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宝石(星)の系譜 〜50年前に遭難した伝説の探査船を見つけたら、17歳の祖母が船長として居座っていた件。未知の惑星を巡る異世界航海録~【御礼12万PV達成】【平日月曜と金曜の朝6時更新】  作者: 準
【第一章】 宝石(星)の系譜/継がれる名、選ばれし者

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☆極秘命令

一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿です。内容もボリュームアップする予定。1話ずつ、ゆっくり投稿していきます。

完結してる作品なので、完結は必ずします。


「」人のセリフ

()心の声

『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。


※私の小説のルールです。


楽しんでもらえると嬉しいです。



◆リトス銀河アクア第一宇宙ステーション(通称=アクア・ワン)本部・最上階

 普段は立ち入りが厳しく制限されている会議フロアに、ルビィ・デズモンドと清水結依は並んで立っていた。


 呼び出しは突然だった。


 発信元は、タウロス・ミラノ・ゴールドバーグ最高司令官と、サファイア・デズモンド博士の連名。


 それだけで、ただ事ではないと分かる。

 重厚な扉が、静かに開いた。

 中にはタウロスが腕を組んで立ち、その少し後ろにサファイアが控えている。

 部屋には記録端末もホログラムもない。

 あるのは、異様なほどの静けさだけだった。


「来たな」

 低い声。

 そのまま、わずかに視線を緩める。

「――先日は、学校に余計な混乱を持ち込んだ。すまなかった」

 短い謝罪。

 だが、それだけで空気が少しだけ和らぐ。


 サファイアが一歩前に出る。

「まず言っておくわ。今日の話は、ここを出た瞬間から“存在しなかった”ことになる」


 ルビィは背筋を伸ばした。

「……極秘任務、ですね」


 結依は腕を組み、わずかに挑むような視線を向ける。

「この呼び出し方で“普通の仕事”だとは思ってません」


 タウロスは一瞬だけ息をつきかけ――飲み込んだ。

「相変わらず察しがいいな、清水結依」

 卓上に、一枚の黒いデータカードを置く。

 表面には、何も表示されていない。


「今回のミッションは、アデーロス第三銀河探索計画」

「五〇年前に一度だけ実施され――帰還者ゼロで終わった計画だ」

「出航日は来月。L.C.四七八年一月二七日」


 ルビィの瞳が、わずかに揺れる。

「……祖母が関わっていた計画ですね」


 サファイアは静かに頷いた。

「そう。だからこそ、あなたが選ばれたの」


 タウロスが続ける。

「クルーは最小限。船長、副船長、医療。そして――もう一名は分析担当」


 結依がすぐに口を挟む。

「“もう一名”? 分析担当?たったそれだけ?」

「私たちに拒否権は?」


 タウロスは眉をひそめた。

「話は最後まで聞け」


 だが結依は引かない。

「聞きますよ。でも条件は先に確認します」

 一歩、踏み出す。

「異銀河の通信って、誤差が一ヶ月くらいあるそうじゃないですか?」

 静かだが、はっきりとした声。

「その状況で、“後から届く命令”に縛られるつもりはありません」

 視線は逸らさない。

「私は“医療担当”として行くなら、完全な現場判断権を要求します」

「目の前の命は、その場で私が判断する」


 室内の空気が、一瞬で張りつめた。


 ルビィが小さく「結依……」と制止しかける。


 だがサファイアは、むしろ微笑んだ。

「いい目をしてるわね」


 タウロスは額に手を当て、小さく息を吐く。

「……まったく。だから君を呼んだとも言える」

 結依をまっすぐ見据える。

「現地判断の裁量は認める」

 一拍。


「だが忘れるな。“その場の正しさ”が、必ずしも全体の最適とは限らない」

 重い言葉。

「それでも――やるか?」


 結依は、すぐには答えない。

 数秒の沈黙。


 そして――

「その線引きは、現場でやります」


 タウロスは深く息を吐いた。

「……分かった」

 データカードを二人に押し出す。

「君たちを、今回の極秘ミッションの正式クルーとして任命する」


 ルビィはカードを受け取り、静かにうなずいた。

「必ず、無事に戻ります」


 結依はカードを見ずに言う。

「質問が一つ」

 タウロスの視線が鋭くなる。

「何だ」


「“もう一名”って、誰です?」


 一瞬の沈黙。

 サファイアが答える。

「それには――出航前に会わせる」


 結依は眉を上げる。

「出航前?」


 タウロスは、わずかに視線を逸らした。

「……詳細は伏せる」


 結依はニヤリと笑う。

「なるほど。“面倒な存在”ですね?」

 タウロスは否定しない。

 それが、答えだった。

「とにかく」

 タウロスが話を締める。

「この任務は、君たち二人の判断力にかかっている」

 一拍。


「特に――船長、ルビィ・デズモンド」

 ルビィは強くうなずいた。

「期待に応えます」

 サファイアは娘を見つめ、静かに言う。

「気をつけて。これは“選ばれた者の栄誉”であると同時に――重い責任でもあるわ」


 結依はドアに向かいながら、ふと振り返る。

「その“もう一名”、ちゃんと使える人だといいですね」


 タウロスはわずかに苦笑した。

「……ああ。君がそう言うなら、なおさらだ」


 扉が閉まる。

 静寂が戻る。


 ――この時点で、二人はまだ知らない。

 出航前に会うことになる“もう一人”の秘密を。



読んで頂きありがとうございますm(_ _)m


ついに、異銀河探索の極秘プロジェクトの任務に就くことに。

三人目のクルーもお楽しみに。

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