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宝石(星)の系譜 〜50年前に遭難した伝説の探査船を救助したら、17歳の祖母が船長として居座っていた件。未知の惑星を巡る異世界航海録~【御礼15万PV達成】【平日月曜の朝6時更新】  作者: 準
【間章零】宝石(星)の伝説/黒い惑星と黒い兵士

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★影たちの拒絶の合図

◆黒い惑星――港

 五体――。

 その数に、さすがの三人も一瞬だけ言葉を失った。


 ダイヤが小さく息を吐く。

「……増えてるね」


 サイモンが低く言う。

「さすがに五は想定外だな」


 レオの視線はすでに全体を捉えていた。

「配置が違う。三と二……役割分担している可能性が高い」


 ダイヤが一歩前に出る。

「とりあえず――話してみる」

「おーい!」

 声を張る。

「敵じゃない! 交渉したい!」


 沈黙。


 五体は微動だにしない。

 サイモンが小さく呟く。

「……ダメか」


 次の瞬間。

 動いた。

 前に出たのは、長身の三体。

 約一九〇センチの個体。


 残る二体――一七〇センチほどの小柄な個体は、後方で様子を見ている。


 レオが短く言う。

「来るぞ」


 地面を蹴る音。

 三対三。

 戦闘が始まった。


 序盤は、完全に一対一。


 サイモンが正面の一体を掴み、力任せに投げ飛ばす。

「オラァッ!」

 鈍い音と共に、黒い影が地面に叩きつけられる。


 サイモンはすぐさま距離を詰め、拳を叩き込む。

「どうした!昨日より軽いぞ!」


 一方、レオは流れるような動きで攻撃をいなしていた。

 コンビネーションで間合いを崩し――左のハイキック。


 ――ガツンッ!!

 クリーンヒット。

 相手の頭部がわずかに揺れる。


「……入ったな」

 レオは冷静に次の動きへ繋げる。


 ダイヤは――

 笑っていた。

「遅い遅い」

 迫る攻撃を、紙一重でかわし続ける。

 拳も、蹴りも、そして――尻尾の一撃も。

「それ、もう見た」

 ダイヤは体をひねり、尻尾を回避。

 そのまま足をかける。

 相手の体勢が崩れた瞬間――

 ダイヤは相手の力を利用して軽く投げる。

「はい、いってらっしゃい」


 前回とは明らかに違う。

 三人とも、優勢だった。


 だが。

 変化は、唐突に来た。

 三体のヘルメット。

 その“目”の部分が――

 淡く光る。


「……来るぞ」

 レオの声が低くなる。


 次の瞬間。

 動きが変わった。

 速い。

 重い。

 そして――連携。


 サイモンが腕で受ける。

「くっ……!」

 衝撃が抜けない。

「おい、これ……!」

 さらに追撃。

 連続で押し込まれる。

「スピードもパワーも上がってやがる!」


 レオが横から声を飛ばす。

「ガードするな!」

 一拍。


「距離を取ってかわせ。ガードの上から削られる!」


 サイモンが舌打ちする。

「ちっ、了解!」


 ダイヤも押され始めていた。

 だが――

 まだ、余裕はある。

 ギリギリでかわし続けながら、位置を調整する。


(……今)

 背後に回る。

 尻尾の付け根。

 一瞬の隙。

 ――カチッ。

(よし!)

 発信機を取り付けた。


 その瞬間。

 戦闘が、止まる。


 後方にいた二体が、前に出てきた。

 小柄な個体。


 五体が、一列に並ぶ。


 静寂。


 そして――

「……レグラ、ラルシス……」

 低く、機械のような声。

 だが、意味は通じない。


 ダイヤたちも顔を見合わせる。

「……今、喋ったよね?」


 サイモンが眉をひそめる。

「けど、何言ってるかさっぱりだ」


 ダイヤが手振りで示す。

「えっと、話したい、って――」

 ジェスチャー混じりに話す。


 だが、反応はない。

 小柄な二体が、同時に動く。

 ホルスターから少し変わった形の銃を抜く。


 サイモンが身構える。

「来るぞ!」


 だが――

 銃口は、三人ではなかった。

 海。

 遠く、かなり離れた位置。

 ――パンッ。

 乾いた音。


 直後、

 ――ドンッ!!

 爆発。

 水柱が高く上がる。


 サイモンが目を見開く。

「……は?」

 一拍。


「こいつら……武器使わずに戦ってたのか?」


 レオが静かに言う。

「……その可能性が高い」


 サイモンが苦く笑う。

「まだ本気じゃねぇ、って言いたいわけか」


 ダイヤも小さく頷く。

「たぶんね」


 沈黙。


 黒い個体の一体が、ゆっくりと手を上げる。

 そして――

 ルミナス号の方向を指す。

 続けて、自分たちから離れるような動作。

 明確なジェスチャー。


「……帰れ、ってこと?」

 ダイヤが呟く。

 そのとき。

 背後の機械。

 その影が、わずかに動いた。


 ――ギィ……。

 隠し扉。

 開く。


 そこから、もう一体。

 小柄な黒い個体が現れる。


 レオが低く言う。

「……地下か」

 一拍。


「基地……あるいはシェルター」


 新たに現れた個体。

 手にしているのは、小型の銃。


 それを――

 ダイヤたちの足元へ。

 ――パンッ!


 弾が地面を弾く。

 威嚇。


 再び、同じ手を動かす。

 そのジェスチャーは離れろ。帰れと言っているように。


 三人は、顔を見合わせる。

 サイモンが低く言う。

「……六対三は、さすがに分が悪いな」


 レオも頷く。

「目的は達成している」


 ダイヤが小さく息を吐く。

「……だね」

 一拍。


「戻ろっか」


 三人はゆっくりと後退する。

 黒い個体たちは、追ってこない。

 ただ、じっと見ているだけ。


 三人はルミナス号へ。

 静かに戻っていく。



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