第7話 その名はウロボロス
「そうか、シャドウは引退していたのか…… 仕方ない。俺達だけで何とか聖櫃までたどり着くしかないな、メーサ」
ナイトはそう言って肩を落とし、ため息をついた。
「だね…… と言うわけでララちん、僕らもララちんの作る新生チームに入れてよ」
メーサはナイトの言葉にそう続けにっこり微笑んだ。イチイチなんだけど…… そんな仕草は本当に人間の可愛い女の子って感じだ。
「そりゃもちろん歓迎よ、コッチも魔導士居なくて詰まってたとこだし…… あ、でもあんた達、レベルって一体いくつなの?」
と、ララが2人に質問した。そうそう、それだよ。この2人のレベルが俺らの携帯からじゃ見えないんだ。どうなってんの?
「レベルかぁ…… ねえナイト、僕達ってレベルいくつくらいかなぁ?」
とメーサがナイトに質問。オイオイ、なんだその質問は?
「そうだな…… 俺は前は40越えてたけど、今はあそこまでの力は出て無い気がするしなぁ…… でもたぶん35は越えてると思う。メーサは全呪文を唱える事が出来るし、魔力もそこそこあるだろ? う~ん、間取って38ぐらいにしとく?」
とナイトは腕組みしながら考えつつ、メーサにそう返した。
間取るって意味わかんねぇ……
「ふ~ん…… じゃ、レベル38って事で♪」
ナイトの意見を聞き、メーサは軽い口調でララにそう答えた。
なんじゃそりゃ……!?
「ちょ、ちょっと待ってくれ、もしかして2人とも自分のレベルがわからないのか?」
俺は思わずそう言った。そんなプレイヤーが居てたまるかぁ~っ!
「実はその通り。つーか『レベル設定』自体今の俺らには無いのかもしれない。何せインナーブレインを介してこの世界にいる訳じゃないしな。だからシステムがその部分を上手いこと処理できなくなってるんじゃないか? いわゆるバグだな」
ナイトは自分なりの分析結果を述べた。なるほど…… ってそんなのアリ!?
「あ、ちょっと待って……」
するとメーサがそう言って目をつぶり、こめかみに右手の指を添えて、もごもごと唇を動かしている。あまりに声が小さいのでなんて言ってるかわからない。
「んと…… よし、はいOK。今キャラ管理のファイルにアクセスしてレベル設定を追記しといたよん♪ どう? 2人ともレベル38って表示されてるでしょ?」
俺はメーサのその言葉を聞き、もう一度自分の携帯の表示を見る。するとメーサとナイトのレベル表示が38となっていた。そんなアホな……
「あーっ いいないいなーっ! ねえメーサ、あたしのレベルも上げてよ~ こう40ぐらいにささぁっとさ?」
とララ。いやそれはダメだろマジで!
「それはダメ。僕がやったのは単にレベル表示を追記しただけだもん。流石にレベルそのものをいじっちゃうと管理側にバレちゃうよ。下手したら不正対象でデリートされかねない。地道に経験値稼いでレベルアップするしかないよ」
メーサは肩をすくめてそう答えた。当たり前だ、そう簡単に不正が通るわけ無いじゃん。
「そっかぁ…… あ、じゃあさ、銀行のサーバ侵入してあたしの貯金ゼロ3っつぐらい増やしてよ~ お願いっ!」
ララ、それ犯罪だからさ……
「馬鹿言うな。そんなことやったら普通にヤバイ。引き受けちゃダメだぞ、メーサ」
ともっとも常識的な理由でララのお願いを却下するナイトに「ケチィ~」と不満を漏らすララ。メーサもナイトの言うことには素直に従うらしい。何か兄妹みたいだな、この2人。
「さて、これで6人、チームとしての体裁は一応整ったわね」
ララはそう言って一同を見回した。するとナイトが不思議そうに首を傾げた。
「6人? 此処に居るメンバーの他にもう一人いるのかい?」
そうだ、ゼロシキのこと忘れてたよ。
「あ、ララ姉さん、俺ひとっ走りして呼んでくるッスよ」
とスエが席を立つ。まるで忠犬だな……
「その必要は無いわ。居るんでしょ? ゼロシキ」
まるでララのその声に答える様に、ララのすぐ後ろから声が掛かった。
「……いつから気づいていたんだ?」
その声と共に、ララの背後の空間から、黒ずくめの人影がスルリと現れた。いや、沸いて出たって言った方が良いかもしれない。
「さっきスエの手に火がついた時、空気が微かに揺れたからね。確証は無かったけど多分そうじゃないかなぁって…… あたしもなかなかでしょ?」
ララってやっぱりすげぇ…… 俺全然気が付かなかった。
