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宝石(星)の系譜 〜50年前に遭難した伝説の探査船を見つけたら、17歳の祖母が船長として居座っていた件。未知の惑星を巡る異世界航海録~【御礼12万PV達成】【平日朝6時更新】  作者: 彩川準
【第五章】宝石(星)の系譜/脅威!!ジュラシックアース

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☆規格外、来襲

 砂煙の荒野で、小型恐竜の群れが逃げ惑う中、超巨大恐竜の巨体が、空そのものを塞ぐように視界を覆った。


 地面を踏み鳴らし、その振動がルミナール号まで伝わる。

 尾を振るたび砂煙が舞い、小型恐竜たちは逃げ惑う。


 結依が指示を出す。

「全員、配置につけ!超大型だ、油断するな!」


 しかし、クルーたちの動きが追いつかない。

 恐竜の圧力は圧倒的で、誘導作戦だけでは制御しきれず、群れの一部が前線に押し寄せてくる。


 超巨大恐竜に気がついたカイトとエアロが前に出る。

 エアロは肩を貸しながら、カイトを支える形で立つ。


 エアロが不安げに言う。

「みんなが危ない……」

 カイトが静かに答える。

「大丈夫、任せろ」

 二人の意志が重なり、空間が歪む。

 見えない衝撃が放たれる――


 だが、超巨大恐竜の巨体にはほんのわずかの影響しか与えられない。


 カイトが低く呟く。

「……大きすぎる」


 尾を振り、牙をむき出しにして襲いかかる超巨大恐竜。


 圧倒的な力で、誘導作戦で築いた前線が一気に崩される。

 小型・中型恐竜も巻き込まれ、ルミナール号の周囲は混乱の渦に包まれた。


 踏み鳴らすたび、船内に衝撃が走る。

 その音に反応し、ルビィが目を覚ます。

「……何ごと!?」


 目をこすり仮眠室を飛び出すと、アストラの左手首がルビィの腕に絡みつく。


 ルビィが振り払うように言う。

「アストラ、後にして!」

 そして、アストラには目もくれず、ルビィは外に飛び出した。


 船内に残ったアストラの左手首は、ホログラムで文字を出していた。


《ダイヤからの連絡》

 ホログラムの文字が静かに点滅していた……。


 ルビィがハッチから出て、視界に映ったのは、一匹の超巨大恐竜が群れごと前線を押し潰す光景だった。


 ルミナール号の外壁がきしみ、クルーたちは散開して耐える。


 結依が低く呟く。

「ヤバイ…この一匹で、壊滅寸前だ」


 カイトとエアロは必死に力を振るうが、超巨大恐竜を吹き飛ばすまでには至らない……。


 荒野には砂煙と恐竜の咆哮、そして二人の超能力が放つかすかな衝撃波だけが、戦場の不安定な空気を震わせていた。


 ルビィはカイトとエアロのもとへ駆け寄った。

 二人の息があがっていた。


 ルビィが声をかける。

「二人とも、少し休んで…ここは私たちで何とかする!」


 慌てふためくクルーたちの声が飛び交う。

 アンデルが大声で指示を叫び、

 ガストは無鉄砲に突っ込み、

 グリムは冷静に構え、

 シロッコは恐竜の動きを確認しつつ距離を保つ。


 ルビィは無線を取り、結依に状況を確認する。

「結依、副長!状況は?!」


 結依の声が返る。

『前線が押されてます!超巨大恐竜が、もう…!』

 その声には、わずかな諦めが混じっていた。


 ルビィは即決した。

「クルー全員に命令します。被害を最小にするため、一度撤退しなさい。安全な場所で態勢を立て直します」


 結依たちは息を呑むが、仕方なく撤退の指示を受け入れる。


 視界の端で、恐竜の咆哮が大地を震わせる。

 前線は崩れ、絶望感が戦場を包む。


 ――そのときだった。

 空に銀色の影が現れた。


 それは、ノヴァ中型戦艦。


 ジュラシックアースの戦場に、突如姿を現す。


 戦艦から人影が飛び出した。それは、飛行用装備とバトルスーツを纏った二〇〇人の精鋭軍人たちだった。

 武器を構え、超巨大恐竜に向かって突進する。軍人たちの一斉攻撃で、超巨大恐竜は初めて後退し、力を削がれていく。


 地面を蹴る足も、咆哮も次第に鈍る。


 その隙に、再度カイトが前に出た。

 エアロが肩を貸し、支えながら力を集中させる。


 カイトが叫ぶ。

「いけーーー!!」

 エアロが歯を食いしばる。

「うぅぅっ」

 空気が裂けるような振動、見えない衝撃が超巨大恐竜の腹部に直撃。


 轟音と共に、巨体が宙を舞い、地面に転がった。


 戦場に、堰を切ったような歓声が湧いた。

 ついに超巨大恐竜は押され、後退していく。前線の恐竜たちも、混乱の中で散開。


 ジュラシックアースの荒野には、一瞬の静寂が戻った。


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