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☆威厳より、呼びやすさ

一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿です。内容もボリュームアップする予定。1話ずつ、ゆっくり投稿していきます。


完結してる作品なので、完結は必ずします。




「」人のセリフ


()心の声


『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。




※私の小説のルールです。




楽しんでもらえると嬉しいです。

 ダイヤ・デズモンドが、人類で初めて固定式惑星間ワープゲートを通過してから、歴史は静かに動き出した。


 惑星アークスとジュラシックアースを繋ぐ固定式ワープゲートは、ただひとつ。

 それは、二つの惑星を結ぶ“大動脈”として厳重に管理されていた。


 一方で、そのゲートを起点に、量産型のワープドアが次々と運用に向けた準備が始められていた。


◆ジュラシックアース・量産型ワープドアの前

 クラウドが説明する。

「これが量産型ワープドアだよぉ〜。見た目はシンプルだけどぉ〜、性能は折り紙付きさぁ〜」


「八パーツで組立式、簡単だし便利ね」

 ルビィが感心したように言う。


 結依は組み立てながら呟いた。

「バラバラって……オリオン博士みたいね」


 組立式のドアが完成。

 軽い金属製の、ごく普通すぎるほどの“ドア”だった。


 結依はそれを見て、少し首をかしげた。

「なんか、思ったより普通ね」


「え? 普通って……ドアはドアでしょ?」

 ルビィが返す。


 結依は少し考える。

「うーん……私の祖母が、地球暦の娯楽が好きでさ」

「私が小さい頃に読んだ…漫画? だったかな」


「漫画?」

 ルビィが聞き返す。


「丸っこいアンドロイドがいてね」

「こんな感じのドアを使って、好きな場所に行けるの」

 結依が説明する。


「……丸っこい?」

 ルビィが首を傾げる。


「アンドロイドが、ドアで?」

 ダイヤが興味を示す。


 結依は少し考える。

「名前はもう忘れちゃったけど」

「確か……ドアの名前が――」

 少し間を置く。


「……あっちこっちドア、だったかな?」

 結依が思い出す。


 一拍。

「…なるほど、“あっち”と“こっち”を繋ぐドアなら…これは――」

 ダイヤが小さく呟く。

 そして、即決した。

「あちこちドアですね。以後、そう命名します」


「え、そこ確定なの?」

 結依が驚く。


「…急に軽くなったね」

 ルビィが苦笑する。


「名前は大事だよぉ〜。覚えやすいしねぇ~」

 クラウドが軽く言う。


 一瞬の間。

 アストラが告げる。

『名称登録:完了』

『正式名称:量産型惑星間転移ドア――通称 “あちこちドア”』


「え、公式ぃ〜!?」

 クラウドが驚く。


 アストラが続ける。

『補足。今後、作戦書類・マニュアル・音声案内は全て、この名称で統一されます』


「ちょっと待って!? 私のうろ覚えの話で――」

 結依が慌てる。


 アストラが即答する。

『異議申請:未検出』


「もう決まったみたいね」

 ルビィが言う。


「『合理的です』」

 ダイヤが頷く。


「いや、合理性で決めるとこじゃないから!ていうか、アストラの真似じゃないですか」

 結依が笑いながら突っ込む。


 その後、量産型ワープドアの正式名称は、

《あちこちドア》

として登録・承認された。


 それはジュラシックアースだけでなく、アストラの右手首に投影されるホログラム通信を通じて、惑星アークス全域へと即座に共有された。


 正式な技術名称や管理番号は、もちろん別に存在する。

 だが、人々が口にし、記憶し、未来へ引き継ぐ名前として選ばれたのは――

 あまりにも単純で、無邪気で、

 それでいて本質を外していない、その呼び名だった。


◆惑星アークス・ヴェルデ自治共和国研究室

「で、結局……こんな名前にしたのか」

 レオが少し呆れたように言う。


「別にいいじゃない」

 フェザーが平然と返す。

「“あっちとこっちを繋ぐドア”だ。誤解の余地がない」


 レオが額に手を当てる。

「いや、そういう意味じゃなくてだな」

「もう少し、こう威厳とか、歴史に残る感じとか…」


 フェザーは一瞬だけ考えてから、話し始めた。

「人類はいつもそう言って、結局“覚えやすい方”を選ぶ」


「否定できないな」

 レオが苦笑する。


 レオは、ふと想像してしまった。――ダイヤが、誇らしげに胸を張っている。

「だって、あっちとこっちで、あちこちでしょ?」

 レオは頭を抱えた。


 フェザーはレオを一瞥して、小さく笑った。

「ネーミングとは、そういうものだよ」


 レオはため息をつきながらも、どこか納得したように、ゆっくりと頷いた。


私からのお願い。

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★★★★★の評価と、ブックマークなどお願い致します。

感想などもお待ちしてます。


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