☆大統領面会
一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿です。内容もボリュームアップする予定。1話ずつ、ゆっくり投稿していきます。
完結してる作品なので、完結は必ずします。
「」人のセリフ
()心の声
『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。
※私の小説のルールです。
楽しんでもらえると嬉しいです。
扉が開くと、カイトが振り返った。
カイトは穏やかな表情のまま、ゆっくりと口を開く。
「皆さん、準備はよろしいですか? 面会の場所まで案内します。その後は、大統領の部下たちに引き継ぐ予定です」
デバイスを手にしたサイモンが、驚いたように声を上げる。
「おお!……カイトさんの言葉が分かるっ」
その様子を見て、レオもわずかに目を見開いた。
デバイス越しとはいえ、これほど自然に言語が理解できるとは思っていなかったのだ。
乗り物は、未来的なカプセル型だった。地下都市の道を、滑るように進んでいく。
透明な壁越しに街の景色が流れていく中、ダイヤはカイトが連れてきたモコルを抱えたまま、無邪気に周囲を見渡していた。
――移動中
結依がレオに小声で話しかける。
「この都市の大統領、私たちに何の話があるのかな?」
レオは視線を前に向けたまま、落ち着いた声で答えた。
「カイトさんの話では、異銀河から来た俺たちに相談があるらしい」
やがて、チューブ型のカプセルは入り組んだ街並みを抜け、目的地へと到着した。
――外に出ると
そこには、正式な礼服に身を包んだ人物たちが整列していた。
六人を迎え入れるために、寸分の乱れもない配置で並んでいる。
カイトは一歩前に出て、一礼する。簡単な手続きを済ませると、部下たちへと役目を引き継いだ。
そしてダイヤへと視線を向ける。
「ここからは彼らにお任せください。安心してください。それと――その子は、私からダイヤさんへのプレゼントです」
モコルを軽く指し示しながら、続ける。
「受け渡しの手続きは、後ほど私が責任をもって行います」
ダイヤの顔がぱっと明るくなる。
「えー、いいの? ありがとう!」
嬉しそうにモコルを抱きしめ、そのまま周囲を見渡した。
レオ、ルビィ、結依の三人は、明らかに微妙な表情を浮かべていた。
だが、大事な面会を前にして、反対するタイミングを完全に逃してしまっていた。
礼服の一人が一歩前に出て、丁寧に告げる。
「それでは皆さん、こちらへ。私たちに続いてください」
ダイヤは黒髪を揺らし、モコルを抱えたまま歩き出す。目はきらきらと輝いていた。
「わあ、この建物も面白い!」
先導される形で、六人と一匹は広い通路を進んでいく。
壁には微光を放つ鉱石が埋め込まれており、幻想的な光が空間を満たしていた。
歩きながら、ダイヤはモコルをぎゅっと抱きしめる。
「モコル可愛い……」
その様子に、レオは苦笑を浮かべる。
「ダイヤ、落ち着け……。まあ、その余裕はダイヤらしいけどな」
通路はゆるやかなスロープとなり、地下深くへと続いていく。やがて、螺旋状の広間へと出た。
礼服の担当者が立ち止まり、静かに説明する。
「ここから先は、大統領直属の警備区域です。面会室はもうすぐです」
ダイヤは思わず声を漏らす。
「わあ、すごい……」
すぐ横で、ルビィが小さく釘を刺す。
「落ち着いてください、ダイヤさん。ここから先は本番です」
やがて一行は広間を抜け――
重厚な鉄製の扉の前へと到着した。
礼服担当者が静かに扉へ手をかける。ゆっくりと開かれたその先に、厳かな空間が広がっていた。
「こちらが大統領面会室です。どうぞ」
六人は、その奥を覗き込む。
部屋は円形のホールだった。
中央には大統領の席。
周囲には、階段状に配置された控え席。
――そして
すでに大統領は座っていた。一目で分かる威厳と存在感。場の空気そのものを支配しているようだった。
礼服担当者が静かに告げる。
「これより面会を開始いたします」
六人は指定された席へと案内される。
ダイヤは黒髪を揺らしながら、モコルを膝の上に乗せて座った。
ルビィはサイモンのデバイスを確認し、わずかに息を整える。
結依はレオの横に座り、小声で問いかけた。
「ダイヤさん、落ち着きないけど……大丈夫?」
レオはわずかに笑みを浮かべ、静かに答える。
「ダイヤは緊張感がないだけだ。大丈夫さ」
――こうして
カイトから礼服担当者へと引き継がれ、六人と大統領との面会が始まる。
幻想的な地下都市の空間。
黒髪のダイヤの無邪気さ。
ルビィの冷静さ。
そして、レオと結依のささやかな会話。
それらが静かに交差する中――
面会の幕が、ゆっくりと上がろうとしていた。
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