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異世界で第二の人生を歩みます!  作者: 尾木 愛結
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 異世界へ転生したと気づいてから、今日で十日目である。


 ギルド職員から聞いて、この地にある大きな図書館を訪ね、そこでブルックス帝国の地理を調べたり、現在地の確認も済ませた。魔法書も眺めたが、良く分からない説明文が多くて早々に挫折。


 私が現在いる場所は、ブルックス帝国の最端に位置するアシュベリー公爵領の敷地内。

 アシュベリー公爵領といっても広大な敷地面積がある。それぞれ区域に分かれていて、領主が住んでいるのは領都アスカムという地名のようだ。


 アスクウィス冒険者ギルドがある地区は、ボートン区で正式名がアスクウィス市街。別名アスクウィス冒険者都市。名前の通り冒険者が多い街である。


 先住民も存在しているけれど、冒険者の方が圧倒的な人数らしい。

 その隣街がアバネシー区といって、商業というかマルシェと宿場が立ち並ぶ街のようだ。区が一つの街という括りと考えて良いのか。その辺は良く分かっていない。


 呼び方がそうなるってだけで、深く考えなくても良さそうだ。

 街並みは石造りの建物が基本で、中に入ると内装は木造建築スタイル。石造りだけの建築だと、冬場は寒くて無理がある。外観を頑丈にする為だろう。


 森型ダンジョンに近い場所だから、魔獣が襲って来ても大丈夫なように、建物を頑丈にしているのも納得だ。


 そして通貨について勉強した。

 この世界は鉄貨での取引はなく、主に銅貨か銀貨が多く使用される。銅貨が百枚で銀貨一枚、銀貨千枚で金貨一枚らしい。


 ギルドの地下にあった食事はワンプレートスタイルで、メイン料理と前菜にデザートが皿に乗っている。スープと黒パンは食べ放題。

 一人前で銅貨三枚だった。


 街にある定食屋や屋台も破格の値段。

 異世界あるある肉串は一本で銅貨一枚である。串に刺さっている肉の大きさは、小柄な女性の手のひらサイズで、なんと五つもあるのに!


 肉串一つで満足感。

 味付けが塩のみっていうのは物足りないが、こってりした味付けよりも食べやすい。


 パンが黒パンとカンパーニュ、それからライ麦パンの三種しか存在していなかった。ナンっぽいパンとか、バゲットみたいなハードパンが存在していない事に軽いショックを受ける。


 私は基本的に米を主食としていたが、フランスパンやバゲット、プールといったハードパンも好き。

 実は総菜パンが苦手で、総菜パンよりサンドイッチの方が良い。トーストしたパンにマーガリンを塗る事もあるが、ハードパンに関しては、何もつけずに食べるタイプだった。


 今日は自分の拠点となる家を探しに歩いている。


 ギルド職員に尋ねたら、家を購入するには冒険者ギルドではなく、商業ギルドの管轄らしい。商業ギルドは不動産と金融に関するものを専門に扱う所だった。商売を始めるにも、商業ギルドを通さないといけないらしい。


