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宝石(星)の系譜 〜50年前に遭難した伝説の探査船を救助したら、17歳の祖母が船長として居座っていた件。未知の惑星を巡る異世界航海録~【御礼15万PV達成】【平日月曜の朝6時更新】  作者: 準
【間章参】宝石(星)の系譜/別々の空の下で

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188/221

✮分岐する調査線

更新


月曜〜土曜の朝6時に新エピソード1話


※日曜・祝日はお休みです。

◆ラストライト前線基地・作戦会議室

 一五名の戦死。

 青いハウンド。

 知性を持つ“ブレイン個体”。


 追悼の後、ラストライト前線基地ではすぐに作戦会議が行われた。


 理由は単純だった。

 敵は二つ。

 ネメシスと、アイオーン。


 ならば、こちらも動きを分けるしかない。


 クレアは基地防衛と全体指揮を担当し、基地へ残る。そして、調査部隊は二班へ分かれる事になった。


 A班。ネメシス調査班。

 リーダーはテスト。

 レオ、サイモン、サンチェス、〇七部隊の生き残りのアシュリーが同行する。


 そしてB班。アイオーン調査班。

 リーダーはアイダ。

 ダイヤ、ルビィ、結依、アストラが同行する事になった。


 その後。ルミナス号のメンバー六人は、一度艦へ戻る事になった。


◆ルミナス号・格納庫

 静かな格納庫。

 照明に照らされた機材群の間を、ルビィたちは歩いていく。


 アストラが淡々とコンテナを開いた。

『装備搬出を開始します』

 中には黒いバトルスーツが並んでいた。

 結依が一着を持ち上げる。

「これ久しぶりだね……」

 ルビィも苦笑する。

「ジュラシックアースの陣地拡大ミッションの時以来だね」


 アストラが説明する。

『対衝撃・対刃性強化仕様です』

『さらに、打撃接触時にかなりの電流を流します』


 サイモンがニヤッと笑う。

「犬を相手には良さそうだな」


 ダイヤはスーツを広げながら呟いた。

「服の下に着れるのは助かるわねぇ」

 レオも頷く。

「この星は気温が少し低いからな」

「逆に丁度いいかもしれん」


 その横では、アストラが次々と装備を並べていく。

 フォトン・ランサー(レーザーガン)。ライフル。予備弾倉。


 さらに。ルミナール号の三台の水陸空対応バイクも搬出された。


 結依が目を輝かせる。

「うわ、これ出すんだ!」


 ルビィが笑う。

「悪路多そうだしね」


 一方。別のケースを開いたダイヤが、小さく眉を上げた。

「……あ、これ持ってく?」

 中には、錠剤の薬などが並んでいた。


 ルビィが少し顔を引きつらせる。

「超身体能力解放薬……」


 結依が笑う。

「またヤバい薬だね、ジュラシックアースでは活躍したけど」


 ルビィは苦笑する。

「元祖フェザーさんの改良版ですね、お別れの前にこのケース渡されました」

「前より効果時間は短くなって、二〜三時間程度らしいです」

「ただ、個人差もあるそうで……」

 一拍。


「相変わらず、副作用は不明」


 結依がケースを覗き込む。

「数少ないんだね」


 ルビィがケースを開きながら答えた。

「全部で四錠だけ」

 一つ息をつき、続ける。

「A班とB班で、二錠ずつ分けよう」

 そう言って、ルビィは薬を二錠ずつ別のケースへ移し、その片方をレオへ手渡した。


 レオは受け取りながら、苦い顔をする。

「あまり使いたくはないな。副作用、個人差が激しかったし」


 結依が思い出したように苦笑する。

「ありましたね。髭が全部抜けたり、爪が光ったり、髪が真っ黒になったり……」


 ダイヤが首を傾げる。

「髭ない人は、代わりに髪が抜けたりして?」


 結依が即座に顔をしかめた。

「それは嫌だ……普通に困る」


 一瞬だけ、張り詰めていた空気に小さな笑いが広がった。


 アストラが補足した。

『改良版の副作用は現時点で未確認です』


 サイモンが吹き出す。

「それ、一番怖ぇやつだろ」


 そのときだった。

「きゅうっ!」

 格納庫の奥から、小さな影が飛んでくる。


「あ、フェザー」

 ルビィが抱き上げる。


 白い毛。丸い瞳。相変わらず、どこか気の抜ける姿だった。


 ダイヤが微笑む。

「この子も連れて行くわ」


◆ラストライト前線基地・第一ゲート前

 出発準備は、すでに整っていた。


 A班の面々は、それぞれセグダへ乗り込んでいる。

 一方。

 B班側では、ルミナス号の三台の水陸両用バイクが並んでいた。

 ルビィ。結依。アストラ。

 三人がそれぞれ跨る。


 フェザーは当然のように、ルビィの前へ乗っていた。


 その横では、アイダの大型セグダへダイヤが乗り込む。

 アイダが振り返った。

「……ん?」

「その小動物も連れてくのか?」


 ダイヤは当然のように頷く。 「うん」


 フェザーが「きゅっ」と鳴く。


 アイダは数秒見つめ――。

 そして普通に笑った。

 「可愛いから許可」


 クレアが呆れ半分に苦笑する。 「アンタ、本当に動物好きね……」


 すると。アストラが静かに補足した。

『フェザーは、以前滞在した惑星において』

『番兵、護衛、精神安定補助などを担当していました』

 一拍。


『万能型ペットのため、同行に問題はありません』


 サンチェスが吹き出す。

「万能型ペットって何だよ」


 フェザーは少し誇らしげに胸を張った。


 クレアは小さく息を吐き――そして、全員を見渡す。

「今回の目的は殲滅じゃない」 「情報を持ち帰る事を最優先にしなさい」

 静かな声だった。

 だが、その場の全員へ真っ直ぐ届く。

「ネメシスも、アイオーンも」 「私たちが知らない何かを、既に動かし始めている」

 一拍。


「必ず、生きて戻れ」


「「「了解!!」」」

 次の瞬間。

 ――ブォォォォン!!

 セグダの重低音。

 水陸両用バイクの駆動音。


 二つの調査班が、同時に動き出した。


 A班は、崩壊都市の深部――ネメシスの痕跡を追って。


 B班は、静まり返った管理区域――アイオーン側の領域へ。


 そして。  誰もまだ知らない。

 その先で待つものが、人類の想像を遥かに超えた存在である事を――。


8月1日2日は更新をお休みします。

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