「ふん、たまたまヤマカンが当たっただけだろ」
ゼロシキはそう言って黒ずくめの頭巾を被ったままテーブルの空いている席に着いた。「彼がもう一人のメンバー、ガンナーのゼロシキ。彼傭兵なの。で、今回は傭兵としてあたしらのチームに参加することになってるのよ」
ララの説明にナイトとメーサはゼロシキをしげしげと見ていた。
「傭兵ガンナーのゼロシキ…… 変わったHNだな。それに『愚者のマント』なんて今時珍しい」
ナイトはそう言って口元を薄く歪めつつ、ゼロシキを観察するように見ていた。
今ナイトが言った『愚者のマント』とは、セロシキが装備しているマントのこと。このマントは通常肩口に装備して歩く分には普通の黒いマントにすぎないのだが、頭からすっぽり被るとその表面が周囲の風景を読みとって映し出す『擬態』という特殊効果を備えたマジックアイテムなのだ。以前のバージョンではそこそこ数が出回っていたのだが、大型バージョンアップ以降では入手が極めて困難なレアアイテムになってしまった。プレイヤー同士のオークション、いわゆる『プレオク』でもなかなかお目にかかれない喉手な一品だ。まあ、遠距離から狙い打つガンナーには至高の装備と言っていいな。
「彼が使っている撃滅砲が『龍牙零式』って言う古いタイプの撃滅砲でね。そこから取ったHNなのよね」
ララがそうナイトに説明した。
「龍牙零式とはまた古いな…… おたく、登録はバージョン2.0以前からのキャラなのか? なら俺ともどこかで会っているかな?」
ララの説明を聞きながら、ナイトはさらにゼロシキに質問する。
「龍牙零式は威力が高く使える弾が豊富だが連射が出来ない半自動式だ。オマケに弾がでかいから装弾数も6発しか無いしリロードも弾倉式じゃないから長くなりがちだ…… バージョン2.4以降に普及したライトキャノン系の方が遙かに使いやすいだろうに…… 何故そんな骨董品を使ってるんだ?」
そう言うナイトを、頭巾から覗く瞳でチラリと見て、ゼロシキは静かに答えた。
「この零式砲は去年知人から譲って貰った中古品だ。元々俺が使っていた物じゃない。使い慣れているから使っているだけだ。それに、悪いが過去に会った奴の顔をイチイチ憶えていられるほど俺は器用じゃない」
ナイトの質問にゼロシキはそうぶっきらぼうに答えた。
「それに、他人のことなど別段興味もない…… あんたらがAIだろうが、ロストプレイヤーだろうが俺には関係ない。フィールドに立てば同じ事だ……」
頭からすっぽり被った黒頭巾のせいでその表情も伺えない。色といい格好といい、何だか戦国時代の忍者みたいだな。
「なるほど…… けど俺はあんたに何となく興味が沸いてきたよ。これから一緒に仲間でやっていくんだ。今後のカミングアウトに期待しても良いかな?」
ナイトはそう言いながら爽や成分100%の笑顔を投げかけるが、当のゼロシキは腕を組みながらそっぽを向いていた。
「ふん、勝手にしろ…… 期待するのは自由だが、俺から語ることは何もない」
う~ん……
ゼロシキってあんまり人付き合いが上手じゃなさそうだ。ネストで他の傭兵達から聞いた言葉の意味が何となくわかる気がする。きっと友達少ないんだろうな。ま、俺も人のこと言えないけどね……
そんなゼロシキに妙な興味を持つナイトとは裏腹に、メーサは「変な奴……」と呟きながら、またビネオワをストローですすっていた。ナイトと違ってそれほど興味を感じなかったらしい。
「これで全員揃ったわけね。でも…… こう見たらなかなかのキックオフメンバーじゃない?」
ララの言葉に俺は一同を見回し頷いた。
「いやいやララ、なかなかどころか滅多に無い高レベルチームだよ。昨日この店でスエと2人でやさぐれていたのが嘘みたいだ」
俺は素直に感嘆してそう答えた。メンバーで一番レベルが低いのが俺なわけだが、低くてレベル24だ。さらにサーティーオーバー【レベル30以上】が3人。それも魔導士に魔法剣士にモンクつーバラエティに富んだ陣容だ。なんと言っても素性はどうあれ、サーティーオーバーの魔導士が在籍しているのがすげぇ。そんなチーム滅多にいないよ実際。何か一気に聖櫃への道のりが近づいた気がする~♪
「まあね、ラグナロクの結成時よりトータルスコアは高いか。何せ当時あたしはレベル1だったし♪ 懐かしいな~」
―――――はぁ!?
