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★ルミナス号出航と第二世代型ワープ

一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿しました。


この章は【第零章】パート②です。前回、完結した時には作ってなかった物語です。

【第零章】の続きで、ダイヤたちのルミナス号が、ルビィたちのルミナール号に救助されるまでの空白の約2〜3ヶ月ほどの間のルミナス号のお話です。


「」人のセリフ

()心の声

『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。


※私の小説のルールです。


楽しんでもらえると嬉しいです。


 ――これはルミナス号が異銀河初の有人探索に出た物語。


◆宇宙港

 ――L.C.四二七年八月二五日


 リトス銀河第一宇宙ステーションでは、異銀河初の有人探索船、ルミナス号の出航準備が完了しました。


 船長ダイヤ・デズモンド

 副船レオ・ミラノ

 機関士サイモン・マクレーン


 ダイヤが操縦席に滑り込む。サイモンが後部に腰を下ろす。レオは最後に乗り込み、ハッチが静かに閉まった。



 見送りデッキでは、レオの妹アリエスが静かに手を振る。

「行ってらっしゃい、三人とも」


 宇宙への第一歩。

 カウントダウンが始まる。


 ――そのとき。

『ルミナス号、こちら管制』

 低く、落ち着いた女性の声が通信に乗る。三人は同時に背筋を正した。


『アデーロス第三銀河探索ミッション。目的は調査、最優先事項は生還です』


 一拍。


 その声が、わずかにやわらぐ。

『必ず、全員で帰ってきなさい』

 レオは静かに息を吸い、応えた。

「了解。必ず戻る」


 ダイヤも、迷いなく続く。

「ミッション、成功させます」


 サイモンは短く頷く。

「全員、無事でな」


 カウントダウンが響く。

「3」


『レオ』

 名を呼ばれ、指が一瞬止まる。

『約束よ』


「2」


 レオは前を向いたまま答えた。

「ああ。約束だ」


「1」


『……行ってらっしゃい』


「0」


 ルミナス号は、静かに滑り出した。

 未知の銀河へ向かって。


 窓の外に広がる星々を見つめながら、ダイヤは心の中で呟く。

(さあ、これからが本当の冒険だ)