 そして売り上げの三パーセントを、商業ギルドへ払う義務があると教えられた。


 冒険者ギルドと商業ギルドのスポンサーが、その地の領主である。

 最終的に商業ギルドから領主に納められる形だろう。


 それを考えたら売り上げの三パーセントくらい安いものだ。


「冒険者ギルドに近い場所が理想なんだけどなぁ……」


 私が探しているのは店舗型の家である。


 サンドイッチ専門の店にしたい。

 店内は広くなくても良いのだ。


 私は飲食店にしたいわけじゃなく、冒険者向けのテイクアウトの店にするのが目的である。それなら冒険者ギルドに近い方が有利かなと、かなり打算的な考えだった。


「あれ……ここは空き家かな?」


 ちょうど目に入った建物を眺める。


 個人営業の小さなパン屋くらいの大きさ。入口の柱に印字されている数字を確認してから、私は商業ギルドへ引き返す。


「ルシアさん、確認したいんだけど」


 商業ギルドの窓口にいる、顔見知りとなった二十一歳の女性職員ルシアに声を掛ける。


「こんにちは、アンジェリアさん。確認したい事とは?」


「この近くにある三十二番地の空き店舗って、賃貸か購入可能なのかを教えて下さい」


「ああ! 元雑貨屋さんだった店舗ですね。あちらは購入可能ですよ。もしかして商売を始めるんですか?」


「本当? テイクアウト専門の店を始めようかと考えていて……」


「ちょっと待ってて下さいね。執務官を呼んで来ます」


 ルシアが席を立って姿を消す。


 おそらく物件購入するには受付嬢ではなく、別の担当者が対応するのだろう。受付嬢はあくまでも窓口であって、それぞれ専門の担当者が対応するものだ。


 間もなくして、ルシアが一人の男性を連れて戻ってきた。


「お待たせしました。こちらはカワード執務官です。カワード執務官、彼女はアンジェリアさん。三十二番地の物件を購入希望のようです」


「初めまして、ダニエル・カワードです。物件を購入希望という事で説明がありますので、応接室へ移動して頂けますか?」


 見た目は二十代後半くらい?

 すらりとした長身に、インテリ風な雰囲気の眼鏡男子。


 上品な口調と洗練された所作。

 貴族家の人間か、平民でも裕福な上流階級の家の者だろう。


「私はアンジェリアです。はい、移動は大丈夫です」


 私はダニエルの後に続いて、その場から移動する。


 そして――無事に物件の購入契約が完了した!

 物件の価格は金貨三枚。


 これまで銀貨と銅貨しか使用した事がなかった分、初めての金貨に手が震えてしまった。

 私の空間収納には数千万枚の金貨が眠っている。そもそも枚数は問題じゃない。初めて触れた金貨に震えただけだ。


 大切な物件登録証を空間収納へ納め、その足で物件を内見する為に再び戻る。

 家の前に来ると、手にしたばかりの鍵を使って中へ入った。


 初めて踏み入れた店内と呼べる場所は、それなりに年季が入って痛んでいる所がある。

 どのくらいの期間、空き家状態だったのか。床や窓枠に埃が積もっている。


 窓ガラスも曇っているのが原因なのか、外の日差しが少なくて店内が暗い。それ以上に空気が淀んでいるのが気になってしまう。仮にも食品を扱うのだから、殺菌と清潔は万全にしなければ!


「まずは空気の入れ替えだよね」


 店内にある全ての窓を開けて空気の入れ替えをしておく。


 次に気になるのが二階の居住エリアだろう。

 部屋数と水回り、収納を確認しないと!

 

 階段を上って二階へ向かうと、その先は広い空間になっていた。


「なるほど……ここはキッチンとリビングを一体化した感じかな? この先にあるドア三つに主寝室、浴室とトイレがあるっぽい」


 大雑把な間取りで言えば、キッチンとリビング用の部屋は大体二十畳。主寝室も同じ二十畳で、トイレは約三畳くらい。浴室は四畳半って所だろうか。窓側に足が伸ばせる浴槽が完備されている。


 日本のような洗い場というスペースがなく、バスタブで体を洗って済ませるスタイル。


「一人住まいには十分な大きさだと思う」


 元は老夫婦が建てた物件で、手造りの雑貨を売っていた店舗だったらしい。二人は年を重ねていくうちに体の自由が利かなくなり、娘夫婦の元で残りの余生を過ごす為に手放したそうだ。