「あははっ! そのギャグウケたッス~ いくら何でもレベル1はないっしょ」
とスエゾウがすかさずツッコミを入れたが、ララは笑って返答する。
「ギャグじゃ無いわよ。ファーストクエストはレベル1でボスサイ狩りに行ったの。パンチヒットしても全然効かなくてさ~ 一瞬で灰にされちゃった。あの頃は日に2,3回は死んでたわ。あははは~っ」
その言葉に俺とスエは言葉を失った。
マ、マジかよ……っ!
レベル1でクラスAのフィールドに立つなんて正気の沙汰とは思えない。ボスサイとは正式名称ゲノ・グスターファというサイに似たセラフでレベル3クエストのボスセラフである。レベル1じゃ奴の攻撃をかすっただけで即死は免れないはずだ。そんなの相手に効かないとはいえ、攻撃をヒットさせるなんてあり得ない……
「死ぬ度に胃の中の物戻しちゃうじゃない? 2週間で5キロは痩せたっけ…… でもその甲斐あってか2週間でレベル20近くまで上がったわ」
ララはそう言って笑いながら料理を口に運ぶ。スタミナ満タンなのに何で食べてるの? つー素朴な疑問はこの際スルーだ。
「何でそんなスパルタな成長なんだよ……」
とスエゾウが呟いた。確かにその通りだ。
セラフィンゲインは限りなく現実に近い仮想体感システムだ。数々の現実では考えられない超常な現象や体感はあるものの、基本的な物理法則や生理現象は現実のそれと変わらない体感を得ることが出来る。それはこの世界で嗅ぐ臭いや口にする食料の味にまで及ぶ高度な物だが、つまりそれは体に受けるダメージも同じ事で、やられて怪我をすれば当然痛い。この限りなく現実に近い体感の中で受けるダメージはまた格別に恐ろしいのだ。
確かに脳内に投影されるイメージなので現実側の肉体には何の損傷も無いのだが、その感じる痛みは現実の物と大差ない。俺など前にギガトールと呼ばれる龍系のセラフに片足を食いちぎられた時などは、正直失禁してたし、覚醒してからも膝上に鈍い痛みが残っていたほどだ。ましてや死に至るダメージなど想像を絶する恐怖を伴うのだ。
この『死の体感』については昔は各方面からのバッシングも多かったと聞いたことがあるし、今でもたまに3流雑誌で叩かれてる記事を目にする事がある。
まあそういった恐怖を勇気で乗り越えて初めて、他のプレイヤーから認められるつーのがここ、セラフィンゲインの暗黙のルールであり、『真の勇気が試される場所』つーコピーの由来でもあるわけだ。
しかし何も初めからあえて『確実な死』の洗礼を受ける訳もないので、初心者はクラスCの下位クエストから順番にこなしてレベルを上げていくのが一般的なのだが、今の話が本当なら、ララはそこをすっ飛ばしていきなり最上位のクエストに挑んだと言うことになる。ボスどころかその辺を徘徊する雑魚セラフの軽い一撃でさえ確実に死亡するはずで、下手をしたら5分と生きていられないレベルだ。いくら強力なチームメンバーと行動を共にしているからとはいえ、ハッキリ言って無茶を通り越して無謀と言えるだろう。
そんな中で揉まれてきたララだけに今の強さも頷けるが、その方法を選択したチームのドSさに戦慄を憶える。やっぱ伝説になるチームはハンパねぇな、実際……
「さぁ~て、メンバーも一通り集まったことだし、チーム名を決めちゃおっか?」
ララがテーブルの料理を食べ終え、一同を見回しながらそう宣言した。
「しかし、どんなチーム名にするかだな。前のチーム名は酷かったし……」
