第49話 新しい活動場所
「好きだよ、リン……」
「あたしも、ヒロ……」
あ、あたしヒロとキスしてる……これ、夢じゃ無いよね?
何度も何度も夢にまで見たヒロとのキス、その願いがいま叶って、リンは泣きそうになる。
二人はいま裸でベッドの上に居る。自分の貧相な胸を見せるのは少し恥ずかしかったが、ヒロはその胸を可愛いと言ってくれた。
突然変な世界に飛ばされちゃったけど、ヒロさえ居ればどこでも良かった。
ここに来てから色々なことがあって、死んじゃいそうなこともあったけど、そんな出来事があったからこそ、ヒロとこんなに親しくなれた。
元の世界だったら、きっとただの友達のままだったと思う。
ヒロの舌が首筋に這い、そのまま下へと移動していく。
ああ、あたし、これからヒロとしちゃうんだ。そういうの、全然勉強してなかったけど、上手く出来るかな。ヒロに任せてればいいのかな?
うー凄い緊張する……。
そうだ、あたしもヒロにしてあげなくちゃ! 女の子だって、受け身なだけじゃダメよね? ヒロにも気持ち良くなって貰わないと。
やり方分からないけど、なんとかなるわよね。うん、気持ちが大事!
リンはちょっと照れながら、視線を少しずつヒロの下半身へと移動していくと……。
「リン、こっちは私たちがやってあげるから大丈夫よ」
「そうです。リンさんは勇木君とキスを楽しんでいて下さい」
………………待って…………
なんでアンタ達が居るのよーっ!?
いつの間にか麗子と友美が居て、ヒロの××××でなんかやってる……モザイクでよく分からないけど。っていうか、なんでモザイク掛かってるの?
「よし! コレでヒロ君の準備は万端よ!」
「リンさんが最初でいいですからね。頑張って下さいねー」
えっ、何コレ? 麗子と友美の前でするの?
あたし、もっとムードたっぷりの初体験を夢見てたんだけど?
ちょ、ちょっと待ってヒロ、やだ、あたしこんな格好……
はあああああん……!
……
………………………………………………………………夢か……。
リンは目が覚める。
身体の力はグッタリと抜け、顔は熱く火照り、心臓は早鐘のように打っている。
ヒロとのキスの夢なら、今までにもう何度も見ている。が、こんな生々しいのは初めてだった。あまりの内容に、全身汗がびっしょりだ。
もちろん、原因は昨夜のことだろう。アレのおかげで、すっかり心が乱されてしまい、こんな変な夢を見ることになってしまったのだ。
もう、麗子と友美めっ、二度とあんなコトさせないわよっ!
……因みに、麗子と友美も、似たような夢を見て起きるのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
あ~よく寝た。
夜中に一度身体を動かしたおかげか、そのあと良く熟睡出来た。初めて空間裂狭邸館に泊まったけど、とても快適だし、これなら何も問題無いな。
僕は寝間着から着替えて、食堂へと移動する。
食堂に入ると、すでにリン達3人は起きていて、朝の水分補給にとコップに水を入れて飲んでいた。
「みんなおはよう」
「おおおおはよっ」
「お……おおはようヒロ君」
「お、お、おはようございます勇木君」
ん……なんだ?
なんかみんなちょっと他人行儀だな。3人とも顔が真っ赤だし。
まあ初めて4人だけで朝を迎えるし、ちょっと緊張してるのかな。
取り敢えず、朝食の準備をしようかとキッチンへ。
食材は日本とは多少違うけど、調理の仕方は似たようなもので、料理の基礎さえ出来ていれば、自分たちで問題無くご飯は作れる。
僕は簡単な料理しか出来ないので、ここは出しゃばらずに女の子達にお任せした方が、美味しい朝食が食べられそうだ。
「料理は当番制でもいいかなと思ってるけど、もし得意な人が居れば、その人にお任せした方が助かる気はするんだけど、みんなはどうかな?」
僕は料理について提案してみた。
「あたしもそれでイイと思うよ」
「そうね、上手な人が作った方が、美味しく食べられると思うし」
「その代わり、洗い物とか掃除とかの別な作業を、料理係じゃない人が分担すればいいですしね」
うん、決まりだ。
早速、誰が作るのか、料理係を決めよう。
「……友美よろしく。あんたきっと料理とか上手でしょ?」
「えっ、待って下さい、グルメな麗子さんなら、お料理上手なんじゃないですか?」
「私は食べるの専門よ。リン、あなたまさか料理出来ないの?」
「自分のこと棚に上げて何よっ、あたしこういうの不器用って分かるでしょ?」
「私も、お料理は苦手です」
「えっ、誰もお料理出来ないの? 朝食どうするつもりだったのよ」
「だって、友美なら出来ると思うじゃない」
「冷凍食品とレトルトなら作れますけど……」
