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宝石(星)の系譜 〜50年前に遭難した伝説の探査船を救助したら、17歳の祖母が船長として居座っていた件。未知の惑星を巡る異世界航海録~【御礼15万PV達成】【平日月曜の朝6時更新】  作者: 準
【間章弐】宝石(星)の系譜/ラストライト前線基地

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178/221

✮ラストライトの門

更新


月曜〜土曜の朝6時に新エピソード1話


※日曜・祝日はお休みです。

◆ラストライト前線基地・第一ゲート

 ルミナス号がゆっくりと降下し、巨大な隔壁の前へ着陸する。

 ――ゴォォォ……。

 エンジン音が静かに消えていった。


 同時に、防壁上に並んでいた複数の砲台が、こちらを監視するようにゆっくり動く。


 結依が小声で呟く。

「うわ、めちゃくちゃ警戒されてる……」


 サイモンも周囲を見回した。

「そりゃ未知の宇宙船だからな」


 やがて、巨大ゲートの一部が開く。

 そこから、一人の男が姿を現した。

 派手な赤いロングコート。大量のアクセサリー。無精髭。そしてサングラス。

 どう見ても、終末世界の軍人には見えない。


 男は両手を広げた。

「おお〜っ!」

「なんだこのイカした船は!」


 結依が思わず言う。

「軽っ」


 男は気にした様子もなく近づいてくる。

「テスト!」

「入れ違いだったな!」


 テストが軽く眉を動かした。 「サンチェスか」


 サンチェスはニヤッと笑う。 「アリスベルが、ついさっき来てたぜ」

「クレアに何か報告に来たみたいだぜ」


 その名前を聞き、テストの表情が少し変わる。

「……クレアは今どこだ?」


「第三エリア」

 サンチェスは親指で奥を指した。

「〇七部隊と作戦会議中のはずだ」


 その横で、ダイヤが首を傾げた。

「アリスベルって?」


 アイダが答える。

「アイオーン製の人造人間」


 ルビィたちの空気が少し変わる。


 アイダは続けた。

「でも、人類側についてくれてる」


 結依が目を瞬かせる。

「えっ」


 アイダが苦笑気味に言う。

「アイオーンにとっては欠陥品らしい」

「感情や人格が、人間寄りになりすぎた」


 テストも低く続けた。

「結果、アイオーンを裏切った」


 サイモンが腕を組む。

「そんなことあるんだな……」


 だが、次のアイダの言葉で、空気が変わった。

「アリスベルは強いぞ!」

「レヴロストなんかより、ずっとな」


「……は?」

 結依が固まる。


 ダイヤもさすがに驚いた顔をする。

「いやいや」

「レヴロストより上って、かなりヤバくない?」


 レオも静かに目を細めた。

「人造人間の上位個体か」


 サンチェスが陽気に笑う。 「おっかねぇぞ〜?」

「うっかり喧嘩売るなよ、嬢ちゃんたち」


 結依が即座に反応する。

「誰が嬢ちゃんですか!」


「全員だろ?」

 サンチェスがケラケラ笑う。

「俺もクレアの所行くわ」

「宇宙から来た連中とか、面白そうじゃねぇか」


 その横で。ルビィは基地内部を見回していた。

 防壁の内側。そこには、多くの人々がいた。

 武装した兵士。整備士。物資を運ぶ人々。そして――普通の住民たち。


 レオが静かに呟く。

「……思ったより多いな」


 ルビィも小さく頷いた。

「子供もいますね……」


 一〇歳前後と思われる子供たちが、こちらを遠巻きに見ている。

 その中の一人の少年が、おそるおそるテストへ近づいた。 「ねぇ」

 一拍。


「その人たち、宇宙から来た人?」

 周囲の空気が少し静かになる。


 テストは短く答えた。

「……そうだ」


 少年の目が輝いた。

「本当に!?」


 その隣の少女も驚いた顔をする。

「宇宙船、本物だったんだ……」


 結依が苦笑する。

「なんか有名人みたいになってる」


 サンチェスが笑った。

「そりゃそうだ」

「この星じゃ、“空の向こう”なんて、もう伝説みたいなもんだからな」


 その言葉に、ほんの少しだけ。  場の空気が重くなる。


 テストが歩き出した。

「行くぞ!」


 一行は基地内部へ入っていく。

 厚い隔壁。金属製の通路。天井を走る配線。ところどころ火花を散らす古い照明。


 だが、その中には確かに“生活”があった。

 食料を運ぶ者。武器を整備する者。疲れ切った顔で座り込む兵士。


 結依が周囲を見回す。

「ほんとに、戦争中って感じ……」


 アイダが静かに答えた。

「実際、ずっと戦争中だからね」


 サンチェスが前を歩きながら笑う。

「まぁ暗い顔すんなって!」

「死んでないうちは何とかなる!」


 サイモンが苦笑した。

「適当だな、このおっさん」


「誰がおっさんだ」

サンチェスが即座に反応する。

「オイラは、まだ現役バリバリだぞ!」


 ダイヤがニヤニヤしている。 「この人、嫌いじゃないかも」


 アイダが付け加える。

「サンチェスは、武器ショップを経営してた男だ」

「こんな感じなのに、射撃も上手いし、武器のカスタマイズの知識も高い」


 結依が興味深い顔で言う。

「今度、ここの星の武器見せてください」


 サンチェスはまたケラケラ笑いながら言う。

「嬢ちゃん、武器好きなんだな」

「今度、俺のコレクション見せてやるよ」


 しばらく歩き。一行は、重厚な扉の前へ辿り着いた。


 テストが立ち止まる。

「……ここだ」

「クレアがいる」


 扉の向こうから、複数人の話し声が聞こえてくる。

 緊張感のある空気。


 テストが扉へ手をかけた。

 そして。

 ――ウィィン。

 扉が開く。


 その先。大型モニターが並ぶ会議室。

 無数の戦術マップ。

 武装した兵士たち。

 そして中央に、一人の女性が立っていた。

 鋭い視線。赤みがかった長い茶髪。黒い軍服。

 彼女はゆっくりと振り返る。

 その瞳が、ルミナス号の六人を捉えた。

「……その者たちが、“外”から来た人間か」

 静かな声だった。


 だが。その場の空気を、一瞬で支配するほどの存在感があった。


報告させてください。

2026年7月18日の21〜23時くらいの間で、新作の小説を10話くらいアップします。

それに先駆け、1話目を2026年7月17日朝7時にアップします。


『天使を殺す契約をした』 ~たとえ神を敵にしても~


現代バトルのローファンタジーになります、

良かったら、こちらも読んでみてくださいね。

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