と呟いてみる。そもそも何であんな名前にしたんだっけか……
「とりあえずみんなで一通り思いついたの言っていこう。まずあたしから、『キングダム○ーツ』ってのはどう?」
「いやいやいやララっ! ディ○ニーのモロパクはヤバイってっ!!」
俺は慌ててララの案を却下した。あんたなんちゅー事を…… ヤバイってマジで、同人書いただけで連れて行かれますから。
「む~っ やっぱだめ? 最近ちょっとハマってるのよね~ あのゲーム♪」
「気持ちはわかるけど却下っ! 俺達確実に破産するから」
ララは「ちぇ~っ」といいながら口をとがらした。そして「ほんじゃ、次はスエね」と隣のスエゾウに話を振った。どうやら時計回りらしい。
「え? 俺? う~ん…… あ、『キンダーガーデン』ってのはどうだ?」
「どうやらまた燃やされたいみたいだね……」
スエゾウの答えにメーサが睨みながら手にしたワンドを構える。それを見たスエゾウは「ジョーダンだってばっ!」と慌てて謝りながら防御魔法『プロテクト』をかけた。
アホかお前は……
「次、ゼロシキ、あんたは?」
「……パス。チームの名前なんぞに興味は無い。第一俺はお前らに雇われた傭兵だ。俺に聞くな」
とゼロシキは腕組みをしながらララのフリを一蹴した。一瞬肝が冷えたがララは別段気にした風もなく「ふん、言うと思ったけどね」と言ってそっぽを向いた。ララにああ言えるのってこの中じゃナイトかゼロシキぐらいじゃないか?
「メーサは? なんか良い名前思いついた?」
「え? 僕も良いの? うわ~ワクワクしてきた。どんな名前が良いかな~♪
えっとえっとね……
う~んとね……
その…… あの……
あ~ う~ く~っ!!」
メーサは笑顔のまま凍り付き、唸りはじめてしまった。恐らくそういう事を考えるようにプログラムされてないんだろうな…… でも何でそんなに嬉しそうなんだコイツ?
「あ、あのメーサ、そんなに悩まなくても良いからね……」
と少し心配そうに声を掛けるララだったが、メーサは「う~ あ~」とよくわからん声を出して唸ってる。そのうち耳とかから煙でも出るんじゃないか?
「メーサは基本人間の集団意識のサンプリングエミュレートと戦術構築のために作られたAIだからな。こういう事には慣れていないんだよ」
ナイトはそう言いながら未だに唸っているメーサの頭を撫でた。何となく本当の兄貴みたいだ。
「じゃあお次は俺か。そうだな……」
ナイトはそう呟きながら首を捻った。
「『ウロボロス』ってのはどうだろう?」
チーム『ウロボロス』
おお? なんかちょっとかっこよくねぇ? 響きもなかなかいい気がする。ナイトって実はこういうセンス良いんじゃない?
「ウロボロス…… なんか今ビビッときちゃった。良いね、それっ! それにしようよ。チーム『ウロボロス』! うん、イケてるじゃない」
マリアの言葉に一同頷く。唸っていたメーサもようやくフリーズから脱したようで「それ可愛いー」とか言ってる。
か、可愛いか……? まあいい……
「でもまだリーダーの案を聞いてないけど……」
とナイトが俺を見ていった。
「あ、そっか、シロウ『ウロボロス』より良い名前浮かんだ?」
「いや、ウロボロスで俺も良いと思う。響きもカッコイイし」
「カッコイイ? 可愛いだろ~」
と俺の言葉に文句を言うメーサ。ま、どっちでも良いんだが、可愛いかマジで?