 立地的にも冒険者ギルドと商業ギルドから徒歩二分。

 ちょうど建物の並びの角にある。


 たとえ行列が出来たとしても邪魔にならない。

 ――あくまで行列が出来るというのは、そうあって欲しいと個人的に願っている例え話だ。


「家具類は空間収納にある物を使い回すとして……何よりも掃除が先だよね。これは浄化と除菌を重ねたクリーンかな」


 そう頭で思い描くと一瞬で新築のような姿に変わる。


「修復を重ねた記憶はないけど……綺麗になってるし問題ない」


 新築レベルまでに生まれ変わった室内を見回した後、主寝室にベッドを置く。空間収納に入っていたベッドは、クイーンサイズの大きさだった。しかも天蓋付きベッドである。


 床に絨毯を敷いて、保管されている家具を色々と出して配置していく。


「すげぇ……魔法って便利だ」


 僅か数分で居住区が完成した。


 空間収納に入っていなかったのは、カーテンと調理器具。絨毯が入っていたのに、カーテンがないのは謎である。貴族令嬢だから調理器具が一つも入っていないのは当然だろう。


 メイドとか侍女が世話を焼いてくれるだろうし、家には料理人がいたに違いない。


「必要な物はメモしておかないと忘れそう」


 カーテンは窓の数をチェックしておく必要がある。

 それと調理器具類と食材。大量の小麦粉に塩と砂糖、あればドライイーストも欲しい。乳製品類は隣区にあるマルシェで仕入れるとして、サンドイッチの具を何にするか。


「ん……具材に関しては、マルシェに行ってから決めた方が良いかも」


 ついでに動きやすい着替えと、下着類も買い足しておきたい。

 テイクアウト専門にするから、パンを包んだりする物と紙袋は絶対に必要だろう。


 店舗の片隅にレジスターが残っていたのは幸運だったかもしれない。

 それも魔道具だったのだ。


 おそらく目玉が飛び出すほどにお高い。図書館で魔道具の本を見た限り、どれも金貨で取引されるものばかり。自分で自作してみるのも楽しそうだ。特に防犯に関して必需品とも言える。


 魔道具を作るのに必要なのは、魔鉱石と魔石の二つ。

 魔石は魔獣の心臓部にあたるものらしい。そして魔鉱石はダンジョンで発掘するか、魔鉱石を専門に取り扱う店舗で購入。おそらく冒険者ギルドか、商業ギルドで取り扱っている可能性は高い。


 冒険者ギルドで賃貸している部屋の契約も、二か月半くらい残っている。

 セキュリティを考えたら、冒険者ギルドの賃貸に残っていた方が無難だろう。


「折角、家具を配置したけど防犯を考えたら残していくのは心配だわ」


 家具一つとっても高級品なのだ。テーブルやソファも物凄く高そう。ベッドは天蓋付きだし、天蓋には精巧な天井画が描かれている。何よりベッド枠すら至高の作品。


 布団やマットも賃貸の部屋にあるものと全然違う!


 初めて目にした時、高級ホテルばりの高級品だと思っていた。

 実際、本物の最高級品を目にすると格が違い過ぎる。本当に一目で違いが分かってしまう。現在の部屋にあるものは確かに上質だが、最高級品と比べたら質が違うのだ。


 私は配置したばかりの家具類を空間収納へ戻していく。防犯対策を万全にするまで、何も置けない。この街は少なくとも治安は良い方だろう。しかし油断は大敵である。


 今日は念願の店舗が見つかっただけじゃなく、無事に物件購入の契約まで済ませる事が出来た。

 ここまでくれば、後はのんびり考えたら良い。準備する時間はたっぷりある。


 改めて思い直したら、冒険者登録をしておいて一度も活動していないじゃないか!

 そもそも俗に言うクエストのノルマを達成しないと、冒険者のランクが下がるという話はなかった。この地に流れ着いた移民は、身分証として登録する人が多いと聞く。


 元から住んでいる先住民は、誕生と同時に役所に出生届けを申請するらしい。

 役所で申請している人は生粋のアシュベリー公爵領の領民で、冒険者登録をしている大半の人は移民なのだろう。冒険者登録のタグも領民と移民に違いがある。


 私が持っているタグは鉄に近い灰色っぽい金属だが、領民が持っているタグはプラチナっぽい金属。領民と移民を区別する為のものだろう。きっと他の領地も同じく、移民を区別している可能性は高い。


