★飲み込まれる前に
一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿しました。
配信。
平日は朝6時に1話配信します。
土日祝は夜20時に1話配信します。
この章は【第零章】パート②です。前回、完結した時には作ってなかった物語です。
【第零章】の続きで、ダイヤたちのルミナス号が、ルビィたちのルミナール号に救助されるまでの空白の約2〜3ヶ月ほどの間のルミナス号のお話です。
「」人のセリフ
()心の声
『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。
※私の小説のルールです。
楽しんでもらえると嬉しいです。
空気が変わった。
レオの視線が、完全に凍りつく。
サイモンの呼吸が、低く重くなる。
さっきまでの“加減”が、消えた。
「……退け」
レオが静かに言う。
次の瞬間――
バシュッ!!
レーザーが、小型恐竜の足元を正確に撃ち抜く。
地面が弾け、土煙が上がる。
小型恐竜たちが一斉に後退する。
サイモンが踏み込む。
ガシッ。
一匹を掴み、そのまま横へ放り投げる。
ドンッ!!
別の個体ごと巻き込み、まとめて吹き飛ばす。
「邪魔だ」
短い一言。
小型恐竜たちは、明らかに危険を感じ取り、距離を取る。
残るは――大型二匹。
そのうちの一匹。
ダイヤを飲み込んだ個体。
レオが銃口を向ける。
「……吐かせる」
サイモンが低く言う。
「やるぞ」
そのとき――
通信機が、ノイズ混じりに震えた。
『……あー……聞こえる?』
二人の動きが止まる。
「ダイヤ!?」
レオが叫ぶ。
『大丈夫大丈夫、まだ口の中にいるよ。呑み込まれてない』
サイモンが眉をひそめる。
「いや、その状況で大丈夫はおかしいだろ」
『ちょっと滑るけど、意外とスペースある』
レオが即座に指示を出す。
「そのまま耐えろ、今引きずり出す!」
『待って、たぶんね』
一拍。
『中からやったほうが早い』
サイモンが一瞬黙る。
『今からいくよー』
その瞬間。
大型恐竜の動きが、わずかに止まった。
口元が、不自然に震える。
『レーザーガンじゃダメか』
だが――
次の瞬間。
ドンッ!!
内部から、鈍い衝撃音。
大型恐竜の目が、一瞬見開かれる。
さらに――
ドンッ!!
二発目。
巨体が、大きく揺れる。
「小型ライフル使ってるな……」
サイモンが呟く。
三発目。
ドンッ!!
その直後。
大型恐竜の力が抜けた。
ぐらり、と体が傾く。
そして――
ズシンッ!!
地面に崩れ落ちた。
もう一匹が警戒し、後退する。
レオが即座に叫ぶ。
「今だ!」
二人は同時に走る。
巨大な口元へ。
サイモンが顎を掴む。
「開けるぞ!」
力任せに引き上げる。
ギリギリと音を立て、口が開く。
レオが中を覗き込む。
「ダイヤ!」
ぬるり、と何かが動いた。
その奥から――
「ちょっと待って、滑る!」
ダイヤの声。
サイモンが手を突っ込む。
「掴め!」
ダイヤの手が伸びる。
ガシッ。
しっかりと握る。
「引くぞ!」
サイモンが一気に引き上げる。
ずるっ、と音を立てて――
ダイヤが外へ引きずり出された。
地面に転がる。
「……ぷはっ」
ダイヤが大きく息を吐く。
一瞬の静寂。
レオが言う。
「無事か?」
ダイヤがそのまま仰向けで答える。
「ちょっとぬるぬるするけど、無事」
サイモンが息を吐く。
「それは無事じゃないな」
ダイヤが起き上がる。
自分の腕を見る。
「……うん、洗いたい」
レオが短く言う。
「後でな」
一拍。
ダイヤが笑う。
「でも、思ったより中広かったよ」
サイモンが即答する。
「その感想いらん」
ダイヤが続ける。
「歯に服が偶然引っかかり飲み込まれなかったんだ」
背後で、大型恐竜が気絶したまま横たわっている。
もう一匹は、完全に距離を取っていた。
周囲の小型恐竜たちも、近づこうとはしない。
レオが静かに言う。
「……一旦戻るか」
ダイヤがうなずく。
「賛成。さすがに疲れた」
サイモンが空を見上げる。
「終わらない昼ってのも、なかなか厄介だな」
三人は、ゆっくりとルミナス号へ向かって歩き出した。
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