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☆いざジュラシックアースへ

一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿です。内容もボリュームアップする予定。1話ずつ、ゆっくり投稿していきます。

完結してる作品なので、完結は必ずします。


「」人のセリフ

()心の声

『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。


※私の小説のルールです。


楽しんでもらえると嬉しいです。


 ――それぞれの役割を胸に、彼らは新たな地へ向かう。その先に待つのは、未知と危険、そして希望だった。


 ルナストン市の一角、簡易的に整えられた会議室には、今回のミッションに参加する顔ぶれが集まっていた。


 重たい扉が閉まると、空気が少しだけ張りつめる。

 もっとも、その張りつめた空気を最初に壊したのは、部屋の中央に置かれた透明ケースだった……。


 中には――左手首だけ。


 ルナストンの化学者が思わず声を漏らす。

「……え?」


 隣に立つSWATの一人は、言葉も出ないまま一歩下がった。

「う、動いた?」

 その瞬間、手首がひょい、と軽く指を振った。

「うわっ!?」

「いや無理無理無理無理!」

 SWATの三人は一斉に距離を取る。

 惑星から来たアーク帝国軍の軍人二名も、反射的に姿勢を正した。

「生体兵器か?」

「いや、違う。あれは――」


 そこへ、慣れた様子でルビィが口を開く。

「アストラですよ」

 隣の結依も、ケースの前で軽く手を振った。

「アストラ、手首だけでも元気だね」

 手首は親指を立てた。


 それを見た軍人が戸惑いながら言う。

「え、会話?」


 結依が軽く首を振る。

「いや、してないよ。ジェスチャー」


 周囲はさらに混乱した。


 その様子を見て、ゼファー大統領が小さく咳払いをする。

「では、始めよう」

 空気が少しだけ引き締まる。


 ゼファーは全員を見渡しながら告げた。

「今回のミッションは、ルミナール号による惑星調査と先行準備だ」

「アーク帝国およびルナストン市から選抜された諸君は、この作戦限りのクルーになる」


 続いてダイヤが前に出る。

「私から一つお願いがあります」

 軽く手を叩き、いつもの調子で続けた。

「私たちの都合で、その星の半分をもらう。先住民の恐竜さんには迷惑な話です」


 ダイヤは少しだけ真剣な表情になる。

「だから恐竜さんは殺さない。怪我はごめん、ちょっと我慢してもらうけど」


 そして、全員を見渡す。

「もちろん、君たちも必ず生きて帰って。恐竜さんも、私たちも、命はみんな一つなんだから」


 拳を軽く握り、言い切る。

「命を大事にしない作戦、私は認めません、以上」

 すぐに軽い調子へ戻る。

「ま、あとの細かいことはルビィ船長に任せるとして」


 ルビィが一歩前に出た。

「行き先は、新たに移住候補として浮上した惑星です」

「環境調査、危険生物の確認、居住可能エリアの選定と拡大が主な任務になります」


 説明の最中、手首がケースの中でコツコツと内壁を叩いた。

 ルビィが一瞬視線を向ける。

「……今のは?」


 結依が即答した。

「退屈、って言ってる」


 説明が終わると、ダイヤが満足そうにうなずく。

「というわけで、みんな。行き先は――」


 一拍置いて、にこりと笑う。

「ジュラシックアースに、いってらっしゃーい」


「……え?」

「ジュラ……何ですか?」


 室内がざわつく。

 ダイヤは楽しそうに言った。

「だってさ、危険生物いっぱいだし、巨大だし。ぴったりじゃん?」


 ルビィは少し考え、苦笑する。

「公式名称じゃないけど、まあ、通称としてはわかりやすいかも」


 ダイヤは嬉しそうに頷いた。

「じゃあ決まりね!」


 その後、誰もが半ば諦めたように、その惑星を「ジュラシックアース」と呼び始めていた。


 一段落したところで、フェザーがダイヤに視線を向ける。

「ねえ、前から気になってたんだけどさ」


 ダイヤは首を傾げる。

「ん?」


 フェザーは続けた。

「たまに名前が出てくる、オリオンって何者?」


 ダイヤはあっさり答える。

「レオの息子」

「……息子?」

 フェザーは瞬きを繰り返した。

「レオって、見た感じ二十代後半くらいでしょ?」

「天才が天才少年を産んだ系?」


 ダイヤは指折り数えながら言う。

「レオは三〇歳かな」

「で、息子は六〇歳って言ってたよ」


 一瞬の沈黙。

 フェザーは口元を押さえる。

「……やっぱり変わった種族ね」

 笑いを含んだ声だった。


 ダイヤも軽く返す。

「ま〜ね〜」

 そのやり取りを、手首が満足そうにパチンと指を鳴らした。


 その頃、少し離れた場所でカイトが頭を抱えていた。

「なぜ私が……」

「どうして毎回……」

 困った顔のままゼファーに視線を向ける。


 ゼファーは淡々と言った。

「今回は君も同行だ」

「命令だからね」


 カイトは深いため息をつく。


 やがて全員が地表に停泊しているルミナール号へ移動する。

 搭乗口の前で、ゼファー、ダイヤ、フェザーが並び、見送る側に立った。


 ゼファーが静かに言う。

「気をつけてな」

 ダイヤが軽く手を振る。

「無茶しすぎないようにね」


 フェザーはケースの手首を見て言った。

「ちゃんとみんなを守るのよ」

 手首は、敬礼のように指を揃えた。


 ルビィ、結依、カイト、そして新たなクルーたちが乗り込む。

 ハッチが閉まり、ルミナールが低い音を立てて浮上する。


 ダイヤは大きく手を振り、明るく言った。

「行ってらっしゃ〜い」


 ルビィも笑顔で応える。

「おばあちゃん、ジュラシックアースで待ってるよ〜!」

 軽い冗談とともに、船は空へと上がっていった。


 いつものように、少し騒がしく、少し不安で、だいぶ奇妙な調査の旅が始まった。


 ――こうして二つの船は、それぞれ別の未来へと進み始める。

 だが、その先にある目的は、確かに同じ場所を指していた。


私からのお願いです。


もしも、気にっていただけたら


★★★★★の評価と、ブックマークなどお願い致します。


感想などもお待ちしてます。

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