☆誘導作戦
一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿です。内容もボリュームアップする予定。1話ずつ、ゆっくり投稿していきます。
完結してる作品なので、完結は必ずします。
「」人のセリフ
()心の声
『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。
※私の小説のルールです。
楽しんでもらえると嬉しいです。
◆ジュラシックアース前線、ルミナール号周辺
そして、増援との共同作戦が始まる。
ルビィは三日間の不眠不休の疲れが取れず、また仮眠室で休んでいた。
劣勢だった陣地拡張作戦も、今日から動き出す。
中型戦艦で到着したクラウドとアストラが、現地で戦況を確認。ホログラム越しではなく、直接クルーに指示を送る。
アンとゼン、バルンの科学者チームの知識も加わり、恐竜の習性などを利用して、戦わずして誘導する作戦が再び実行された。
アストラが作戦を指示した。
『まず小型・中型はこっちの餌で誘導、超大型は地形制御で行動範囲を限定してください』
クラウドの声が響く。
「逃げ道をひとつにするんだよぉ〜!」
思わず叫ぶその声に、アンとゼンも思わず笑みを浮かべる。
バルンは器具を操作しながら群れの動きをモニタリングする。
グリムは冷静に陣頭指揮を執る。
「撃退は必要最小限、誘導に徹する」
アンデルが大声で叫ぶ。
「さあ、動け!恐竜に休憩はないぞ!」
バルンは地形を確認しながら指示を送る。
「無駄な殺傷は避ける。誘導ルートを守れ」
ガストは少しおどけつつ声を上げた。
「俺も誘導の手伝いだ、間違って攻撃しないようにな!」
数時間後。
「だからぁ、違うってのぉ〜!」
クラウドの声。
大きな声でルビィは眠りから覚め、船外を見た。
目の前の騒動を見て、思わず心の中でツッコミを入れる。
(クラウドさん、また絶叫してる……)
エアロも船の端にもたれながら見守る。
「あの人たちが来てから、戦闘が減って助かるわ」
カイトが静かに頷く。
「そうだな」
作戦は続く。
恐竜たちは最初こそ混乱していたが、徐々に指定ルートへ誘導される。
軍人たちは飛行用装備とバトルスーツを駆使して群れを制御。
ルミナール号クルーと連携しつつ、指示が飛び交う。
「右の湿地へ!」
「こっちのルートに誘導!」
「逃げ道はひとつだけだってばよぉ〜!」
クラウドが叫ぶたび、緊迫感と共に現場は少し騒がしくも楽しい空気に包まれる。
ルビィは心の中でつぶやく。
(すごい勢いで進むけど……恐竜より、人間のほうが落ち着きないかも)
エアロが小さく笑いながら言う。
「おじいちゃん、あの人の叫び、どうにかして」
四日目、作戦は加速する。
超大型恐竜も地形により進路を制限され、無理な衝突は避けられる。
エアロとカイトは船外で見張りを続け、必要に応じて力を使い作戦を補助する。
ノヴァ中型戦艦到着から七日目。
誘導作戦は無事に完了を迎えようとしていた。恐竜は殺さず、安全に指定区域へ移動。
陣地は順調に拡大され、疲労困憊のクルーたちも安堵の表情を浮かべる。
アンが呟く。
「ふぅ、やっと平和な顔ができるだすな」
ゼンが笑いながら言う。
「クラウドさん、また絶叫してたっす……」
現場にはわずかな余韻の笑いが残った。
ルビィは肩で息をしながら、エアロと目を合わせる。
「まあ、無事に終わりそうね」
エアロも小さくうなずく。
そして二人で肩を並べて深呼吸する。
心の中で、ほんの少しだけ戦場の騒動が愛おしく思えた。
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