 その頃、デッキでは――

 レオの息子オリオンが人形の首を飛ばす。その無邪気な声が、まだ響いていた。

「首チョンパ!」


 そして――

 ルミナス号は、リトス銀河をゆっくりと運行していた。

 窓の外では、星々が静かに流れている。だが船内の空気は、見た目ほど穏やかではなかった。


 出航から約一時間。

 いよいよ、初の長距離ワープが始まろうとしている。


 ダイヤはコンソールの前に立ったまま、じっと表示を見つめていた。視線は冷静だが、指先だけがわずかに落ち着かない。


 ダイヤは小さく息を吐いてから言う。

「……ねえレオ」


 レオは計器から目を離さずに答える。

「なんだ」


 ダイヤは少し間を置いてから言う。

「これ、本当に大丈夫?」


 レオは一拍置いて、淡々と返す。

「今さらそれ言うか」


 サイモンが横から笑う。

「出航して一時間だぞ?」


 ダイヤはむっとした顔で振り返る。

「だって初めてなんだもん、第二世代型ワープ」


 サイモンは軽く笑いながら言う。

「俺も初めてだぞ」


 ダイヤは即答する。

「第二世代は信用ならない、さっき誤差程度だけど、データがズレてたし」


「ひどいな!?」

 サイモンが思わず声を上げる。


 レオは小さく息を吐いた。

「心配するな。この船はアクアが作った」


 ダイヤはすぐに反応する。

「それは知ってる、でも第二世代のワープはアクア博士が作ったわけじゃないし」


 レオは続ける。

「そして俺も調整してる」

 ダイヤは一瞬だけ黙る。

 それから、納得したように頷く。

「……じゃあ、大丈夫だね」


 サイモンが呟く。

「判断基準そこかよ」


 ダイヤは真顔で言う。

「当然でしょ」

 レオは操作パネルに手を置いた。

「ワープ準備に入る」

 船内の照明がわずかに落ちる。

 低い振動音が、静かに広がっていく。


 ダイヤは姿勢を正す。

「……よし」


 サイモンは腕を組んで言う。

「なんか来るぞって感じはあるな」


 レオがカウントを始める。

「ワープシーケンス、起動」


 光が一瞬、すべて消えた。

 次の瞬間――

 世界が、暗闇に変わった。

 窓の外には何もない。  星も、光も、すべて消えている。


「……うわ」

 ダイヤが小さく声を漏らす。

 体に、じわりとした加速がかかる。押し付けられるほどではないが、確かに進んでいる感覚。


 サイモンが感心したように言う。

「思ったより静かだな」


 レオは短く答える。

「第二世代は振動を抑えてる」


 ダイヤは前を見たまま言う。

「……でも、なんか変な感じ」


 レオが問い返す。

「どこがだ」


 ダイヤは少し考えてから言う。

「“進んでるのに、どこにも行ってない感じ”」


 サイモンが笑う。

「それ、説明としては最悪だな」


 数分。

 ただ暗闇と、静かな加速だけが続く。


 そして――

 ふっと、光が戻った。

 窓の外に、別の星々が広がる。

 色も、密度も、どこか違う。


 レオが静かに言う。

「アデーロス第三銀河、到達」


 サイモンが口笛を吹く。

「ほんとに来ちまったな」


 ダイヤは少しだけ目を細めた。

 それから、くるりと振り返る。

 ダイヤは軽く手を叩いて言う。

「はい、じゃあ仕事モード入ります!」


 サイモンが笑う。

「切り替え早いな」


 ダイヤは指を立てる。

「今回のミッション、再確認!」


 レオとサイモンは静かに聞いている。


 ダイヤははっきりと言う。

「この銀河に存在する八つの惑星から、五つを選定」

「そして――」

 一拍。


「人類初の、異銀河有人惑星探索を行います!」


 サイモンが口を挟む。

「で、その五つは?」


 ダイヤは即答する。

「今から決める!」


「今!?」

 サイモンが素っ頓狂な声を出す。


 ダイヤは当然のように言う。

「最初に選ぶのは船長の仕事だから」


 レオがぼそりと呟く。

「権限の私物化だな」


 ダイヤはにやっと笑う。

「正しい使い方です」

 コンソールに、八つの惑星データが並ぶ。

 黒っぽい星、赤い星、灰色の星、氷に覆われた星――

 その中で、ひとつだけ。

 青と緑が、やけに鮮やかな星があった。


 ダイヤは迷わず指を伸ばす。

 ダイヤは楽しそうに言う。

「はい、これ!」


 サイモンが画面を覗き込む。

「理由は?」


 ダイヤは即答する。

「なんか住みやすそう」


 サイモンが即突っ込む。

「雑すぎるだろ!」


 ダイヤは笑いながら言う。

「だって見てこれ、緑多いし海もあるし」


 レオが補足する。

「地球の約一・五倍の大きさか。ここからだと少し遠いな」


 ダイヤは満足そうにうなずく。

「ほら、正解っぽい」


 サイモンは苦笑する。

「その“っぽい”で行くのかよ……」


 ダイヤは胸を張る。

「行きます」

 一拍。


 そして、にやっと笑った。

「だって――」

 その声は、どこか楽しげで。

「冒険って、そういうものでしょ?」


 ルミナス号は、ゆっくりとその惑星へ進路を取る。

 まだ誰も知らない世界へ。

 その先に何があるのか――

 この時の三人は、まだ知らなかった。


私からのお願い。

もしも、気にっていただけたら

★★★★★の評価と、ブックマークなどお願い致します。

感想などもお待ちしてます。


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