 冒険者登録のタグの色が違うだけで、人種差別をされていないのだから気にしたら負け。


「まだ午後に差し掛かった時間だし……マルシェを覗きながら、物価の値段とか調べるのも良いかもね」


 私は気を取り直してマルシェがある街へ向かった。


 アスクウィス冒険者都市からマルシェのある街まで、徒歩で約十五分。

 乗り合い馬車も通っているが、バスと違って降りるタイミング分からないので利用した事がない。


 マルシェは店舗型のものと、テントを張ったタイプと屋台が並んでいる。


「乳製品の確保と、小麦粉に塩と砂糖……」


 小麦粉は十キロ単位で、一袋の売値が銅貨十五枚。塩と砂糖は一キロ単位となっている。一袋が銀貨六枚で割高な価格設定。胡椒は一袋五百グラム入りで銀貨三枚と、こちらも価格設定が高めだ。


 じゃがいもは人気がないのか、かなり単価が安い。一袋に何キロ入っているのか不明だが、銅貨五枚だった。


「サイドにフライドポテトもアリね。玉ねぎも安い!」


 玉ねぎは一袋十キロ入って銅貨十枚の安さ。


「こんにちは、小麦粉とじゃがいも、それから玉ねぎを三つずつ欲しいの」


「小麦粉三つで銅貨四十五枚、じゃがいもが銅貨十五枚、それから玉ねぎが銅貨三十枚で……」


「全部の合計を合わせて銅貨九十枚……玉ねぎを一つ足したら、ちょうど銀貨一枚分の計算になるのか。玉ねぎを一つ追加で銀貨一枚」


「お嬢さん、計算が早いね!」


「有難う。はい、代金の銀貨一枚」


 私は購入した物を空間収納へ入れていく。


「沢山買ってくれて有難う。これはおまけだよ」


 店主がおまけとしてリンゴを一つくれた。

 濃いピンク色のリンゴは、甘くて美味しそうな香りがする。


「美味しそうなリンゴですね。有難うございます」


 私は店主にお礼を告げてから、次の店舗に移動した。


 天然酵母かドライイーストが見当たらない。

 この世界に存在していないのか。黒パンの材料は知らないが、ライ麦パンとカンパーニュがあるから、イースト菌は絶対にあるはず。


 幾つか店舗を見て回り、乳製品を扱う店を発見した。


 牛乳は自前の容器が必要みたいで、それを用意しなければ買えないらしい。バターとチーズ、それから卵を無事に買う事が出来た。卵は二十個入りで銅貨四十枚。


 チーズとバターは一キロ単位で、それぞれ銅貨五十枚ずつ。

 バターは試作品を考えて十キロ分、チーズの方は三キロで十分だろう。


 卵は幾つあっても足りないくらいだから、ケース五つ分を購入。乳製品と卵だけで高額になってしまったが、これがないとパンが作れない。


 砂糖と塩は最初の店舗よりも安く買えた。

 もしかしたら粗悪品の可能性も考え、砂糖の値段について尋ねると種類が違っていただけらしい。最初の店舗にあった砂糖は白い高級品。こちらで扱っている砂糖は茶色いもの。


 色的に三温糖みたいなものだろうか?


 それなら白い砂糖より、茶色い砂糖の方が体に良さそうなイメージだ。

 値段も五キロで銀貨一枚である。


 塩の方は値段に差がない。

 相場的に塩と胡椒は高いのだろう。


 それも合わせて購入した。

 先ほどの乳製品と比べ、なかなかの大出費である。仕方ない、必要経費だと諦めよう。


 それから引き続き包み紙用の用紙と、紙袋を扱っている店舗で大量購入。クッキングシートみたいな素材の用紙があったのだ。フライドポテトを入れる手ごろな大きさの紙袋もゲット。


