★選ばれた名前
一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿です。内容もボリュームアップする予定。1話ずつ、ゆっくり投稿していきます。
完結してる作品なので、完結は必ずします。
「」人のセリフ
()心の声
『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。
※私の小説のルールです。
楽しんでもらえると嬉しいです。
――時間は約一年、遡る。
◆選出式典会場
リトス銀河宇宙局の大ホールは、異様な静けさに包まれていた。数えきれない視線が壇上へと注がれ、誰もがその瞬間を待っている。期待と緊張が、空気そのものを張り詰めさせていた。
「初の別銀河宇宙探査に参加する三名を、発表します」
司会者の声が響いた途端、ざわめきがすっと消える。
「――ダイヤ・デズモンド」
一瞬の静寂。
次の瞬間、会場は爆発した。
拍手と歓声が渦を巻き、光が瞬く。無数の視線が、一人の少女へと突き刺さった。
ホログラムの拍手もホールを埋め尽くし、リトス銀河中に張り巡らされた中継回線が、少女の表情をリアルタイムで投影する
一六歳。
ダイヤ・デズモンドは、目を見開いたまま動けなかった。遅れて、胸の奥が強く脈打つ。
「……私が、選ばれたの……?」
自分の声が、どこか遠くに聞こえる。
やがて、その名は現実として彼女にのしかかった。
「レオ・ミラノ」
「サイモン・マクレーン」
続けて二人の名が呼ばれる。どちらも二九歳。経験豊富な人材として知られる男たちだった。
三名――。
初の別銀河探査チームが、正式に決定した瞬間だった。
「……流石だな、ダイヤ。一六歳で選ばれるなんてな」
レオが低い声で言う。
隣で、サイモンも小さく呟く。
「こりゃ、本当に時代が早まったかもな!」
その言葉に、ダイヤはわずかに笑みを浮かべた。
「ゴリにぃ(サイモン)、心配しないで」
ダイヤは満面の笑みで言う。
「私が、二人を引っ張るから」
サイモンは一瞬きょとんとしたあと、苦笑を漏らした。
「おう……頼もしいが、大丈夫なのか……?」
だが、その声にはどこか、期待も混じっていた。
――そのやり取りを、無数のカメラが捉えていた。
翌日。
リトス銀河中のニュースとホログラムが、一斉に彼女の名を報じる。
〈宇宙局最年少、一六歳。天才少女、ダイヤ・デズモンド〉
その扱いは、もはや宇宙飛行士でも、研究者でもなかった。
才能も、若さも、美貌も――すべてを兼ね備えた“完璧な存在”として。
ダイヤ・デズモンドは、メディアによってアイドルのように祭り上げられていく。
そして――
本人の知らぬところで、ダイヤ・デズモンドは“時代に選ばれた存在”として語られ始めていた。
それが何を意味するのかも知らずに。
伝説は、まだ始まってすらいない。
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