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第4話 決意

お目に留めていただいて光栄です。


第4話です。

やっと少し物語が動き出します。

読んでもらえたら嬉しいです。

次の日の学校帰り。

勇助は少し戸惑いながら、昨日神社があった場所の手前まで来ていた。


(本当にあるのかな……)


昨日の出来事が夢だったのではないか。

そんな思いが頭をよぎる。


不安を抱えたまま四つ角を右へ曲がると、昨日と変わらず見慣れない神社がそこにあった。


「……あった」

勇助は思わず小さく呟き、石段の前まで行ってみる。


ここを登れば、またあの神様がいるのだろうか。

自分はどう受け止められるのだろうか。


そんなことを考えながら立ち尽くしていると、

「にゃあー」

と、聞き覚えのある鳴き声が聞こえた。


「えっ?……ホームズ?」

勇助は辺りを見渡す。


「どこ?」

しかし、ホームズの姿は見当たらない。


「にゃあー」

今度は石段の上の方から聞こえてきた。


「外に出ちゃったの? どこ? ホームズ!」


勇助は慌てて鳴き声を追うように、一段、また一段と石段を上っていく。


「ホームズっ! ホームズ、どこ?」


探しながら石段を登り切ると、不思議なことにホームズの鳴き声はぴたりと止んだ。


勇助は思わず、

「……来ちゃったよ」

と呟く。


目の前には昨日と変わらぬ社が静かに佇んでいる。

社を見た瞬間、夢だったのではないかという思いは消えていた。


木々が風に揺れ、葉擦れの音が境内に静かに響く。


勇助は思わず辺りを見回す。

昨日と変わらず、境内には静かな空気が流れている。


そして、どこからともなく、

「受け取りに来たのかのぉ」

と、姿は見えないが、聞き覚えのある穏やかな声がした。


勇助は抵抗なく返事をした。

「き、昨日の猫を探してて……。ごめん、おじいちゃん。まだ、その……なんかよくわからなくて……」


「……そうかぁ。あれは神通力が宿っておってのぉ、お主が心から助けたいと願った時に人の助けができる神器じゃ」


勇助は少し考え込む。

「心から願うとどうなるの?」


神様は楽しそうに笑った。

「使えばわかる。かっかっかっぁ!」


少し間を置いて、

「ドンシンク、フィールじゃな」


勇助は頭を抱えた。

「簡単に言ってくれるけど……」


少し俯き、小さくため息をついた。

「確かにそうなんだけど……そうなんだけどさぁ……」


「お主の『困った人の助けになりたい』という気持ちは、そんなものなのかのぉ?」


勇助は思わず顔を上げた。

「オレは真剣に思ってるよ!」


「なら、受け取るのに迷いはいるのかのぉ」


しばらく黙り込んだあと、勇助は勢いよく顔を上げた。


「あぁ、もう! おっしゃる通りですよ! もうわかった! 親も学校も、もうどうにでもなれだ!」

「オレは人を助けられる人間になりたい!」


一拍間をおいて、神様は満足そうに言った。

「ようゆうた。では、受け取るが良い」


言うや否や、勇助の左耳の近くに淡い光の粒がふわりと現れた。


次の瞬間、その光はぱっと弾けるように消える。

勇助は左の耳たぶに、かすかな違和感を覚えた。

思わず左耳に手をやる。

「ピアスが……」


「だから違うと言うとるじゃろ。神環じゃ! まぁいい、一つ約束がある。心から人を助けたいと思った時に耳たぶを触り、『はらったま』と唱えるが良い」


「はらったま?」


「心から願った時だけ神通力が発動するのじゃ」


少し間を置いて、神様が静かに告げた。


「また迷ったらここへ来い。その時は社も現れる。それまで達者でのぉ」


その言葉が終わると同時に、辺りの景色が昨日と同じようにぐにゃりと歪み始めた。

気がつけば、勇助は境内ではなく駐車場に立っていた。


「安心せい。神環は人間には見えんからのぉ。かっかっかっぁ!」

風に乗るように、その声だけが空へと消えていく。


勇助は思わず空を見上げた。


「ちょっと! それ最初に言ってよ! おじいちゃんー!」

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


"おやしろまん"の世界を少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。


勇助たちの物語は、これから少しずつ広がっていきます。


また次のお話でお会いできたら幸いです。

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