第14話 冒険者パーティー決定
今日はいよいよ旅立ちの日。とはいえ、みんなすぐにあちこちの国へと向かうわけでは無い。
このエーアスト王国に残ってしばらくは活動し、もっと力を付けてから、遠くの他国へ向かおうと考えている人は結構いる。かくいう僕もその口だ。
もちろん、早く他国に行きたいと思ってる人もたくさん居て、条件が整い次第、すぐにでもきっと他国へ向かうだろう。
つまり、今日から冒険者として新たなスタートを切るという意味での旅立ちだ。
いきなりこんな世界に喚ばれてしまって、最初は不安ばかりでどうしようも無かった僕たちだが、今ではみんな自信を付け、このイストリアという世界を色々と見聞しながら、絶対に世界を救ってやるのだと誰もが誓っている。
それを可能にするだけの力を、僕らは授かっているはずなのだ。恐れず前に進んでいこう。
朝食を終えた後、僕らは最初に召喚されたあの召喚堂へと向かった。
◇◇◇
「皆様、昨日までの過酷な訓練本当にお疲れ様でした」
フィーリア王女が僕たちの前に立ち、挨拶を述べる。
「これから皆様達には、今後活動を共にする相手を選んで頂いて、結束の儀式を行います。これは異世界人である皆様しか受けられない恩恵で、今後の皆様の冒険者活動において、とても有益に働くことと思います」
王女の説明はこうだった。
冒険者というのは、大体4人でパーティーを組むのが普通なのだそうだが、今回の儀式で、僕らは4人のメンバーを固定することになるらしい。このエーアスト国に伝わる『四者の強固な結束』という儀式で、パーティーを固定することによって4人の絆を固くし、神からの恩恵を最大にするのだそうだ。
このことはちょっと前からオルドルさんに聞いていたので、みんなそれぞれ相手を見つけているようだった。
どのような恩恵があるかというと、取得した経験値をパーティーの人数で割らなくてもいいようになるとのこと。
例えば、通常の4人パーティーで敵を倒し、100EXPの経験値を得たとすると、各自へと渡る経験値は4人で均等に割った25EXPずつということになる。5人なら20EXPだ。今までの訓練では、僕たちはこの状態だった。
それが、この『四者の強固な結束』という儀式をすると、4人で均等割をせずに、全員に100EXPずつ経験値が配られるのだ。つまり通常の冒険者達の4倍の速度で成長するということらしい。
ギフト持ちに至っては、さらに『経験値2倍』のスキルがあるから、合わせて
8倍の速度で成長する。この世界の住人が10年掛かって到達するところを、1年ちょっとで到達出来る早さということだ。
『経験値10倍』を持つ凶獄君は、通常の40倍…ちょっと考えたくないな。
そもそも僕たちのレベルアップの早さも、通常よりも多少早い気がするとオルドルさんが言っていたので、きっとこれから僕たちは、凄い速さでこの世界の冒険者達に追いついていくだろう。
今からゆっくり育っては、魔神の復活に間に合わないかも知れないので、とてもありがたい恩恵だ。
この儀式が何故4人なのか正確には分かってないが、4人パーティーというのが一番戦闘効率が良いと昔からされていて、そのためでは無いかと言われている。
そして、一度パーティーを固定してしまうと、二度とメンバー変更は出来ない。その制約があるからこその恩恵なのだそうだ。
因みに、この儀式の後5人以上のパーティーで戦った場合、恩恵の効果は出ず、経験値は通常通り均等割となる。それでも、危険防止のために、助っ人を入れたりして5人になることもあるだろう。4人に戻れば、また恩恵の効果は発揮されるとのこと。
冒険は常に危険と隣り合わせなのだから、あまり経験値に拘りすぎず、臨機応変にパーティーを組んで欲しいと、王女は助言してくれた。
儀式の説明が全てが終わり、クラスメイト達はそれぞれ目当ての人の元へ行き、パーティーを組み合う。