「それは料理じゃ無い!×2」
料理なんて些細な問題と思ったけど、どうやらそうでも無かったようだ。
リン達は誰も包丁が使えないということで、結局僕が作ることに。
手間の掛かる細かい料理とかは作れないので、ざっくりと大雑把な男料理を作ってみんなに出した。
「うん、美味しい!」
「ホントね。ヒロ君才能あるんじゃない?」
「神人さんも料理の才能あったってことでしょうかね」
「ヒロ、これならいつでも主夫になれるわよ!」
「ヒロ君、今のを訳すとね、リンはお婿さんに来て欲しいって言ってるのよ」
「んんんんなわけないでしょっ!」
この世界では初めて料理したけど、なかなか好評のようで良かった。
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朝食後、一息ついてから、僕らは冒険者ギルドへと向かった。
どこの国でも、冒険者ギルドは大抵町の中心近くにあり、このアマトーレ公国でも、ご多分に漏れずにその位置にあった。
目立つ大きな建物に入り、受付へと向かう。
エーアストではボルゴスに絡まれたトラウマがあるため、初めて来たアマトーレのギルドに少し緊張したが、問題無く活動の申請が出来た。
冒険者ギルドは全世界共通なので、一度登録すればどこに行っても活動は可能だけど、今までとは別の地域に訪れた時は、一応その地のギルドに活動の申請をする場合が多い。その方が、何かとメリットがあったりするのだ。
それと、申請した際に、僕らの冒険者ランクが上がったことを教えて貰った。
僕らはBランクになったそうだ。これは、ギルドの依頼を受けたわけでは無いのだけれど、馬車がモンスターに襲われた時に護衛した功績を評価されたらしい。
退治したモンスターから言うなら、Sランクでもおかしくなかったそうだが、Aランク以上になるには昇級試験が必要なため、Bランクとしたそうだ。
ファラオゴーストや馬車のモンスター退治で、僕たちのレベルも38に上がっている。
ファラオゴーストの時は、『四者の強固な結束』状態では無かったけど、ケタ外れの強敵だったので、経験値も結構貰えたようだ。
冒険者に登録して約1ヶ月半、Bランクは相当早い部類なんだけど、クラスの中では一番遅いかもなあ……。
因みに、ランクのおおよその目安として、
・Fランク レベル10未満 駆け出し初心者
・Eランク レベル10以上 見習い中
・Dランク レベル20以上 一人前
・Cランク レベル30以上 頼れる冒険者
・Bランク レベル40以上 ベテランの域
・Aランク レベル50以上 一流
・Sランク レベル60以上 各地ギルド最強クラス
・SSランク レベル70以上 超一流で世界レベル
こんな感じとなる。
僕ら異世界組は、凄い勢いで駆け上がってしまっているけど、本来はCランクで長く活動しながら実績を積むことが多く、Bランクまで行ける人は、かなり才能のある人たちだけなのだ。
ましてやAランクとなると、冒険者全体の数パーセントしか居ないだろう。若い僕たちが、あっという間に高ランクに昇格してしまって、なんだかこの世界の人達に申し訳ないくらいだ。まあそれくらい成長が早くないと、この世界を救えないから仕方ないわけではあるが。
因みに、オルドルさんはレベル66だと言っていた。アイレさんは、確かレベル62だ。
ユスティーさんは、レベル65だったかな。ケットさんはレベル78で、ほか、ケイパーさんはレベル40そこそこで、ボルゴスはレベル60くらい。
国王守護騎士は、レベル70後半だという話だった。
まあレベルはあくまで目安であって、技術スキルの熟練度も強さに大きく影響するから、レベルだけでは単純に強さは計れないんだけどね。
SSランクとSSSランクには大きな壁があるようで、それは努力や才能などを超越したモノらしい。
だからこそ、SSSランクは世界に4人しか居ないとのこと。レベルももちろん、全員80を優に超えていて、戦士職の3人は90前後じゃないかという話だ。
この前模擬戦した人もメチャクチャ強かったし、早くSSSランクの人にも会ってみたいと思っている。
取り敢えず、ギルドでの用事を全て済ませ、僕らは外に出た。
今日のところはギルドの依頼は受けずに、アマトーレ公国の周りを適当に散策してみるつもりだ。この辺の地理もまだよく分かってないしね。
馬車の時、通常では有り得ないモンスター達に襲われているので、危険には充分注意したいところ。
僕らは町を出て、近くをブラブラと歩き回った。
第二章での公国編とアマゾネス編は、主人公の女難が続くので、えっちな展開が多いです。
このあと、じゃじゃ馬姫とセクシーダークエルフが登場して、主人公がめためたにやられる予定です。




