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☆大動脈と日常

一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿です。内容もボリュームアップする予定。1話ずつ、ゆっくり投稿していきます。


完結してる作品なので、完結は必ずします。




「」人のセリフ


()心の声


『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。




※私の小説のルールです。




楽しんでもらえると嬉しいです。

 ワープゲートは大量の物資と人員を運び。あちこちドアは、生活と日常を――。

 その役割分担によって、惑星アークス七カ国からジュラシックアースへと、人類の流れは絶えることなく続いていた。


 アーク大統領が腕を組み、強く言い放つ。

「いいか、あちこちドアは“武器”じゃない。“道”だ。七カ国すべてに分配する!」


 ノヴァ大統領がすぐに応じる。 「ルナストン市にも回せ。戦艦で運べ、今すぐだ!」


 それは、人類の避難ではなく、新しい世界へ移るという選択だった。


 あちこちドアの扉は小さく、扱いやすく、人の移動に適していた。ドアの数を増やすことで、移動は“特別な作戦”から“現実的な手段”へと変わっていった。


 ジュラシックアース側では、次々と新たな調整が加えられていた。


「こっちにもぉ〜、保護霧膜取付け完了だよぉ〜」

 クラウドが間延びした声で報告する。


「これで帰りも安全になるってわけね」

 結依が霧膜を見て言う。


「うん、ようやく“片道切符”じゃなくなった」

 ダイヤが頷いた。


「最初からやっとけよ、それ……」

 レオがぼそっと呟いた。


「最初から全部できるなら苦労しないよぉ〜」

 クラウドはあっさり返す。

 

 それにより、ジュラシックアースから惑星アークスへ―― 安全に戻る道が、はじめて確保された。


 この仕組みによって、科学者たちは、アークスへ自由に行き来できるようになった。


 目的は一つ。あちこちドアの製造と量産速度を、一気に引き上げるためだった。


「私と一緒に行くよ」

ダイヤが言った。

「ルビィ、結依、アストラ、クラウド。アークスに戻って一気にドアを作るよ」


 クラウドが嫌な顔をしていう。

「ええぇぇ〜?強制参加なのぉ〜?」

「拒否権はぁ〜?」  


「ないよ」

 ダイヤは即答した。


「ブラック企業なのぉ〜……」

 と、小さく呟くクラウド。


 ジュラシックアースへの移動の優先順位は戦力ではない。

 技術者、研究者、建築関係者。


「戦う前に住む場所、ってことね」  

 結依が腕を組む。


「そう。戦場じゃなくて“生活圏”を作る」

 ダイヤが静かに言う。


「……なんか、そのほうがよっぽど大事な気がしますね」

 ルビィがぽつりと漏らした。


 ジュラシックアースでは、人が“滞在できる場所”を作ることが、最優先で進められていった。


 その裏で、ドアの数は増え続けていた。

「あと何枚必要なんだ?」

 サイモンが聞く。


「知らん」

 レオは即答した。

「二一億人を三ヶ月でだぞ。計算したくもない」


『現在ドアは一八一一組、三六二二枚です』

 アストラが淡々と告げる。


「全然足りてなくない?」

 ルビィが真顔で言う。


「当初は四〇〇〇組の予定よ」  

 フェザーが説明する。

「でも、作れば作るほど早く終わる。それだけ」


「ねえ」

結依がふと疑問を口にした。

「こんなにドアあったら、ワープの中で渋滞しないの?」


 ダイヤが落ち着いて答える。 「それは大丈夫、全てのワープ空間は似てるけど別空間」


 ルビィが補足する。

「そう、ルミナール式のワープ空間は無数にあり、簡単に言うとチャンネルがたくさんあるのよ」


 ダイヤはドアの一枚を軽く叩いた。

「この緑の数字、見える?」


「ただの番号じゃないの?」

 結依が言う。


「違う。周波数」

「空間の“ズレ”を指定してるの」

 ダイヤはさらっと言った。

「同じ場所に見えて、全部ちょっとずつ違う。だから絶対にぶつからない」


 すべて二枚一組。その扉には、小さく数字が刻まれていた。


 ドアを通る者は、見た目こそ同じ暗い通路を歩いているように感じるが、実際には、わずかに位相の異なるワープ空間を進んでいる。


 ――完全な並列構造。空間を分割し、同時に使いこなす技術で、移住は着実に進んでいった。



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