☆動かすという戦い
一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿です。内容もボリュームアップする予定。1話ずつ、ゆっくり投稿していきます。
完結してる作品なので、完結は必ずします。
「」人のセリフ
()心の声
『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。
※私の小説のルールです。
楽しんでもらえると嬉しいです。
ジュラシックアース到着直後の一日目から三日目までは、戦闘の連続で陣地を広げる余裕はほとんどなかった。
しかし、ここにきて――
二人の超能力と三人の超人の活躍で、状況は一変した。
わずか三日間で、目標の三割にあたる陣地を確保したのだ。
だが、到着から七日目を迎えようとする今も……まだ目標の半分には遠く及ばない。理由は明白だ――恐竜の数の多さと凶暴性である。
そして、急激に陣地を広げた反動で、前方には大量の恐竜たちが蠢き、ルミナール号のクルーを待ち構えていた。
陣地前線は恐竜の大渋滞で混沌としていた。小型から大型までが密集し、足踏み一つで地面が震える。
ルビィは薬の効果が切れたばかりで、船内の簡易ベッドに横になって、浅い眠りに落ちていた。
外ではカイトとエアロが見張りを続ける。
そんな最中、左手首のホログラム表示がひとつ点滅し、文字がゆっくり流れ始めた。
《恐竜の行動パターンデータを解析中》
その横には、惑星アークスのカイロス王国から来ている兄弟、生物学者アン博士とゼン博士がいる。
アン博士が腕組みをしながら口を開く。
「作戦を練る時間だすな、ゼン」
ゼン博士は片手を頭にやり、思案顔。
「兄さん、恐竜たちは密度高すぎっす。無理に撃退するより、動かすほうが効率的じゃないっすか?」
アンは一瞬目を細め、弟を見る。
「動かす……とは、誘導作戦のことだすな。なるほど、ゼンも少しは理論が理解できたようだすな」
その会話に割り込むように、バルンが口をはさんだ。
「でも……恐竜を移動させるって、釣りでもするみたいに簡単に行くのか?」
ゼンが笑いながら答える。
「そう簡単にはいかないっす。餌や音、光、匂い、地形……全部を使って、進む方向を“誘導”するしかないっす」
左手首のホログラムに、文字が流れた。
《ここにあるのは理論、実践は君たちの腕次第》
結依が手を挙げ、会話を仕切る。
「なるほど、みんなが安全に陣地を拡張するのが優先です。では、誰がどの役割を担当する?」
ガストは間髪入れず口を挟む。
「俺は恐竜の気を引いて、ちょっと遊んでやろうかな!」
アンデルが大声でツッコミを入れる。
「ガスト、ふざけるな!それより、ちゃんと誘導に集中しろよ!」
グリムは冷静に腕を組む。
「無理に戦わず、進路をコントロール。そうすれば消耗は最小限で済む」
バルンは恐竜のデータを読みながら言った。
「恐竜の縄張り意識が強いので、大型の群れは他の恐竜を遠ざける。本能を利用すれば、殺さずに動かせるはず」
左手首のホログラムが続けて文字を流す。
《詳細は惑星アークス並びにルナストンの学者と連携中。餌や光、地形などで移動ルートを設計》
ゼンが頷きながら、兄アンに小声で言った。
「ほら、理論も現場も一応そろったっす。あとはクルー次第っす」
アンはやや微笑む。
「ええ、ここからは船長たちが前線で実行する番だすな」
結依が全員に指示を出す。
「わかりました、みなさん。恐竜を殺さず、陣地だけを安全に広げます。進路を誘導するための細かい調整は、科学者チームが後方で指示します」
こうして、議論は理論から実践へと移行した。
急激に陣地を拡張した反動で、前方に溜まった大量の恐竜たち。
しかし、アンとゼン、そしてバルンとアストラのデータ解析による指示で、クルーたちは着実に恐竜を移動させ、徐々に安全な陣地を広げていく。
私からのお願いです。
もしも、気にっていただけたら
★★★★★の評価と、ブックマークなどお願い致します。
感想などもお待ちしてます。