と言うわけでチーム名はナイトの案である『ウロボロス』で全員納得で決定。早速サポートに登録しないとな。
「なあシロウ、ところでお前『ウロボロス』どういう意味か知ってるか?」
とスエゾウが俺に聞いてきた。う~ん、たまに聞く名前だけど意味はさっぱりわからん。
「さあ? つーか俺に聞かないでナイトに聞けよ」
俺はそう言ってナイトに質問を振った。ナイトはまたまたニコニコ笑顔で答える。
「神話などに出てくる『自らの尾を食らう蛇』のことさ。見たこと無いかな? こう蛇がわっかになってる図案」
ナイトはそう言って両手で丸を作ってみせた。そう言えばそんなのどっかでみたことあるような……
「身を食らう蛇なんて…… まるでシロウみたいだな。自分のこさえた罠に仲間が引っかかる…… みたいな?」
「やかましいっ! 泣きギレ暴走ビショップよりマシだろ! ○ヴァの初号機よりタチが悪いわっ!!」
俺はスエゾウの言葉にそう吐き捨てるように言ってやった。
「まあまあ…… ウロボロスはそう言う意味じゃないからさ。蛇が自分の尾を銜えると円になるだろ? 始まりと終わりが一緒になる。終わりがない…… つまり『永遠』とか『無限』とかって意味合いなるわけだ。そう言った物の象徴として扱われているのさ」
ナイトは俺達をなだめながらその博識の一部を開陳する。
「蛇ってダークなイメージがあるけど、古来から蛇は神聖な生き物として崇められてきたことの方が遙かに多いんだ。何度も脱皮を繰り返し長い年月を生きる物と言うことで『不死』を意味する言葉としても扱われてきたし、中世では『始まりから終わり』の全てを知る存在、いわゆる『完全』と言った意味で用いたこともあったんだ」
ほ~ なるほどね…… ナイトって物知りなんだな。人間だった時はさぞかし頭良かったんだろうなぁ。
するとララがナイトの話しに納得したように言った。どうやらかなり気に入ったらしい。
「良いじゃん良いじゃん! 完全最強チームに相応しいネーミングじゃんっ!! 向かうトコ無敵のチームって伝説を沢山作っちゃお!」
おおう、なんかララの言葉に俺もその気になってきたぞ。なんとなくこのチーム、マジで聖櫃クリアー出来そうな気になってくるっ!
「さーて、グッドな意味のチーム名も決まったことだし、みんなでビネオワで乾杯しようよ♪」
ララはそう言って片手を上げ、NPCの店員を呼ぶ。その横でスエゾウも「そうっすね、そうっすよね~」とララに同調して手を挙げている。どうやらこのまま結成式に移行するようだ。
「あ、でもそういえば……」
と不意にナイトが呟いた。
「ウロボロスは自分の尾を食らうだろ? で、最後は結局何も残らないから『無に帰す』って意味もあったよな、たしか……」
ナイトの追加補足説明に一同静まりかえる。
あのさナイト、わざわざそんなドン引きなオチ付けなくても良いからさ……
それから俺達はそんな微妙なダークさを頭に残したまま乾杯となった。ナイトってセンスは良いかもしんないけど、空気読む気がさらさら無いよなマジで……
初めて読んでくださった方、ありがとうございます。
毎度読んでくださる方々、心から感謝しております。
第7話更新いたしました。
いやはや全然筆が進みません(汗)つーか書いてる暇がねぇ!!
何だか最近やたらにやることがイパーイでもう嫌…… オマケにやたら熱くて溶けてしまいそうです。何でも過去113年で一番暑い夏だとか…… やっぱり夏は嫌いですよまじで。
さてお話はようやくチームができあがり、初陣に望もうかというところです。前回のラグナロクと比べてもなかなかの高レベルなチームですが、果たしてそう上手く行くのかな?
新たにメンバーに加わった面子見ると早くもチートな気がしますが、そこは色々と用意してございますw メーサもナイトもそりゃあ高レベルですが、果たして……
新生チーム『ウロボロス』活躍(?)にご期待いただければと……
鋏屋でした。
次回予告
メンバーが集まり、名前も決まったチーム『ウロボロス』
各々の、またチーム全体のポテンシャルを試すため早速クエストを受注する。伝説のチームになる為の第一歩に胸躍らせるシロウ。果たして、ウロボロスは聖櫃にたどり着けることが出来るのだろうか?
次回 セラフィンゲインAct2 エンジェル・デザイア第8話 『天使の誤算』 こうご期待!