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☆プロトコルの代表

一度完結しましたが、ブラッシュアップしての1話目、【第零章】から再投稿です。内容もボリュームアップする予定。1話ずつ、ゆっくり投稿していきます。

完結してる作品なので、完結は必ずします。


「」人のセリフ

()心の声

『』通信などの機械音、ほかの人が言った言葉をそのまま入れるとき。


※私の小説のルールです。

 ダイヤは、草原の一角で代表格の恐竜たちと向き合っていた。

 首をわずかに傾け、低く息を吐く。

 鳴き声ではない。体の動きで示す合図。

 風が吹き、草が波のように揺れる。

 遠くの空には、翼を広げて旋回する翼竜の影が、いくつも重なっていた。

 空も地上も、ひとつの意思で編まれた秩序が保たれている。


 静かなのに、張り詰めている。

 無音なのに、会話がある。


 ダイヤはその中心に立っていた。

 しばらく観察したあと、小さく息を吐く。


 ダイヤが確信を込めて呟く。

「やっぱり代表格は一〇匹いる」

 視線をゆっくり巡らせる。

「地上に九、空に一」


 ダイヤが分析を続ける。

「全員、役割が違う。空も含めて、全体のバランスを見てる」


 その様子を、少し離れた位置からフェザーとクラウドが見守っていた。


 クラウドは双眼鏡を下げ、額の汗を拭き、引き気味に言う。

「一〇匹もぉ〜……!? しかも、空もいるとかよぉ〜……そりゃ一人じゃ、無理だよぉ〜」


 フェザーも呆れ半分、納得半分といった顔で頷く。


 ダイヤはその言葉に、少しだけ微笑む。

 そして、首を横に振り穏やかに言う。

「うん。私ひとりじゃ、この関係は続かない。それに……私もいつか旅立たないと」

 その一言で、空気がほんの少しだけ変わる。


 フェザーは端末を握りしめながら、現実的な判断を口にした。

「じゃあ、交渉役を増やす?」


 ダイヤが迷いなく答える。

「そうだね」

 そして、一歩踏み出しながら続ける。

 ダイヤが指折り数えるように言う。

「ルミナール号に乗っていた軍人二人、SWAT三人、カイト、科学者チーム三人……合わせて九人を招集する」


 フェザーが小さく眉を上げる。

 

 ――ダイヤは少しだけ、いたずらっぽく視線を向け、はっきりと言う。

「そして、もう一人は――クラウド」


 一瞬の沈黙。


 クラウドの動きが、完全に止まる。そして、素っ頓狂な声を上げる。

「え……私もやるんですかぁ〜?」


 フェザーが当然のように言う。

「当然よ」

 さらに追い打ち。

「ダイヤを補佐して、将来的には代わりも務めるのよ」


 クラウドが全力で拒否する。

「いや、無理ですってぇ〜……私、交渉なんてぇ〜」


 そのとき、近くの恐竜がドン、と地面を踏み鳴らす。

 クラウドがビクッと肩を揺らす。そして、小声で言う。

「ほらぁ〜!今の絶対“やれ”って言ってますよねぇ〜!?」


 フェザーがため息まじりに言う。

「言ってない」

 だが、次の瞬間。

 フェザーが腕を組み、少し口調を変える。

「『やれって言ってるだよぉ〜!』」

 フェザーがクラウドの真似して言った。


 クラウドは大きなため息を一つ。

「はぁ〜」


 ダイヤが、まっすぐクラウドを見て、静かに言う。

「クラウド。あなたならできる。私は信じてる」


 クラウドは言葉を失い、俯く。


 しばらく、沈黙。

 遠くで翼竜が一声鳴いた。


 クラウドが小さく呟く。

「……嫌ですよぉ〜」

 弱々しい声。

 だが、逃げてはいない。


 ダイヤは一歩だけ近づき、優しく言う。

「無理にやらせる気はない」

 一拍。


 そして、少しだけ寂しそうに続ける。

「でも、私はもうこの星にずっといられない」


 クラウドの肩が、わずかに揺れる。


 ダイヤがまっすぐ伝える。

「だから……あなたが必要なの」

 その言葉は、軽くなかった。


 クラウドは目を閉じる。

 深く息を吸う。

 そして――

 観念したように顔を上げた。

 クラウドが決意を込めて言う。

「わかりましたぁ〜。やりますよぉ〜」


 その声に、恐竜の一体が静かに首を傾けた。

 まるで、“確認した”と言わんばかりに。


 ダイヤが柔らかく言う。

「ありがとう」


 風が吹き抜け、草原が一斉に揺れた。

 空の翼竜が円を描くように旋回する。

 地上の代表格たちは動かない。


 だが――

 拒絶も、警戒もない。

 ただ、そこに“受け入れられた配置”があった。


 ――こうして、地上と空を統括する恐竜たちの前に立つ代表チームが整った。


 ダイヤたちの旅立ちに備え、クラウドはゆっくりと――

 しかし確実に、その役割を引き受ける覚悟を決める。


 クラウドが遠い目で言う。

「……あのぉ〜、研修とかありますぅ〜?」


 フェザーが即答する。

「実地訓練するよ」


 クラウドが固まる。

 ちょうどそのタイミングで、代表恐竜がドン、と地面を踏み鳴らした。


 クラウドが青ざめる。

「開始早くないですかぁぁぁ〜!?」


 ダイヤは、少しだけ肩を揺らして笑った。


私からのお願い。

もしも、気にっていただけたら

★★★★★の評価と、ブックマークなどお願い致します。

感想などもお待ちしてます。


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