第8話 中秋の名月編 3 ドライブ
お目に留めていただき、光栄です。
中秋の名月編、第3話です。
今回は、勇助たちのちょっと変わったドライブのお話です。
勇助の慌てぶりと、ピョン太の興味津々な様子を楽しんでいただけたら嬉しいです。
勇助は、少し悩んでいた。
おじいちゃん神様は迷ったら来いと言っていた。
今回行っても現れてくれるか……。
「う"〜〜ん……何か役に立ちたいけど……
おじいちゃんは迷ったら来いと言ってたから
困ったら来いだとどうなんだろう……」
スマイリー先生は、フフフと笑いながら
「では、今回うってつけではないですか?
何せピョン太さんは、地球で迷われてますので」
にこり。
(って力技のこじつけでは……)
「連れて行くとしても……
ピョン太を電車に乗せられるかなぁ……」
「……ピョ〜ン?」
「それならご安心ください。
私、免許を持ってます」
にこり。
と嬉しそうに両手でゴールドな免許を
勇助に見せてきた。
「えぇぇ‼︎ なんで持ってんの!」
「ちゃんと日本の皆様と一緒に試験を受けました」
にこり。
「って言っても日数合わないじゃん!
ゴールド‼︎」
スマイリー先生は嬉しそうに
「これは、ご褒美ですので♪
運転もお任せください。
私失敗しないので♪」
にこり。
勇助たちはスマイリー先生に促され
あれよあれよという間に、
先生自慢の新車の白いセダンに乗らされた。
乗ってどうなるかと思ったが、
意外と先生の運転は安全運転で、
乗り心地も悪くなかった。
冷静に考えると、
天使がカーナビ頼りに運転し、
その後ろの席では月のウサギが
外の景色に興味津々。
その横で、おやしろまんに変化
できる高校生があれこれウサギの質問に
答えている奇妙な光景だった。
無論、みんなちゃんとシートベルトを締めている。
「ねぇーねぇ!あれは何ピョン?」
「あれはコンビニって言って朝でも夜でも
お菓子とか飲み物とか買えるお店だよ」
「じゃぁ、あれは何ピョン?」
「あれは歩道橋って言って安全に人が
道向こうに渡る橋だよ」
スマイリー先生は、フフフと笑いながら
「ピョン太さんは、興味津々ですね♪」
と、話しかけるとピョン太は
「だって月とぜんぜん違うピョン!
宇佐ちゃんにも教えてあげたいピョン!」
目をキラキラと輝かせながら話すので
勇助も、質問にたくさん答えてあげて、
日本を好きになってもらえたらと
自然に思えた。
信号機、自転車、デリバリーのバイク、
ラーメン店、ハンバーガーショップ、
コーヒースタンド、ドラッグストア……。
ピョン太曰く、地球人は食いしん坊らしい。
質問に答えているとあっという間に、
神社が現れる例の駐車場に着いた。
二人と一羽は車を降りて辺りを見渡すが
神社はない。
(あぁ……やっぱりお社ないなぁ……)
「う〜ん……。呼んでみるね。
おじいちゃぁぁぁ〜ん‼︎」
しーーーーーーーーーーーん……。
「お留守でしょうか?」
にこり。
「神様、居ないピョン?」
「不在とは思わないんだけどな……」
勇助は大きく息を吸うと
「おーじーいーちゃぁーーん!
お客さんですよーーーーーー‼︎」
すると頭の上の方から
「騒がしいのぉ。近所迷惑を考えい」
と、声がすると辺りがぐにゃりと歪み
気がつくと境内に立っていた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
“おやしろまん”の世界を、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
勇助たちの物語は、これから少しずつ広がっていきます。
また次のお話でお会いできたら幸いです。




