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☆分岐する役割

一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿です。内容もボリュームアップする予定。1話ずつ、ゆっくり投稿していきます。

完結してる作品なので、完結は必ずします。


「」人のセリフ

()心の声

『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。


※私の小説のルールです。


楽しんでもらえると嬉しいです。

このエピーソードは少し話を増やしてます。

 ゼファー大統領の呼び出しを受け、ダイヤとルビィは実験エリアを後にした。


 灰白色の大地を背に、巨大な入口へと向かう二人の足取りは、どこか自然と速くなる。


 先ほどまでの実験の余韻――暴走。それらが、次の段階へ進む合図であることを、二人とも理解していた。

 惑星を救う計画は、すでに“実行段階”に入っている。

 

◆大統領府・執務室

 執務室に入ると、ゼファー大統領は二人を見るなり、視線をダイヤの髪に留めた。

 ゼファーはわずかに目を細めて言う。

「ほう?」

 ダイヤは首を傾げた。

「?」

 ゼファーは静かに続ける。

「ダイヤさんの髪の色が、変わりましたね」

 ルビィが軽く答える。

「副作用だったみたいです」


 ゼファーは二人を見比べ、静かに頷いた。

「並ぶと、やはりよく似ている」

 ルビィは楽しそうに笑う。

「でしょ?」

 ダイヤは一瞬だけ口を開きかけて――やめた。

 もう反論しない。


 ゼファーは表情を引き締め、本題に入る。

「明日、アーク帝国の艦が迎えに来る」


 ダイヤは即座に理解して言う。

「ヴェルデ自治共和国へ、だね」


 ゼファーは頷いた。

「そうです。ゲート建設のため、君たちの船から三名を派遣する」


 一拍置き、静かに続ける。

「人選は任せます」


 そして、少しだけ間を置いてから言った。

「また問題が一つ」


 ダイヤは眉をひそめる。

「何でしょう?」


 ゼファーは端的に告げた。

「通信だ」


 ダイヤは一瞬、言葉を反芻する。

「……通信?」


 ルビィの表情が変わる。

「……あ……」

 ルビィは思い出したように言った。

「そうだった……惑星アークスからルナストンに戻る時、使えなかった」

 ルビィは苦笑しながら続ける。

「実験に夢中になり過ぎて……完全に、そっちに意識がいってた」


 ダイヤは息を呑んだ。

「……私、全然気づいてなかった」


 ゼファーは淡々と説明する。

「太陽の影響で、惑星間無線が使用不能になっている」


 ルビィは低い声で言った。

「離れた惑星間で、連絡が取れないゲート構築は、成功率が落ちます」


 ゼファーは即座に肯定する。

「その通りだ」

 

 ダイヤは少し困ったように眉を下げつつも、前向きに応じる。

「一度研究室に戻って、みんなと知恵を絞ってみますね」


 二人は執務室を後にした。

 研究室へ向かう廊下で、ダイヤがふと小さく呟く。

「……次から次へと、難題ばっかり降ってくるね」


 すると、隣を歩くルビィがいたずらっぽく、にっこりと微笑んだ。

「こういう時こそ、面白い案が浮かぶものですよ」


 その言葉に、ダイヤも思わずニヤリと口角を上げる。

「どこかで聞いたことのあるセリフだね。……そうだね、フェザーやサイモン、アストラあたりなら、ひっくり返るような面白い案を出してくれるかも」


◆地下都市・研究室

 二人は戻るなり、ダイヤは全員を見渡して言った。

「まず、チーム分けを決める。私が決めていい?ルビィ」


 ルビィはすぐに頷く。

「いいよ、おばあちゃん」


 ダイヤは一瞬だけ止まり――

 そして、笑顔で返した。

「……はいはい」


 ダイヤは指を軽く立てながら告げる。

「巨大甲虫のネバネバとゲート通過実験は、私とフェザー。ルナストン市で」

 フェザーは腕を組みながら頷いた。

「了解」


 ダイヤは続ける。

「惑星側アークスでのゲート構築は、レオ、サイモン、アストラ。ヴェルデ自治共和国で」

 レオは短く答える。

「任せろ」

 サイモンも軽く手を上げた。

「了解だ」

 アストラは静かに告げる。

『問題ありません』


 ダイヤは最後に告げた。

「引っ越し先の惑星調査だけど――メンバーはルビィ、結依、大統領推薦のカイトさん。それに、ルナストン市と惑星アークスから派遣される数名を加えて、ルミナール号で向かって」


 大役を任された結依は、わずかに背筋を伸ばし、緊張の混じった声で頷く。

「了解……任せてください」

 そして、結依は隣に立つルビィへと視線を向けた。

 目が合うと、ルビィはいたずらっぽく、自信に満ちた笑みをニヤッと浮かべる。

「頑張ろうね、結依」


 チーム分けが終わり、ダイヤは一呼吸おいて言った。

「それから、もう一つ問題が……」

 ダイヤははっきりと言った。

「恒星の影響で、通信が使えない」


 フェザーが即座に反応する。

「……え?」

 フェザーは眉をひそめて続ける。

「それ、ゲート成功率……下がるわよ」


 結依は冷静に整理する。

「恐竜調査、居住可否の再確認、ゲート設置場所の選定……」

 結依は続けて言った。

「連絡が取れないのは、致命的です」


 レオが低く言う。

「情報は、生死を分けるぞ」


 サイモンは何も言わず、肩を落とした。


 重い沈黙が、研究室を包む。


 その中で――

 アストラが口を開いた。

『それは、簡単に解決できます』

 全員が顔を上げる。


 ダイヤが思わず聞き返す。

「え?」


 アストラは淡々と続ける。

『私の体は、分離可能です』

 研究室が静まり返る。


 アストラはさらに説明する。

『私の左手を、ルミナール号に持っていってください』

 誰も言葉を発さない。


 アストラは続けた。

『私は、オリオン博士の未発表の科学で、分離した体を操作しています』

 アストラは理論を示すように言う。

『恒星の影響で通信が使えないのに、私が活動できているという事は――』

『この技術は、ここの恒星の影響を受けていません』


 ルビィは息を呑む。


 アストラはさらに続ける。

『私の各部位には聴覚機能があります』

『話せるのは頭部だけですが、すべて頭部の思考回路と連結しています』

『左手でホログラムを出し、文字による最低限の会話や連絡が可能です』


 沈黙。


 ダイヤが、ゆっくりと笑った。

「それは、発想が人間じゃないね」

 ルビィは頷く。

「でも、現実的」


 フェザーは納得したように言った。

「通信が切れても、情報は生きる」


 アストラは結論を告げる。

『問題は、解決可能です』

 ダイヤはしっかりと頷いた。

「それでいこう」


 結依は、ルミナール出航時のことを思い出していた。

(オリオンさんの言う通り、本当にバラバラが役に立ってる……)


 ルビィがダイヤにそっと顔を寄せ、楽しげに囁く。

「……とんでもない案、出ちゃいましたね」


 その言葉に、ダイヤもたまらないといった様子で笑った。

「本当、面白すぎるよ。普通なら、誰も思いつかないって」


 それぞれが、それぞれの役割へと向かう。

 同じ目的のために。

 だが――

 その先に待つのは、未知の惑星、制御不能な技術、そして時間との戦い。

 すべてが同時に動き出す中で、誰一人として“安全な役割”は存在しなかった。


私からのお願いです。

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感想などもお待ちしてます。

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