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☆祖父と孫娘、再び

一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿です。内容もボリュームアップする予定。1話ずつ、ゆっくり投稿していきます。

完結してる作品なので、完結は必ずします。


「」人のセリフ

()心の声

『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。


※私の小説のルールです。


楽しんでもらえると嬉しいです。


◆ルミナール号・医療区画前

 戦闘後、艦内は静まり返っている。

 カイトはすぐに意識を取り戻した。そして場の全員を見て、静かに話し始めた。

「……まず、謝らせてくれ」


 アンデルが大きな声で言う。

「え?いきなり!?どした爺さん!」


 結依がそれを制止する。

 結依が眉をひそめた。

「アンデル、静かに。話を聞こう」


 カイトは静かに口を開いた。

「私の力のことです。黙っていた事……それと」

「長く使うと、体力の消耗が激しいし、たまに気を失ってしまいます」


 ルビィがわずかに眉を寄せる。

「……それを、分かってて使ってたんですか?」


 カイトは小さく頷いた。

「はい。若い頃と違って……年を取ってからは、特に」


 ガストが思わず顔をしかめる。

「つまり、命削りながらやってたってこと?」


 カイトは目を伏せ、短く答えた。

「はい……」


 結依が言葉を探すように息をつく。

「それは……言ってくれないと」


 カイトが小さく言った。

「すまなかった」

 そして、エアロを見る。

「それと……エアロ」


 エアロが小さく返す。

「……なに」


 カイトが続ける。

「退職してから五年。あまり会えなかったこと――本当に、すまない」


 エアロは黙ったまま。

「……」


 カイトが続ける。

「エアロがSWATの訓練校に行っているのは知っていた。だが、大統領から指示があってな」


 結依が思わず聞き返す。

「指示?」


 カイトが頷く。

「エアロと“距離を取れ”と。私は大統領の側で、知りすぎた」

「だから孫が表に出る以上、私が近くにいるのは危険と判断された」

「エアロには……私と共鳴する何かがある。エアロが成長して、もし能力が覚醒し……それを国家に見せるわけにはいかないと、私自身も考えていた」


 エアロが言う。

「だから、連絡も来なかったんだ」

 カイトが答える。

「理由を話せば、余計に巻き込む。そう判断した」


 アンデルが静かに言葉を差し込む。

「それでも……寂しかったですよね?」

 エアロはカイトを見る。

「……うん。でも」

「大好きだったおじいちゃんは、今も変わらないよ」


 カイトが小さく答えた。

「……ありがとう」


 ガストが両手を広げて嘆く。

「ちょ、空気が良すぎて俺の居場所が!」


 そのとき、左手首が淡く光る。空中にホログラム文字が流れ始めた。

 ルビィがホログラムを確認する。

「……フェザーさんからのデータが届いています。読みますね」

 ルビィはホログラムに視線を落とし、静かに読み上げ始めた。

「『エアロの能力については、以前から把握していた』」


 アンデルが思わず声を上げる。

「えっ、知ってたのかよ!」


 ルビィは淡々と続ける。

「『だが、あえて共有しなかった。カイトにも伝えていない。知っているのは私とゼファーのみ』」


 カイトは言葉を失い、わずかに目を伏せた。

「……」


 ルビィは視線を滑らせ、読み進める。

「『過去に、同系統の能力者が存在した。ルナストン市入口・番兵設置以前の話』」

「『当時、この宙域は軍が管理し、惑星アークス側と戦争状態にあった』」


 バルンが補足する。

「二〇年くらい前の話ですね」


 ルビィは小さく頷き、続けた。

「『その能力者は、他者の体力を補填し、能力使用を継続させた』」


 グリムが顔をしかめる。

「……無理やり戦わせ続けた、ってことか」


 ルビィの声は変わらない。

「『結果として、能力の限界を超えさせた』」


 シロッコが息を呑み、言葉を探す。

「…………それで?」


 ルビィは一瞬だけ間を置いた。

「『最終的に、双方とも死亡』」


 場に沈黙が落ちた。


 結依がぽつりと呟く。

「……だから、フェザーさんは黙っていた。知っていれば、使わずに済む判断もできなくなるから」


 ルビィは最後の一文を読み上げる。

「『同じ結末を回避するため、ゼファーとの話合いでカイトとエアロを離し経過観察のみとした……以上』」


 ホログラムが静かに消えた。


 アンデルが吐き出すように言う。

「重すぎだろ……」


 ガストがわずかに前を向く。

「でも……今回、生きてる」


 結依が思い出すように口を開く。

「二回目の能力使用時。カイトさん、エアロにもたれてたよね」


 エアロがはっと顔を上げる。

「……あ」


 カイトも小さく頷く。

「……確かに。あの時、不思議と楽だった」


 ルビィが分析するように言う。

「無意識に、体力が補填されていた可能性が高い」


 バルンが慎重に言葉を選ぶ。

「つまり今度は、ちゃんと気をつければ……」


 グリムが静かに引き継ぐ。

「そうか。“知った上で、制御できる”可能性がある」


 エアロがまっすぐカイトを見る。

「おじいちゃん。これからは、一人でやらないで」


 カイトはわずかに目を細める。

「ああ……」

 カイトの表情には、まだ消えない不安が残っていた。


 また、左手首に投影されたホログラムが淡く揺れ、フェザーからの指示が表示された。


 内容は、拍子抜けするほど単純だった。

 エアロの能力は“回復系”に近い可能性が高い。

 発動方法は簡単、体力を回復させたい相手に、直接触れること。あとは、本人が“回復させたい”と強く意識すればいい。


 細かな理論や数式はなかった。


 フェザー自身も続けてこう付け加えている。

 ――私は超能力者じゃないから、コツはカイトに聞いて。


 その指示を受け、カイトとエアロは無理をせず、休憩を挟みながら練習を重ねた。


 最初は何も起こらず、次第にわずかな変化が現れ、触れられた側の呼吸が整い、疲労が和らいでいく。

 確かな手応えを得るまで、そんなに時間はかかった――


私からのお願い。

もしも気にいってもらえたら、★★★★★の評価とブックマークお願い致しますm(_ _)m

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