それはただ仲良しとかでは無く、お互いの能力や役割、目的を考慮した、冒険者として立派に活動していくための人選だった。
パーティーを決めた人たちは、改めてお互いの意思を確認したあと、それぞれ王女の元へ行き、結束の儀式を行った。
4人を光の輪が包み、ゆっくりと狭くなっていく。スーッと4人の身体に溶け込むように光は消え、4人の全身が一瞬眩しく輝いた。
これで儀式は完了のようだった。
次々に無事儀式を終えるクラスメイト達。最後に残ったのは……。
猪熊リン、華城麗子、倉橋友美、そして僕の4人だった。
僕は誰からも組んで貰えなかったというのが理由だが、ひょっとしたら、ほかの3人も似たような理由かも知れない。鬱々たる様子が窺えた。
僕は誰と組んでも構わないと思っていたが、ほかの3人はどうなのだろうか? これからずっと行動を共にしていく覚悟はあるのだろうか。
取り敢えず、残り4人だけなのだから選択の余地は無い。
僕たちも結束の儀式を完了した。
「おいおい、こりゃまたずいぶんなパーティーが出来上がっちゃったなあ」
僕たちの顔ぶれを見て、クラスメイト達がゲラゲラと笑いながら囃し立てた。
僕はいつものことだけど、ほかの3人は大丈夫かな? 特に倉橋さんは、とても繊細そうだった。
これからもっと大変なことがたくさん有るんだ。クラスメイトからの侮蔑なんて、あまり気にしないで欲しいと思う。
という風にはなかなか行かないのが人間なんだけどさ。
せめて、僕に彼女たちを支えてあげられるだけの力があればなあ……。
「魔神復活まであとどれくらいあるのか分かりませんが、きっと皆様が世界を救って下さると信じています。他人任せで本当に申し訳ありません。王国としては出来る限りの支援をさせて頂きますので、お困りの時は遠慮なくお申し出下さいませ」
王女の最後の挨拶が終わった。
みんなそれぞれ興奮が抑えられないようで、そわそわと落ち着き無い様子で顔を紅潮させている。
もちろん、僕もそうだ。
さあ今から僕たちの異世界探検開始だ。
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【落ちこぼれ組】
勇木ヒロ : 無能力 魔法剣士
猪熊リン : 超感覚 戦士
華城麗子 : 幸運体質 狩人
倉橋友美 : 知識の書 魔道士
【最強パーティー】
十六夜タクヤ:01剣聖 剣士
大山鉄丸 :07悪魔化 拳闘士
小鳥遊すみれ:03賢者 魔道士
三枝よう子 :10結界師 神官
【最凶パーティー】
凶獄力也 :02超成長 山賊
蛭田ケンジ :09武器召喚 弓使い
血脇キリオ :14暗殺奥義 忍者
神薙サリナ :11歌姫 神官
【ちょい悪パーティー】
斬野元次 :12次元斬 剣士
星野幽介 :13星幽体 戦士
骨川ヤスシ : 召喚教本 召還士
白鳥絵里香 : 魔眼 神官
【大穴パーティー】
習田ツトム :04習得師 戦士
進藤聖也 :06聖剣進化 侍
忍田明日香 :20変身 忍者
占部夢子 : 占い師 神官
【変人パーティー】
笑木シンタ :05道化師 聖騎士
宅七郎 : 全能 魔法剣士
香山リカ :15巨像製作 獣使い
金子富恵 : 錬金術 魔道士
【暴れん坊パーティー】
不死川兆司 :16超再生 拳闘士
猛田強史 : 肉体強化 戦士
伊東江好葉 :08超能力 弓使い
底無魔美 : 魔力無限 神官
【凸凹パーティー】
肥満谷太 : 鉄壁 戦士
剣持美咲 : 精神統一 剣士
神谷祈子 :18神罰 神官
賭井博美 :19奇跡変数 魔道士
【バランス良好パーティー】
五味虫雄 : 戦士の心得 戦士
犬飼福之介 : 魔獣馴致 獣使い
紗倉萌 : 司祭の祈り 神官
原黒ゆりあ : 魔導解析 魔道士
【迷宮強いぞパーティー】
戸辺留元牙 :17複製創造 剣士
盗坂カズオ : 探索者 盗賊
観定密子 : 精密鑑定 神官
遠目千里 : 千里眼 魔道士