 サンドイッチの具材に良さそうな葉物の野菜と、トマトを購入していく。空間収納は時間停止だから、大量購入しても痛む心配がないので安心して購入できる。


 最後にインテリアを扱っている店舗を覗く。

 カーテンが欲しいのだ。


 不意に目に入った生地を手に取る。


 サテンの感触に似ているような素材だ。

 店舗用のカーテンに合う素材だろう。完成されたものより、素材の状態の方が費用も抑えられる。カスタマイズするには布の状態のままの方が都合が良い。


「こんにちは、この生地と同じ素材のものを色違いで欲しいのですが」


「いらっしゃい、お嬢さん。色の希望はあるかい?」


「この色は絶対に欲しいかも……他の色だと、淡いブルー系かグリーン系の色合いかな?」


 店主が手に持つと、一瞬で生地の色が変わった。


「こんな感じで良いかい?」


「凄い! 綺麗なグリーン……色合いも希望通り!」


「これは魔獣から採れた糸なんだ。魔力を込めると色が変わる」


 魔法で色が変えられると知り、部屋に戻ったら試してみようと思う。


「このグリーンの生地を三つと、こちらのアイボリーを二つ。あとは……彼方にあるダマスク模様の生地を四つ」


「こんなに買ってくれて嬉しいが、予算の方は良いのかい?」


 確かに小娘が買うには高額な値段だ。


 生地一つ百メートルくらいだろうか。それをロール単位で購入している。

 完成されたカーテン一つで銀貨三枚に比べたら、一つのロールで銀貨十枚なら、かなり経費が抑えられるのだ。カーテンに使用される布の長さは二メートルにも満たない。


 百メートルのロールを購入しても、十分おつりがくる。


「合計は如何ほど?」


「無地の方は五ロールで銀貨五十枚、柄のある方は一ロール銀貨二十枚だから、〆て銀貨百三十枚」


 私は空間収納から銀貨百三十枚を取り出し、店主の傍にあるカウンターの上に乗せた。


「ご確認下さい」


 即座に商品の代金を出した私に、店主は満面な笑顔である。


 もしかしたらつけ払いをする人が多いのかもしれない。

 私も店を開店した後、つけ払いの客がいれば顔を顰めてしまう。


「確かに……代金を確認しました」


「無礼を承知でお尋ねしたいのですが……」


「何でしょう?」


「動きやすい服を取り扱っている店を知りたいんです」


「お嬢さん、動きやすい服とは?」


「これから魔獣を狩る予定なので、手持ちの物だと動きにくいから新調しようと思っているんです」


「なるほど……こちらへどうぞ」


 店主に案内されて店舗の奥へ向かう。


「こういった物は如何ですか?」


 ここには冒険者に相応しい衣類が充実していた!


「凄い! 探していたのは、こういったデザインなの!」


 私の言葉に店主は更に笑顔を浮かべる。

 この顔を見れば察してしまう。確実に上客をゲットしたと思っているものだ。


 店主の笑顔を見なかった事にして、私は欲しかった服を幾つか見繕う。女性らしいものより、男装に近いものを選ぶ。魔法でカスタマイズが可能なのは実証済み。


 フード付きのチュニックを色違いで三枚、ボトムは同じ色のものを三枚。革製のベストとベルトに加え、ゲームで良く見る冒険者が持っている布製の袋。ナップサックに似ている形で、冒険者の必須アイテム。


 防御と回復の付与魔法がついている理由で、合計金額が金貨五枚になった。


「こちら商品の代金です。確認して下さい」


 店主は金貨を受け取り、更に上機嫌となっている。

 最後には非売品の抱き枕をサービスしてくれた。


「またのご来店をお待ちしております」


「良い買い物が出来て感謝します」


 布製品と衣類の品ぞろえは、あの店が一番かもしれない。

 おまけに丁寧な接客。


 リピしたいお気に入りの店舗ナンバーワンだろう。

 その後も必要な物を揃えつつ、今夜は部屋で食事をするつもりでテイクアウトの食べ物もゲット。


 私は買い物を十分に楽しんだ後、冒険者ギルドで借りている部屋に戻ったのだった。




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