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☆ジュラシックアース・街づくり現場③

一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿です。内容もボリュームアップする予定。1話ずつ、ゆっくり投稿していきます。

完結してる作品なので、完結は必ずします。


「」人のセリフ

()心の声

『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。


※私の小説のルールです。

 ――恐竜の糞問題。

 街の中央広場で作業が進められていた。

 資材の搬入、仮設設備の設置、通路の整備。


 ようやく“街らしさ”が見え始めた矢先――


 アンデルが、空気を切り裂くような声を上げた。

「うわあああ!やべぇぇぇ!!」

 現場の全員が一斉に振り向く。


 その先にあったのは――

 巨大草食恐竜の群れが通り過ぎた跡。

 地面一面に、見事すぎるほど一直線に続く“肥料ライン”。

 あまりにも規模が大きすぎて、誰もすぐには言葉が出なかった。


 結依が額に手を当て、深く息を吐いた。

「またですか……」

 静かだが、明らかに疲労がにじんでいる。


 サイモンが腕を振り上げて叫ぶ。

「しかたない、これは自然の摂理……いや、仕事的には大問題だな!」


 アンデルも同調するように声を張る。

「敵より手強いな、自然は!」


 ガストは耐えきれず、片手で鼻を押さえながら笑う。

「これぞ、ジュラシック・アースの風物詩!」

「これ、勲章もらえます? “対糞作戦参加章”とか」


 誰も否定しないあたり、現場の余裕はすでに限界だった。

 さらに悪いことに、風が吹いた。

 現場全体に、圧倒的な存在感が広がる。


 シロッコが顔をしかめる。

「うっ……風向きが最悪だ……」


 ゼンが少し距離を取りながら呟く。

「これ、自然現象のレベル超えてるっす……」


 アンも腕を組み、真顔で頷いた。

「この量が戦略兵器級だすな」

 一瞬、誰も動かない。


 そのとき――

 ルビィが一歩前に出た。

 黒髪を揺らしながら、現場全体を見渡す。

 そして、状況を一瞬で整理するように視線を巡らせた。


 ルビィが軽やかに言う。

「よし、対応しましょう」

 その一言で、空気が切り替わる。

「掃除班と作業班を交互に動かす」

「完全除去は後回し。まず“通れるライン”を確保する」


 次々と指示が飛ぶ。

 ルビィがサイモンを指差す。

「サイモンさん、掃除用ケーブルとブラシを用意して!」


 サイモンが即座に頷く。

「任せろ!」

 巨大ブラシを肩に担ぎ、そのまま豪快に走り出す。

 途中で少し滑りかけたが、気合いで踏みとどまる。


 ガストがそれを見て笑う。

「おお、すげぇ! すでに戦ってるな!」


 ルビィが次の指示を出す。

「結依、アストラは作業ゾーンの安全確認!」

「飛散防止、今すぐに!」


 結依が即座に動く。

「了解!」

 簡易ネットを展開し、風下に防壁を作る。


 アストラが静かに補足する。

『バリア展開開始。飛散予測範囲、半径一五メートル』

 透明な防御膜が、現場を覆うように展開される。


 サイモンがブラシを振り下ろす。

「おおおおおお!!」

 しかし、豪快すぎる一振り。

 その結果――

 一部がきれいに飛び散った。

 全員が一瞬、固まる。


 結依が即座に叫ぶ。

「バリアしてるからって、豪快すぎでしょ!!」


 ガストが腹を抱えて笑う。

「飛び散り方、芸術点高いな今の!」


 サイモンが申し訳なさそうに言う。

「すまん、力加減ミスった!」


 ルビィは一瞬だけ額に手を当てたが、すぐに立て直す。

「ブラシは押すように使って! 振り回さない!」


「了解!」

 サイモンが素直に従う。


 徐々に、現場は秩序を取り戻していく。

 掃除班が通路を確保し、作業班がその後を追う。

 完全に止まっていた工事が、再び動き出す。


 ルビィはさらに一歩踏み込む。

「それと――これ、回収して」

 全員が一瞬止まる。


 ルビィが平然と続ける。

「分析して肥料にする」


 アストラが即座に反応する。

『有機資源として再利用可能。作物成長率向上が期待されます』


 アンデルが呆然と呟く。

「ルビィ、すごいな……糞ですら計画に組み込むとは」


 ガストがブラシを振りながら笑う。

「いやー、恐竜の贈り物がこんなに役立つとは!」

「ルビィ女史、最高!」


 サイモンも満足そうに頷く。

「ルビィちゃん、天才だな」


 結依が少し笑いながら言う。

「街づくりって、こういうのも含むのね……」


 現場には、さっきまでの混乱が嘘のように、一定のリズムが戻っていた。

 誰もが忙しく動きながら――

 どこか笑っている。


 こうして、ジュラシックアースの街では、“恐竜の糞問題”すら、ひとつの資源として組み込まれていった。


 黒髪のルビィの現場判断は、またしても記録される。

 後に――

 “ジュラシックアース都市ルール”

 資源循環項目・第一号として。



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