☆祖父と孫娘、三たび
一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿です。内容もボリュームアップする予定。1話ずつ、ゆっくり投稿していきます。
完結してる作品なので、完結は必ずします。
「」人のセリフ
()心の声
『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。
※私の小説のルールです。
楽しんでもらえると嬉しいです。
ルビィが服用した薬は、ルビィだけでなく、パワー型のガストと蹴り技に長けたグリムも服用した。
フェザーの報告によれば、薬の効果は最低でも六四時間持続するはずだったが。
実際には個人差が現れた。
ガストは六二時間。
グリムは六八時間。
そして――
ルビィは七八時間……も効果が続いたのだ。
三人はほぼ不眠不休で前線に立ち続けた。
「……まだ、薬の効果、切れないの〜?」
ルビィはため息交じりにつぶやく。
カイトとエアロも休み休みながら、安定して力を発揮し続けた。まさにこの超能力ペアは、作戦に欠かせない存在となっていた。
陣地制圧が一段落し、船内にクルーたちが戻ってきた。
カイトは壁に背を預け、深く息を吐いた。額には汗。だが、その表情はまだ戦場のままだ。
そのすぐ隣に、エアロが付き添うように立っている。
ガストが腕を組み、感心したように言う。
「……いやぁ、今日のカイトさん、化け物だったな」
グリムも素直に頷く。
「本当に。正面突破、何回やったんですか?」
グリムが真顔で続ける。
「……数えるのをやめた頃から、……もう怖かった」
エアロが小さく身をすくめる。
「……おじいちゃん、無茶しすぎです」
カイトが短く答える。
「必要だった」
ガストがニヤっと笑う。
「でもさ、途中からずーっとエアロのそば離れなかったよな?」
一瞬、沈黙。
カイトが目を逸らす。
「……気のせいだ」
結依が即座に否定する。
「気のせいじゃない。二メートル以上、離れてない」
ガストが追い打ちをかける。
「ほぼケーブル接続」
ルビィが冷静に分析する。
「エアロの回復力、上がってない?」
エアロが慌てて手を振る。
「ち、違います! 私はそこまでは回復できてないかと……」
アンデルが叫ぶ。
「してるだろ!回復してなきゃ、あんな連打できるか!」
バルンが理屈で補足する。
「理論上、回復してないと無理です」
カイトは観念したように息を吐く。
「……確かに、楽だった」
結依が食い気味に反応する。
「認めた!」
ガストがニヤける。
「つまり」
アンデルがまとめる。
「エアロがいないと、今の戦力は出ない」
エアロが言葉を探す。
「そ、そんな……」
カイトはゆっくりとエアロを見る。
「……助かってる」
一瞬、空気が止まる。
ガストが即座に割り込む。
「はい、ストップ!感動路線に入るな!」
グリムが笑う。
「羨ましいだけだろ」
アンデルが茶化す。
「超能力ジジイが、孫バッテリー搭載とか」
結依が淡々と続ける。
「最強だけど、条件付き」
エアロが困ったように祖父を見て、それでも少し笑う。
「……ずっと隣にってことですか?」
カイトが静かに答える。
「無理は言わん。だが、頼りにしてる」
一瞬、静寂。
ガストが両手を広げて叫ぶ。
「はい、出たぁぁぁ!重い!急に重い!」
「孫に向ける台詞の重さじゃない!」
結依が苦笑する。
「温度差で風邪ひくわ。さっきまで戦場、今これ?」
アンデルが真顔で言う。
「ちなみに今の距離、三〇センチ」
全員が一斉に反応する。
「近っ!」
「密着!」
「もう回復装置じゃん!」
エアロが真っ赤になる。
「ち、違います!たまたまです!」
アンデルがまた即ツッコミ。
「たまたまで数時間もその位置?」
ガストが乗る。
「それもう配置ミスじゃない」
アンデルが指をさす。
「いや、最適配置だろ!」
「“孫型サポートユニット”だ!」
カイトが低く止める。
「やめろ」
エアロが抗議しかける。
「私はそんな――」
ガストが被せる。
「名前も決まったな。《エアロ・バッテリー式カイト》」
カイトが即答する。
「却下だ」
「即却下!」
アンデルが笑う。
「でも強そう!」
ルビィが眠そうに呟く。
「次の作戦、それで行きます?」
カイトが返す。
「行くわけないだろ!」
笑いが船内に広がる。
それでも――エアロは結局、一歩もその場から離れなかった。
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