
土日祝は夜20時に1話配信します。
「」人のセリフ
()心の声
『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。
※私の小説のルールです。
楽しんでもらえると嬉しいです。
その後も、三人の調査は続いた。
ルミナス号はその惑星にしばらく滞在し、観測とサンプル回収を進めていく。
恐竜たちは相変わらず気性が荒く、何度も何度も姿を現した。
小型は群れで襲いかかり、中型は縄張りを主張するように距離を詰めてくる。
だが――
最初の頃のような混乱は、もうない。
動きは洗練され、連携も噛み合っていた。
レオが牽制し、サイモンが押し返し、ダイヤが隙を抜ける。
それはもはや“戦闘”というより、“作業の一部”になりつつあった。
もっとも――
完全に油断できる環境では、なかったが。
ダイヤは、その後さらに二度ほど“食べられかけた”。
そのたびに――
「またか!」
サイモンが引きずり出し、
「学習しろ!」
レオが短く言い、
「いや不可抗力!」
ダイヤが即座に返す。
そんなやり取りを挟みながら、なんとか切り抜けていく。
滞在は、約一〇日。
その間に、天候の変化も確認された。
雨は二日ほど。
そのうち一度は、激しい雷雨となった。
空を裂くような稲光。
叩きつけるような雨音。
だが――
それすらも、どこか見慣れたものだった。
「……環境的には、地球とあまり変わらないね」
ダイヤが空を見上げながら言う。
サイモンが腕を組む。
「違うのは、周りだけだな」
レオが淡々と補足する。
「生態系の密度が異常だ」
ダイヤがふと思い出したように言う。
「そういえばさ」
一拍。
「全部の個体の口の中に入ったわけじゃないけど」
レオが静かに言う。
「前提がおかしい」
サイモンが続く。
「普通は一回も入らん」
ダイヤは気にせず続ける。
「でもね、もしかしたら肉食じゃないかも」
二人がわずかに視線を向ける。
「歯の形が、あんまり肉食っぽくなかったんだよね」
レオが考えるように言う。
「……確かに、裂く形状ではなかったな」
ダイヤがうなずく。
「うん。かなり草食寄りの雑食って感じ」
サイモンが納得する。
「ここ、草木多いしな」
ダイヤが笑う。
「食べ物に困らないなら、そっちの方が合理的だよね」
レオが短くまとめる。
「捕食優先ではない可能性が高い」
そのとき。
サイモンが、ふと視線を遠くへ向けた。
「……なぁ」
低い声。
「今、あの山……動かなかったか?」
ダイヤとレオが同時に顔を上げる。
遠方。
地平線の向こうに見える、大きな影。
三人は、じっとそれを見つめる。
風が草を揺らす。
時間が、ゆっくりと流れる。
そして――
動いた。
ずるり、と。
まるで大地そのものが、位置を変えたかのように。
「……え?」
ダイヤが声を漏らす。
レオの目が細くなる。
「あれは……」
サイモンが低く言う。
「恐竜……か?」
だが、その“規模”は――
明らかに、これまでとは違った。
大型恐竜を、さらに上回る巨体。
もはや“生物”というより、“地形”に近い。
ゆっくりと、しかし確実に動いている。
ダイヤがぽつりと呟く。
「……あれは、やばいね」
サイモンが同意する。
「間違いなくな」
レオが即座に判断する。
「距離はあるが……関わるべきではない」
ダイヤが苦笑する。
「うん、それは全会一致でいいと思う」
サイモンが頷く。
「撤収だな」
三人は、その場を離れる判断を下した。
その後――
地点を移動しながら、調査を継続。
データを集め、サンプルを回収し、記録をまとめていく。
そして――
約一四日間の調査を終えた。
ルミナス号のハッチが閉じる。
エンジンが静かに唸る。
ダイヤが前を見据える。
「次、行こうか」
レオが操作に入る。
「次の座標、設定済み。行き先はサイモンが選んだ惑星だ」
サイモンが軽く息を吐く。
「今度は平和なとこだといいな」
ダイヤが笑う。
「恐竜がいなければ良いよ」
ルミナス号は、ゆっくりと浮かび上がる。
そして――
未知の次の惑星へと、飛び立った。
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