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宝石(星)の系譜 〜50年前に遭難した伝説の探査船を見つけたら、17歳の祖母が船長として居座っていた件。未知の惑星を巡る異世界航海録~【御礼12万PV達成】【平日朝6時更新】  作者: 彩川準
【第一章】 宝石(星)の系譜/継がれる名、選ばれし者

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☆非常事態

◆星間探索士官学校――実戦訓練区画。


 警報が、唐突に鳴り響いた。

 けたたましいサイレンが空気を震わせ、訓練場にいた生徒たちが一斉に顔を上げる。

「なに……?」


 ざわめきが広がる中、天井のスピーカーから教官の声が流れた。

『全員、落ち着け。これは――』

 その言葉は、途中で途切れた。


 ノイズ。

 そして、別の声。

『……こちら管制。訓練用ドローン群が制御不能。現在、実弾モードに移行しています』


 一瞬の静寂。


 次の瞬間――

 爆発音。

 遠くの区画で、閃光が走った。


「嘘でしょ……実弾って……!」

 生徒たちの顔から血の気が引く。


 訓練用ドローンは、本来スタン弾しか撃てない。だが暴走状態で実弾。


 これは訓練ではない。本当に死ぬ。

 その現実が、訓練場の空気を一瞬で変えた。


 つまり――本物の戦闘。


「全員、退避しろ!」

 別の教官が怒鳴る。


 だが、その指示よりも早く、ルビィは動いていた。

「結依!」

「うん、分かってる!」

 二人は同時に走り出す。


 向かった先は、武装ロッカー。

 緊急用の実弾装備が格納されている。


「勝手に使ったら怒られるよ?」

 結依が軽く言う。


「生きて帰ってから怒られればいい」

 ルビィは即答した。


 ロッカーを開け、銃を手に取る。

 冷たい金属の感触。

 だが、迷いはない。


 そのとき――

 ドローンが一機、通路の奥から飛び出してきた。

 赤いセンサーが、こちらを捉える。


「来る!」

 結依が一歩前に出る。

 構える。

 引き金を引く。


 ――一発。


 ドローンのセンサー部を、正確に撃ち抜いた。


 爆ぜる火花。

 機体がその場で崩れ落ちる。


「……はや」

 ルビィが思わず呟く。


 結依は銃を下げない。

「まだ来るよ」

 その言葉通り、次の瞬間。

 三機、同時に現れた。

 通常なら、対処不可能な数。

 だが――

「右、任せて!」


「了解!」

 ルビィが横に滑り、位置を取る。

 同時に射撃。


 結依は一機ずつ、確実に“急所”を撃ち抜く。

 ルビィは動きながら撃つ。

 回避と射撃を同時にこなし、弾を無駄にしない。


「残り一機!」

 結依の声。

 だが、そのドローンは異常だった。

 急加速。

 一直線に、奥の避難途中の生徒へと突っ込む。

「まずい!」

 距離が遠い。

 間に合わない。


 ――その瞬間。

 ルビィが走った。

 迷う時間はなかった。守らなきゃ――それだけだった。

 無理な軌道で滑り込み、銃口を向ける。

「止まれっ!」

 引き金。


 だが――弾は外れた。

「……っ!」


 次の瞬間。

 乾いた銃声。

 ドローンのコアが、正確に撃ち抜かれる。


 崩れ落ちる機体。

 撃ったのは――結依だった。

 遠距離からの、完璧な一撃。

 この距離で急所を撃ち抜ける者は、士官学校でも数えるほどしかいない。


「ナイス」

 ルビィが息を整える。


 結依は軽く笑った。

「そっちこそ、無茶するね」

 だが、その目は鋭いままだった。

「……これ、ただの暴走じゃない」


 ルビィも頷く。

「うん。制御系統、完全に乗っ取られてる」


 教官の指示が来ない。

 管制も混乱している。


 なら――

「誰かがやらなきゃいけない。それなら、私たちが行く」

 ルビィが言う。


 結依は迷わなかった。

「当然!」

 二人は、さらに奥へと走り出した。


読んで頂きありがとうございます。

第一章の2話目。

ルビィの身体能力、結依の射撃スキルを書きたくて。

良かったら、次のエピソードも読んでくださいね。


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